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双極性障害

双極性障害(そうきょくせいしょうがい、)は、躁状態(躁病エピソード)と鬱状態(大うつ病エピソード)の病相(エピソード)を繰り返す精神疾患である。ICD-10では、うつ病とともに「気分障害」のカテゴリに含まれている。古い呼び名では躁うつ病、あるいは他の名称として双極性感情障害、双極症とも言う。自殺リスクが高く、20年後の自殺率は6%以上で生涯では10%以上、自傷は30-40%のケースで起こっている。その他の精神的問題(不安障害、薬物乱用など)の併発も多い。WHOは世界で6000万人が罹患していると推定している。好発年齢は25歳で、初回発病は15-19歳からであり12歳以下は稀である。一卵性双生児における一致率は50 - 80%と、二卵性双生児 (5 - 30%) よりも高いことから、遺伝要因の関与が高いことが指摘されている。双極性障害の躁状態、うつ状態はほとんどの場合回復するが、90%以上再発する。気分安定薬による予防が必要となることが一般的である。生活習慣の改善が必要となる。生涯障害とつきあう必要があるといえる。単極性の大鬱病と似ている病気と思われがちだが、実際は全く違う病気・障害であることが分かっている。また似た症状が出ていても、発病のメカニズムや治療に使われる薬は全く異なる。同じ気分障害であるものの、全く違う病気である。Ⅰ型とⅡ型の二つがある。双極性障害は、躁状態を伴う双極 I 型障害()と、軽躁状態を伴う双極 II 型障害()に区分される。躁状態、または混合状態が1回認められれば、双極 I 型障害と診断される。うつ状態と躁状態が、症状のない寛解期をはさみながら繰り返していくことが多い。躁状態あるいはうつ状態から次のエピソードまでの間隔は平均して数年間である。また、うつ状態と躁状態の症状が混ざって出現する混合状態(混合性エピソード)が生じる場合もある。これに対して、うつ状態と軽躁状態のみが認められる場合を、双極 II 型障害と呼ぶ。軽躁状態は、患者や家族には病気とは認識されにくいため、自覚的には反復性のうつ病であると考えている場合も多い。症例によっては特定の季節に再発を繰り返すこともある。うつ状態から急に躁状態になること(躁転)はまれでなく、一晩のうちに躁転することもある。また1年のうちに4回以上うつ状態、躁状態を繰り返すものを急速交代型()と呼ぶ。双極性障害は遺伝に関係するとされているが、Ⅰ型からはⅠ型が、Ⅱ型からはⅡ型が遺伝する為、Ⅰ型とⅡ型は別の遺伝子に起因するものであると言われている。双極性障害の診断は専門家であってもしばしば困難である。とくに、純粋な単極性うつ病から、双極性障害を原因としたうつ状態を鑑別することは困難である。若年発症では、最初のいくつかのエピソードはうつ状態である可能性が高い。双極性障害の診断は躁または軽躁エピソードを必要とするため、多くの患者は最初の診断および治療では大うつ病とされていた。双極性障害の患者には、なんらかのパーソナリティ障害が伴っているケースが高いことが、統計的に確立している。その中でも、境界性パーソナリティ障害を疾患にもつ患者の双極性障害の確率が高いとされている。双極性障害の研究の第一人者であるハゴップ・アキスカルは、はじめ神経症性うつ病、境界性パーソナリティ障害と気分障害に関する研究を行っていたが、双極性障害を限定的に定義する診断基準に疑問を持っていた。「三環系抗うつ薬で躁転を示す気分失調症は双極型とすべきである」「思春期前にも躁・軽躁エピソードが見られる」「双極性障害は社会的適応、対人関係、薬物乱用に影響する」など指摘。多くの症例を双極スペクトラム概念としてとらえる必要性があると説いた。それ以前にもクレペリンが双極性障害の様々な経過類型について記述しており、双極性障害を一元的にとらえていたとされる。躁状態とは、気分の異常な高揚が続く状態である。躁状態の初期には、患者は明るく開放的であることもあるが、症状が悪化するとイライラして怒りっぽくなる場合も多い。