エピペン(Epinephrine autoinjector)とは、ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される医薬品である。アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が自宅に常備することで、発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立っている。汎用の正式名はエピネフリン(アドレナリン)・オートインジェクターであり、エピペンはマイラン・インコーポレイテッド社の登録商標(第4598961号ほか)。他社ではツインジェクトなどの商標のものがある。エピペンの日本における輸入販売元はファイザー。アドレナリン。現在0.15 mg製剤と0.3 mg製剤が流通している。アドレナリンには気管支を広げる作用や心臓の機能を増強して血圧を上昇させてショック症状を改善する作用があり、アナフィラキシーショックに対して有効である。アナフィラキシーの既往のある人または発現する危険性の高い人に限るとされるが、蜂毒(Bee venom、アピトキシン、Apitoxin)、食物及び薬物等に起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療として適応がある。食物アレルギーによるアナフィラキシーが発生した場合の対応は、「食物アレルギ一の診療の手引2011」によれば,症状を総合的に判断して臨床的重症度グレード3(咽頭喉頭の絞扼感)、グレード4 (呼吸困難、チアノーゼ)以上の症状があった場合は、エピペンを打つタイミングであるとしている。患者やその家族が迅速に使えるようにということで発売された緊急注射用のキットである。アナフィラキシーショックが出たら、太ももの前外側へ筋注する。緊急時は衣服の上からでもよい。また1本のエピペンは1回分のみで、たとえ注射液が残ってもそれは使えない。使用量は体重1 kgあたり0.01 mgである。アナフィラキシーが起こった場合、救急車の到着と病院への搬送を待てない場合が多い。あくまで緊急用であり、効果は10-15分しか続かず、注射後にそのまま放置すれば症状がぶり返すことが考えられる。使用者は患者本人(未成年の場合は説明済みの保護者)であるが、必要に応じて救急救命士、保育士、教職員も使用可能である。2012年12月の調布市の小学校での事故を受け、2013年7月に日本小児アレルギー学会は、エピペンを処方されている小児患者について、アナフィラキシーの疑いがある場合、「繰り返し吐き続ける」「のどや胸が締め付けられる」などの13の症状の内一つでもあれば使用すべきであるとした。昭和大学医学部の今井孝成講師はエピペンについて、「呼吸困難などの重い症状が出たら迅速に注射すべきだ。副作用は小さいので、迷ったら打て、と言いたい」とする。チアノーゼの症状を一般人が判断するのは難しい。1本15,000円ほどするが、2011年9月から健康保険適用になった。ただし処方可能な施設は限られている。平成23年マイラン製薬の「エピペン」が保険適用になり、薬価は0.15 mg規格が8112円、0.3 mg規格が10950円である。
出典:wikipedia
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