


『霧深きエルベのほとり』(きりふかきエルベのほとり)は、宝塚歌劇団のミュージカル作品。菊田一夫が脚本を書き、初演では演出も担当した。ドイツのエルベ川の河口にあるハンブルクを舞台に、荒くれ水夫と良家の娘の悲恋を描いた名作である。1963年(昭和38年)に宝塚大劇場で初演されて、以来幾度となく再演されている。主人公の船乗り・カールは船乗りを辞めるつもりで久しぶりに故郷ハンブルクに帰ってきた。おりしも街は年に1度のビア祭りの初日。祭りの興奮と熱気の中で、カールはマルギットと出会う。彼女は「自由になりたくて」家出してきたところだと言う。二人は互いに惹かれ、別れがたく思い、湖畔のホテルで一夜を共にする。翌朝、カールはマルギットにプロポーズする。二人でアパートを借りて、一緒に生きようと誓いあう。ところが、マルギットはハンブルクでも指折りの名家の令嬢で、フロリアンという婚約者のいる身だった。連れ戻しに来た家族にむかってマルギット「カールと一緒でなければ、家には戻らない」と宣言してしまう。カールは家に迎え入れられるが周囲の人々の目は厳しく、言葉や態度の粗野なカールは浮くばかり。マルギット自身もそんなカールを恥ずかしく思うようになる。フロリアンはそんなマルギットを優しく諌める。カールも、マルギットの思いに気づく。愛し合っているのに、すれ違う感情に翻弄される。カールはマルギットの幸せを思い別れる決心をする。ヨゼフの出した手切れ金を受け取り、マルギットに憎まれ口と別れ台詞を吐き捨てて出て行く。マルギットは絶望するが、フロリアンにあの台詞はカールがマルギットのためを思って無理に作った言葉だと諭され、後を追う。そして港のカールの行きつけの酒場で、彼は再び船に乗り今夜出港すること、船が出たら手切れ金をマルギットの元へ返してくれと頼んでいった事を聞く。そのとき、夜霧をついて出港の汽笛が鳴り響いた…。マルギットの幸せだけを願いながら、カールは再び独り海へと旅立って行った…。宝塚大劇場公演形式名は「ミュージカル・ロマンス」。24場。宝塚大劇場公演形式名は「菊田一夫先生に捧げるミュージカル・ロマンス」。18場。
出典:wikipedia
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