自覚的には、エネルギーに満ち快いものである場合が多いが、社会的には、離婚や破産など種々のトラブルを引き起こすことが多い。アメリカ精神医学会によるガイドラインDSM-IV-TRによる躁状態の診断基準は、以下の症状がAを含む4つ以上みられる状態が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることである。双極性障害のうつ状態は単極性のうつ病と症状は似ており、完全に区別はできない。うつ病と異なり、抗うつ薬の処方は躁転させる危険性が高いため、出来るだけ処方を控えるようになっている。特に、三環系抗うつ薬と呼ばれる古いタイプの抗うつ薬では、躁転、急速交代化など、悪化する恐れがあるため、注意が必要である。双極性障害のうつ状態は、単極性のうつ病に比べると、難治な傾向があると言える。DSM-IV-TRによるうつ状態の診断基準は、以下の症状が5つ以上みられる状態が2週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることである。これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分、あるいは(2)興味または喜びの喪失である。うつ状態の特徴と躁状態の特徴の両方を有する状態を指す。行動は増えているのに気分はうっとうしいという場合が多いため、自殺の危険が高い。DSM-IV診断基準では、混合状態が出現した場合、双極 I 型障害と診断される。近年、DSM-IVの混合性エピソードの診断基準を完全に満たさなくても、ある程度躁症状とうつ症状が混在していれば混合状態と見なすという立場もあり、焦燥が強いうつ状態を抑うつ混合状態と呼ぶ場合がある。その場合は、双極 II 型障害でも混合状態が見られることになる。DSM-IV-TRによる混合状態の診断基準は、躁病エピソードの基準と大うつ病エピソードの基準が1週間以上続き、社会活動や人間関係に著しい障害を生じることである。躁状態と類似しているが、入院するほど重篤ではなく、精神病性の特徴(幻聴・妄想)もないなど、社会生活に大きな支障を来さないことが特徴である。期間の面でも、躁状態は7日以上とされているのに対し、軽躁状態は4日間以上とされている。過去の軽躁状態を的確に診断することは容易ではない。DSM-IV-TRによる 軽躁状態の診断基準は、以下の症状がAを含む4つ以上みられる状態が4日間以上続くことである。本人にとって、この状態を自覚することは難しい。そのため、医師にそのことを伝えることができない為、症状の把握が難しいといえる。また、周りから見ても、いつもより仕事ができる、意欲が高い、熱心に仕事をしているという風にしか見えず、異常な状態であると認識されることはまず無い。患者のなかにはこのエピソードの時に仕事で成功することが多い。しかし、疲れを知らず、睡眠時間を十分にとらない為、気がつかないまま、精神的にも肉体的にも疲労し、やがて大きく落ち込むことになる。そして再び大鬱エピソートを迎える。そのとき、軽そう状態の時の行為を後悔することが多い。それが原因で自殺するものもいる為、Ⅱ型であっても安全であると言うことはないことに注意しなければならない。生活記録をつけるなど、客観的に生活を把握することが大事である。さらにそれを医師と共有して、的確な指導を受けることが必要である。また、家族にも協力を仰いで軽躁エピソードの把握や助言を得なければならない。躁状態から病気が始まれば双極性障害と診断可能であるが、うつ状態から始まった場合には、うつ病と診断されることになり、明瞭な躁状態あるいは軽躁状態が現れるまでは適切な治療を行い得ないことになる。すなわち、双極性障害は、診断が難しい病気である。肉親に双極性障害の人がいる場合、発症年齢が若い(25歳未満)、幻聴・妄想などの精神病性の特徴を伴う場合、過眠・過食などの非定型症状を伴う場合などは、双極性障害の可能性が高まる。