『サンダーバード』 () は、1965年から1966年にイギリスで放送された人形劇による1時間枠の特撮テレビ番組。1966年に『サンダーバード 劇場版』、1968年に『サンダーバード6号』が劇場公開された。2004年にはアメリカ合衆国で製作された実写版映画が公開され、2015年からはリブート版『サンダーバード ARE GO』が放送されている。世界各地で発生した事故や災害で絶体絶命の危機に瀕した人々を、国際救助隊[IR](International Rescue)と名乗る秘密組織がスーパーメカを駆使して救助する活躍を描く物語である。21世紀が舞台。放送当時に製作された設定では西暦2065年が舞台とされており、当時のメディア展開は全てこの設定を元に記述されている。だが、映像上では第31話(英国32話)の中に出てきたカレンダーに2026年と記されており、1970年代から1990年代には、この2026年を基準とする「新設定」が台頭した。現在、公式の設定年代は再び西暦2065年に戻されている。本作は1963年『海底大戦争 スティングレイ』の後番組を構想中のジェリー・アンダーソンが、ドイツのマチルド鉱山で起きた、129人が生き埋めになった浸水落盤事故で、29人が死亡したが懸命な救助の結果100人が救出されたこと(レンゲデの奇跡 ())を知り「国際的な協力で、科学的な設備を持って救助すれば被害は食い止められる」と思いつき、企画案「国際救助隊」をまとめた。ITCのが本企画を承認し、ポルトガルのアルブフェリア村の貸別荘でに口述筆記させ完成させた。最初のエピソード「SOS原子旅客機」(")は、ジェリーが従軍していた頃にで目撃した胴体着陸事故に基づく。企画成立直前に、ジェリーは第二次大戦中に行方不明(後に戦死と認定)となった兄ライオネルからの手紙に記された「」にちなみ、企画タイトルを「Thunderbirds(サンダーバーズ)」とし、それまでレスキュー1 - 5と呼ばれていた国際救助隊のメカもサンダーバード1-5号に改めた。制作当時に於いて、従来のマリオネットを使った映像作品にはなかった事前に俳優の台詞を録音した録音テープの音声に連動し、その音声信号により同期させて人形の唇を動かす「リップ・シンクロ・システム」という装置を、マリオネットの頭部に内蔵し、マリオネットの口の動きを台詞と同期した手法を使用して、時折、マリオネットでは表現しにくい「手のアップ」「歩く姿」等の部分に関しては、実写映像を挿入し、より人間的表情を表現して、特撮を駆使して実写に近いリアル感を演出した「スーパーマリオネーション」と呼ばれる映像表現手法を使用している。製作は操り人形を用いた特撮映画やテレビシリーズを多く製作していた、ジェリー・アンダーソン率いるAPフィルムズで、配給会社はであった。本作を見て、グレイドは「もはや映画だ」と絶賛し、当時ITC配給中最高級の1本22,000ポンドを与え、30分番組の予定を1時間枠に拡大した。放送開始と共に、全国紙で特集が組まれるほどの社会現象を引き起こし、子供番組史上まれに見る人気作品となった。人形劇でありながら、その模型のリアルさ、質感の充実、子供でも理解できる単純なストーリー、「人命救助」というスリリングかつ前向きで健全なイメージ、これら全てが明確な世界観を提示して大好評を博した。ロケット噴射の描写などの特撮技術も優れており、その後の特撮作品への多大な影響を及ぼした。登場するメカもデザイン的に極めて斬新かつ洗練されていた。音楽もオーケストラサウンドを基本に、質が高く映像にマッチしたものだった。最後の6本は後から追加製作された、いわゆる第2シーズンである。既に『キャプテン・スカーレット』が作られていたため、人形もその技術を使い、ギミックの一部が顔から胸に移されたので、プロポーションがやや改善されている。他にもセットが若干変更されているが、いずれも言われないと分からない程の違いである。登場人物のコスチュームも当時の最先端のモードを積極的に取り入れ、基本的に対象としている男子児童だけではなく女子児童の関心も掴んだ。当時、番組に登場した人形をベースにしたファッション情報誌も制作されたほどである。しかし、本作最大の目的だったアメリカ三大ネットワークへのセールスは失敗した。これは、1時間番組という枠が子供番組に不向きだったとも、グレイドが販売価格を吊り上げ過ぎたとも言われる。今日でもアメリカでSF人形劇と言えば『宇宙船XL-5』が最も有名であり、『サンダーバード』の知名度は低い。これら3作については、個別の記事も参照。本作の設定年代(特に人物の生年)は、2バージョン存在する。1970〜1990年代では設定年代が2026年となっており、登場人物の生年月日やバイオグラフィーはこの年を基準に設定、バージルが次男、ジョンが三男だった。しかし現在では、版権元であるカールトン・インターナショナルによって年代設定が製作当時の公式設定だった2065年に改訂され、各人物のバイオグラフィーも本来のものに戻された。