フィールズ賞(フィールズしょう)は、若い数学者のすぐれた業績を顕彰し、その後の研究を励ますことを目的に、カナダ人数学者ジョン・チャールズ・フィールズ (John Charles Fields) の提唱によって1936年に作られた賞のことである。4年に一度開催される国際数学者会議 (ICM) において、顕著な業績を上げた40歳以下の若手の数学者(2名以上4名以下)に授与される。ICMで同時に授与される賞としては、ネヴァンリンナ賞、ガウス賞、チャーン賞などがある。数学に関する賞では最高の権威を有する。しかし、若い数学者のすぐれた業績を顕彰し、その後の研究を励ますことが目的であり、「4年に一度」「40歳以下」「2名以上4名以下」という制限がある。ただし、「フェルマーの最終定理」の証明に成功したアンドリュー・ワイルズは証明当時すでに42歳になっていたものの、その業績の重要性から1998年に45歳で「特別賞」を与えられた例がある。受賞者の一覧より、政治的強国であった西ヨーロッパとアメリカの数学者が多い。冷戦時には、共産圏の数学者との交流は困難であった。1970年、初めてソ連の数学者が受賞したが、海外渡航が許されず授賞式には出席できなかった。受賞者の出身国は多様化してきており、ベトナム、イラン、ブラジルなども受賞者を出している。2014年には初めての女性受賞者が出た。なお、賞は国際数学者会議が行われた国家の「国家元首」が手渡すことと定められており、2014年に「女性の大統領が女性の受賞者」へ手渡すことが初めて実現した。「数学のノーベル賞」と呼ばれることもあるが、賞としての性格は大きく異なる。ノーベル賞が年齢制限のない存命の人物へ贈られるのに対し、フィールズ賞はその時点でまさに活躍中の40歳以下の若手数学者に贈賞されている。また、ノーベル賞は業績ごとに選考されるため、一つの業績に対して複数の共同受賞者がでることが多くなっているがフィールズ賞では共同受賞は認められない。フィールズ賞は、40歳以下の数学者の受賞候補リストから、最終的にはフィールズ賞選考委員会の投票で決められる。ただし、「40歳以下の数学者の貢献を公正に審査することは難しい」声も設立当初よりは大きくなっている。グリゴリー・ペレルマンは、現時点では受賞を辞退したただ一人の人物である。かつての純粋数学の授賞は先進国あるいは政治的強国に限定されていたが、近年は世界中に数学教育機関や研究者が散らばっており、選考はますます難しくなっている。2002年には、ノーベル賞により性格の近いアーベル賞が設立された。すでにフィールズ賞とアーベル賞のダブル受賞を果たした人物も存在する。日本人の受賞者は、2016年現在、小平邦彦(1954年)、広中平祐(1970年)、森重文(1990年)の3人である。日本は国籍別順位では5位であるが、25年以上受賞者が出ていない。ドイツ語版ウィキペディアの当項目では審査員の一覧も記されているが、第一回の審査には高木貞治があたっており、その後も吉田耕作等日本人が審査に関与し続けている。東洋系の受賞者は上記の3名以外に、丘成桐(中国系米国人)(1982年)、陶哲軒(中国系オーストラリア人)(2006年)、ゴ・バオ・チャウ(ベトナム人)(2010年)、マリアム・ミルザハニ(イラン人)(2014年)、マンジュル・バルガヴァ(インド系カナダ・米国人)(2014年)の5人がいる。名前の読み(名前の綴り、生年 - 没年)、国籍の順。国籍は受賞時の国名で記す。受賞時の国籍が基準。二重国籍はそれぞれの国に1個。国旗は現在のもの。ただし、消滅した国の国旗は最後の受賞者の受賞時のもの。
出典:wikipedia
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