身体愁訴などの症状は少なく、精神運動制止が強いなどの特徴もある。自覚的にはうつ病であっても、親が双極性障害を持っている場合は、それを伝えることが望ましい。病前性格はうつ病に特徴的な執着性格やメランコリー親和型性格とは異なり、社交的で気分が変わりやすい傾向(循環気質)が見られるとされてきた。しかし、前向き研究では確認されておらず、最近では、こうした性格は、既に気分循環症を発症していたと考える方向にある。双極性障害では併病 (comorbidity) も多い。双極 II 型の場合、50 - 60%の確率で併病が認められ、2つ以上であることもまれではないという。併病として多いものには、 アルコールや薬物依存が約30%、過食症やむちゃ食い障害が13 - 25%、パーソナリティ障害(特に境界性パーソナリティ障害)が30 - 40%、パニック障害などの不安障害、などがある。その他としては、ブリケ症候群、月経前緊張症候群、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) などもある。なお、双極性障害との鑑別がつきにくい疾患もある。関連遺伝子を多数持ち。潜在的リスクのある人が、ストレスなどの外的要因にさらされた時に発生すると考えられ、統合失調症と同様に、ストレス脆弱モデルという概念で説明されうる。メンデルの法則が厳密には当てはまらないこと、一卵性双生児であっても発症の有無は70%程度しか一致しないことなどから、遺伝病とはみなされない。遺伝要因があっても生活習慣で回避できる可能性はある。社会リズムを保つことや、薬物乱用、ストレスを避けることなどは意義があると考えられる。双極性障害は、神経細胞の細胞内のカルシウムイオンの制御能が変調をきたしているとの説がある。リチウムイオンやバルプロ酸も、カルシウムシグナリングに影響し、作用する可能性も指摘されている。しかし、はっきりとした原因や発病機構は分かっておらず、現在研究が進められている。双極性障害は世界において6番目に増加しつつある疾患であり、一般人口の生涯有病率は3%である 。生涯有病率は、米国ではおよそ4%、英国ではI型が成人の1%、II型が0.4%ほどであった。日本では、生涯有病率は約0.2%とかなり低いが、英米では1.0 - 4.0%の値が報告されている。この大差は、人種差や環境因などによる可能性の他、研究方法の問題点(回収率など)、診断の困難さ、国家間による双極性障害治療のレベルの差の関与も考えられ、未だ結論は得られていない。うつ病と違い、明確な男女差はみられない。双極 II 型に関しては定義が曖昧であることもあり、データにはばらつきがある。これらの地域差は、面接の仕方や参加者の偏りなどによりバイアスがかかった結果である可能性もあるが、遺伝的要因、環境因である可能性も捨てきれず、今後の研究が待たれる。躁・うつの再発を予防するための気分安定薬と呼ばれる一群の薬剤を中心とした薬物療法と、再発をコントロールしたり再発の兆候をモニターするなどの疾患教育(心理教育)や、対人関係のストレスへの対処や社会リズムを一定に保つことを目指す対人関係社会リズム療法 (IPSRT) などの心理社会的介入が治療の両輪となる。定期的なフォローアップが必要とされる。再発率が高い為、一生涯の予防とコントロールが必要である。再発予防のために、服薬の継続性を高め、ストレスを管理する際、次のような内容を患者に教育する。第一に、躁状態やうつ状態が病的なものであると認識し、生活習慣を変えるよう助言する。本人は、躁状態を心地良く感じ、病気であると思わないことや、躁状態に戻りたいとさえ考える人もいる。家族や友人などの周囲の人も、躁状態での言動を「本人の性格」などと解釈して嫌悪したり、うつ状態のことを「怠け」などと解釈することがある。しかしこのような姿勢を取っている間は、安定した治療継続は困難であり、家族からの協力も得にくい。そのためまずは病気であるという認識(いわゆる病識)を本人や家族が得る必要がある。また、再発を繰り返す可能性のある慢性疾患であり、長期的治療を必要とすることを認識する。例えば糖尿病・高血圧などの慢性疾患のように、完全に治癒(服薬が必要ない状態)することはなく、最低2年間の服薬継続が必要と説明する。再発の兆候を早期に発見する方法を考え、その際は医師と相談するよう教育する。再発につながりやすいストレスを予測し、ストレスの乗り越え方(ストレス管理)を考える。規則正しい睡眠時間を確保し、またアルコールや、その他の精神作用物質の摂取を避けるべきである。 生活習慣の改善は、永続なものとなりえることを認識する。本人にとって、この状態を自覚することは難しい。そのため、医師にそのことを伝えることができない為、症状の把握が難しいといえる。また、周りから見ても、いつもより仕事ができる、意欲が高い、熱心に仕事をしているという風にしか見えず、異常な状態であると認識されることはまず無い。患者のなかにはこのエピソードの時に仕事で成功することが多い。しかし、疲れを知らず、睡眠時間を十分にとらない為、気がつかないまま、精神的にも肉体的にも疲労し、やがて大きく落ち込むことになる。そして再び大鬱エピソートを迎える。そのとき、軽そう状態の時の行為を後悔することが多い。それが原因で自殺するものもいる為、Ⅱ型であっても安全であると言うことはないことに注意しなければならない。生活記録をつけるなど、客観的に生活を把握することが大事である。さらにそれを医師と共有して、的確な指導を受けることが必要である。また、家族にも協力を仰いで軽躁エピソードの把握や助言を得なければならない。社会的ネットワークの再活性化を提案する。さらに重大なライフイベント(死別など)があった際には、支援を求める必要があることを教育する。うつ病にも用いられる「対人関係療法 (IPT)」に、社会リズム療法を組み合わせた治療法。再発予防に対する有効性が報告されている。対人関係療法では、対人関係のストレスを減らし、生活上の変化に適応しやすくすることを目指す。社会リズム療法は、双極性障害患者が、リズムの乱れ(徹夜など)に際して再発しやすいことに着目し、生活の時間(起きる時間、食事の時間、初めて人と会う時間、寝る時間など)を一定にすることを目指す。双極性障害における認知行動療法は、うつ状態では、否定的自動思考に焦点を当てて認知を修正するという、単極性うつ病と同様の目的でも用いられる。寛解期では、認知行動療法の技法を用いながら、前述の疾患教育と同様の目標を持って行う。カウンセリング(来談者中心療法)は、傾聴、受容、共感などの技法を用いた精神療法の基本であるが、双極性障害では、こうした治療単独では、有効とは考えられない。また、精神分析療法の有効性も証明されていない。気分安定薬による再発予防を基本とする。その他、うつ病エピソードでは非定型抗精神病薬や気分安定薬の併用、躁病エピソードにおいては抗精神病薬の併用、不眠に対して睡眠薬の併用などが行われる。非定型抗精神病薬のうち、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールに関しては、抗躁効果に加え、再発予防効果も報告されている。うつ病エピソードにおける抗うつ薬の使用については議論がある。ガバペンチン、トピラメートは処方してはならない。双極性障害の薬物療法の基本は、気分安定薬()による再発予防である。3ヶ月毎の定期的なフォローアップが必要であり、最低2年間は気分安定薬の継続が必要である。投与の中止は数週間から数か月かけて徐々に行う。種類には炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどがある。リチウムは躁病エピソードの予防効果が強く、ラモトリギンはうつ病エピソードに対する予防効果が強いなど、薬剤ごとに特徴があり、ある種類の気分安定薬が無効でも、他の気分安定薬が有効な場合もある。また2剤以上組み合わせることで有効な場合もある。特にリチウムの場合は、服薬が不規則であると効果がない上、中毒のリスクもあるため、薬を規則的に飲み有効血中濃度に保つことが重要であり、血液検査が可能な場合に限っての治療選択肢である。ラモトリギンは2011から使用が認められた。このように、取り扱いが難しかったり、管理が必要だったりする気分安定薬しかないのが現状である。なお妊娠または授乳期には、気分安定薬を処方してはならない。WHOガイドラインでは、抗精神病薬は急性躁エピソードの治療選択肢のひとつとして挙げられている。抗精神病薬は、定型(第一世代)抗精神病薬と、非定型(第二世代)抗精神病薬とに分けられる。「メジャートランキライザー」は俗称。後者は、手足がこわばるなどのパーキンソン症状(錐体外路症状とも呼ばれる)が少ないことが特徴である。多くの抗精神病薬について、抗躁効果が報告されている。日本で保険適応が認められている薬剤としては、定型抗精神病薬であるハロペリドール、クロルプロマジン、レボメプロマジン、スルトプリド、チミペロン(注射剤のみ)、そして非定型抗精神病薬のオランザピン、アリピプラゾールがある。ゾテピンも抗躁効果が認められている(適応外)一方、非定型抗精神病薬には、病相予防効果や抗うつ作用が報告されているものもあり、最近は非定型抗精神病薬を再発予防目的で使用することも増えている。どうしてもリチウムを用いることができない場合などに選択肢となる。オランザピンは、抗躁作用の他、病相予防効果および抗うつ効果も報告されている。日本では、双極性障害の躁症状に対し、適応を持っている。クエチアピンは、抗操作用の他、抗うつ作用が報告されている。リチウムまたはバルプロ酸との併用で、再発予防効果を発揮することも報告されている。アリピプラゾールは、抗躁作用に加え、病相予防効果も報告されている。他に適応外だが、リスペリドンなども躁状態に対する効果認められている。オランザピン、クエチアピンなどの抗精神病薬は、食欲亢進、体重増加の副作用が最も問題となる。非定型抗精神病薬は、いずれも糖尿病誘発のリスクがある。抗精神病薬の処方を中断する場合は、最低4週間かけ徐々に減薬する必要がある。双極性障害では、抗うつ薬の処方によって躁状態が誘発される可能性が否定できないため、処方は慎重を要し、患者には躁転リスクを説明すべきであり、かつ抗うつ薬単体では処方すべきではない。WHOガイドラインでは、中重度の抑うつエピソードの場合には気分安定薬との併用の元で、抗うつ薬を選択肢としているが、できる限り徐々に処方を中止する方向とするよう勧告されている。患者自身が躁転を感じたら即座に医師に連絡し、適切な対応法を聞くことは重要である。双極性障害のうつ病エピソードに対して、抗うつ薬を併用して良いかどうかは、専門家の間でも完全には意見の一致を見ていない。双極 I 型障害の場合、抗うつ薬単剤で治療を行うべきではないというのはほぼ一致した見解である。イミプラミンなどの「三環系抗うつ薬」と呼ばれる、古いタイプの抗うつ薬については、躁転、急速交代化などの問題を引き起こすため、気分安定薬との併用であっても用いるべきではないとされている。一方、SSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)などの新しいタイプの抗うつ薬については、議論がある。SSRIのうち、日本では用いられていないフルオキセチンについては、気分安定薬ないしオランザピンとの併用で有効との報告もある。一方、パロキセチンおよびブプロピオン(日本では用いられていない)については、気分安定薬との併用で有効でなかったという報告がある。その他の抗うつ薬については、臨床試験がほとんど行われておらず情報が乏しい。なお確実な証拠はないが、双極性障害では、抗うつ薬で焦燥、衝動性などの躁転類似の精神症状の悪化を来すのではないかとの懸念もある。いずれにせよ、双極性障害のうつ病エピソードに有効であったとの報告がない以上、積極的に推奨されるものではない。しかし、抗うつ薬でうつ状態から回復した患者では、抗うつ薬を中止するよりも、続けた方が再発は少ないという報告などから、抗うつ薬の有効性を支持する専門家もいる。しかしながらこのデータは、抗うつ薬中止による症状悪化を見ているだけではないかという反論もあり、無作為割付試験でなかったことも指摘されている。俗称は「マイナートランキライザー」。現在躁状態であり、興奮が強い場合(怒りや攻撃性が見られる場合)や不安・焦燥・緊張の緩和に用いることがある。気分安定薬の効果が現れるまでの間(2 - 3週間程度)、不安・焦燥・興奮などを鎮静するため併用することもあるが、ベンゾジアゼピン依存症のリスクもあり、漫然と長期に使用すべき薬剤ではなく、症状が改善しだい徐々に中止すべきである。双極性障害の維持療法(再発予防)のためには、継続的に服薬することが重要である(最低2年間)。医師の処方を守って服薬することを、服薬遵守あるいは英語でアドヒアランス()、あるいは服薬コンプライアンス()と言う。しかし、服薬の必要性が充分理解できていないこと、副作用を不快に感じること、一度に複数の種類の薬が処方されることで混乱することなどにより、服薬が不規則になったり中断することがある。このような状態が続いた場合、再発する可能性が高まる。医師や薬剤師から病状やそれに対して現在行われている治療がどのようなものであるのか十分な説明を受け理解すること、家族など周囲の人も服薬に協力すること、医師は定期的のフォローアップし再発をモニターすることが重要である。他に、例えばビニールの小袋に一回分の薬をあらかじめ小分けにしておいたり、病院や調剤薬局での「一括分包」を希望すると服薬が容易になる。徐放薬を用いて服薬回数を減らすことも有効である。しかし、躁状態では、治療を受け入れないために薬を飲まずに捨てたりすることもあり、その場合、家族が薬を管理する必要がある。そうした管理、監視が原因で患者と周囲の者に軋轢が生じる場合もあり大変難しい問題である。障害の程度などに応じて、精神障害者保健福祉手帳2級ないし3級の取得が可能である。また、精神障害者自立支援による医療費負担の1割への低減、市町村による精神障害者医療費負担減免などの支援が受けられる。他に病院・診療所のデイケア(復職支援を行うリワークなど)がある。リワークについては、高齢者・障害者・求職者職業センターも実施している。なお、患者当事者達による自助会も各地で頻繁に行われており、『双極性障害集まりカレンダー』から全国の自助会のスケジュールを確認することができる。初回の発病は15-19歳からであり、12歳以下は稀とされる。小児期における双極性障害の発生率は1 - 5%程度ではないかとみられているが、数値の正確性も含め、様々な議論や研究が行われている。こうした症例は、突然に衝動性、攻撃性を示す一方、そのような状態を示す時以外は持続的に不快気分を示す場合が多く、双極 I 型障害、双極 II 型障害の診断基準を満たさないことから、「特定不能の双極性障害」「非定型双極性障害」と診断される症例が多い。DSM-IVのアレン・フランセス編纂委員長は、DSM-IV発表以降、米国で小児双極性障害が40倍に増加したことについて、「育児上の問題、子どもの発達の問題すべてが双極性障害の証拠として解釈されてしまいました」「多くの子どもが幼い年齢であっても高用量の薬を処方されていて、子どもたちには非常に有害です」と述べている。アメリカ精神医学会が定めるガイドラインであるDSM-5のドラフトでは、こうした問題に対応するため、新たに「重篤気分調節症」という診断基準が提案されている。(なお、DSM-5ドラフトでは、当初「Temper Dysregulation Disorder with Dysphoria」(神経不安を伴う気分調節障害)という診断名が提案されたが、パブリックコメントの募集の後、上記のように変更された。)DSM-5では、「重篤気分調節症」は「うつ病性障害Depressive Disorders」の章に記載されている。躁状態とうつ状態が同一の患者に現れるという双極性障害の概念は、1850年代のフランスやドイツなどのヨーロッパで確立され、当時は循環精神病、気分循環症、重複精神病などと呼ばれた。1899年、エミール・クレペリンは、躁とうつという両極の症状が現れることよりもその周期性を重視し、単極性うつ病(うつ病)を双極性うつ病に含め、これらを躁うつ病 (manic-depressive illness) と命名した。しかしその後1960年代になると、AngstやCarlo Perrisらの臨床研究によって、うつ病と躁うつ病は異なる疾患であると考えられるようになり、さらに1970年代に、アメリカのDunnerらが双極性障害の中でもそれぞれ異なる経過をたどる患者がいるとして、双極 I 型障害、双極 II 型障害などを定義づけ、遺伝研究などから II 型は I 型のたんなる軽症型ではなく異なるカテゴリーに属すると考えた一方、クレペリンの躁うつ一元論の影響を受けたアキスカルは、神経症性うつ病の20%の患者が双極性障害の経過をたどっていることを見出し、うつ病と思われている症例の中に、躁状態が軽微であるために見過ごされているケースがあることを指摘。双極性障害の概念を拡張し、1983年により広義の双極スペクトラムを提唱するに至った。2005年5月、文部科学省科学技術政策研究所の第8回デルファイ調査報告書によると2020年迄に双極性障害の原因が分子レベルで解明されると予測している。多くの芸術家が双極性障害であったとされており、病跡学の観点から関心が持たれ、双極性障害と創造性についてたびたび議論されている。2006年のスタンフォード大学の調査では、双極性障害の患者は創造性が高かったとの結果が出ている。しかしそうでない結果もあり、双極性障害と創造性の関係性を示す根拠にはならなかった。2005年に行われた調査では、双極性障害の親を持つ子供は、創造性のテストで他の群より高得点であったとの報告もある。また、全米作家協会のメンバーに行った調査では、作家に有意に多かったとの報告もあるが、サンプル数が少なく根拠を示すには確実ではないとされる。イギリスでは、俳優のジェレミー・ブレット(故)やスティーブン・フライといった著名人が双極性障害であることを告白したことや、双極性障害に関するテレビの特集などを通じて認知度が高まっており、安易に自己診断する人が増えているという。同国のダイアナ・チャン博士とレスター・シアリング博士は、BBCの番組に対し、「精神疾患の比較的穏やかな側面が描かれており、暴力などのリスクとの強い結びつきについてはほとんど言及されていない」と注意を促している。その他有名人の双極性障害では、画家のゴッホ、作家のヘミングウェイ、政治家のニキータ・フルシチョフ、ウィンストン・チャーチル、音楽家のベートーヴェン、シューマン、ブライアン・ウィルソン、ニルヴァーナのカート・コバーン、俳優のヴィヴィアン・リー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、リンダ・ハミルトンキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、デミ・ロヴァートなどが知られている。日本人では作家の太宰治、宮沢賢治、夏目漱石(但し一般的には神経衰弱とされていて、他に統合失調症など諸説がある)、北杜夫、中島らも、絲山秋子、諏訪哲史が知られており、他にミュージシャンで俳優の玉置浩二、俳優の田宮二郎、書誌学者の谷沢永一、現代美術家の大山結子、作家で建築家の坂口恭平もいる。なお近年になって双極性障害の当事者アーチスト達による創作活動も活発化しており、『双極美術館』では絵画をはじめ写真展や工芸・手芸などの展示も積極的に行われるようになった。ゲーテは、クレッチマーやメビウスによって双極性障害だと考えられている。またゴッホは、専門家の間でも見解が分かれており、フランスのミンコフスカはてんかん説、ドイツのカール・ヤスパースは統合失調症説を説いた。診療ガイドラインその他

出典:wikipedia

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