同じくアンダーソン製作で、設定年代が2068年のキャプテンスカーレットや2064年のスティングレイの設定とのクロスオーバー的な記述が多々見られるのは、放送当時の設定年代が地続きだったからである。特記がない限り、本稿の内容は2065年基準のものとする。トレーシー兄弟の名前は、マーキュリー計画の宇宙飛行士(マーキュリー・セブン)に因んだものである。「劇場版」「6号」の吹替はかなり複雑である。最初は「テレビ版」と同じキャストでアフレコされた。その後「テレビ版」の音源の紛失により新たに録音された。レーザーディスク (LD) 化された際、日本公開時にカットされたシーンを埋める意味もあって再びアフレコされた。2003年8月に「劇場版」、2004年1月に「6号」がNHKで放送された際に「テレビ版」と極力同じキャストで再アフレコ。しかし中には故人や引退した者もいたため、一部の声優が変更された。2004年11月10日に発売された「劇場版」および「6号」のDVDにはこのバージョンが収録されている。CD版は1992年発売のドラマCD「サンダーバード秘密基地セット」での声優陣である。タイトルである「サンダーバード」とは、ナンバリングされた主要な救助用メカニックの事である。デレク・メディングスがデザインしたオリジナルのスケッチはブレインズのラボの壁に貼られていて、機体の表記も「TB1」や「T2」等ではなく、初期案の「レスキュー」を略した「R1」や「R2」となっている。詳細はそれぞれの個別項目を参照。サンダーバード2号のポッドにより輸送される、各種専門救助装備。後にハリウッドで活躍することになる有能な人材が、作品を支えた。オリジナル版では、バリー・グレイ作曲によるメインテーマ(インストゥルメンタル)が使用された。1966年のNHK本放送版(日本での初放送)でもオリジナル版同様に、バリー・グレイによるメインテーマ(インストゥルメンタル)が使用された。この曲のみならず、本作の「サウンドトラック(劇伴)」用スコアがマスターテープと共に長らく行方不明になってしまっていた為、厳密な意味でのオリジナル版に準拠した演奏が出来なくなっていたが、近年(93年頃から約10年かけて見つけ出したとあるので、おそらく2003年頃)マスターテープとスコアが揃って発見。以後、コレを管理するバリー・グレイ協会からスコアが貸し出しされればオリジナル完全準拠の演奏が可能となった(後述)。1967年のTBSでの放送から、メインテーマに日本語の歌詞をつけた日本オリジナルのボーカル曲として、ロイヤル・ナイツとビクター少年合唱隊による「サンダーバードの歌」(日本ビクター)が使用された。以後日本ではコレがオリジナル曲よりも有名になったため、このメロディがテーマ曲と思われがちだが、メインテーマはオリジナルに使用されている部分がAメロで、ボーカルの部分がBメロとCメロに当たり、"A-B-C-B-A"という曲構成からなる。このうち、"B-C-B"の所謂、日本語ボーカルパートのみを録音した楽曲は『センチュリー21マーチ』というタイトルが後に付けられている。後の実写版や『~ARE GO』ではAメロのみが主にフィーチャーされている。なお、このバージョンはテープの劣化などからCD化は絶望視されていたが、2014年、デジタルリマスター版がiTunesなどで配信開始された。1967年には、ハニー・ナイツによるカバーが発売された(東芝EMI)が、これはテレビ放送では使用されていない。1980年・TBSの日本語版再放送では、松山祐士編曲、ミュージッククリエイションと杉並児童合唱団歌唱によるカバー(東芝レコード)が使用された。1992年・テレビ東京の日本語版再放送では、バンダイミュージックシンガーズによるカバー(アポロン)が使用された。シングルとして市販されたものには、NHK版のオープニングもボーナストラックとして収録された(ただし音源のソノシートの状態が悪く、一部音質の悪い部分があった)。2015年、テーマ曲(オリジナル・日本語版の両方)を含めサウンドトラックから抜粋した代表的な楽曲を、前述したオリジナルスコアに準拠した形で演奏。(演奏:東京ガーデン・オーケストラ 日本語版カバー IL DEVU / TOKYO-FM少年合唱団)翌2016年4月13日にこれら代表曲を収録したCDが日本コロムビアから世界初のオリジナルスコアによる最新録音盤としてリリースされ(演奏:東京ガーデン・オーケストラ、指揮:広上淳一)、2016年4月16日にはCD発売を記念した演奏が同オケにより行われた。(ファンタジー・フィルム・スペクタキュラー2016、指揮:榊真由)。本作は以降の日本のSF作品へも大きな影響を及ぼした。その範囲は、非営利の民間組織が救助活動を行うという作品設定に始まり、メカニックの役割分担(色分け)や「秘密基地」のコンセプト、発進シーンに代表されるミニチュアワーク、人形の操演技術、BGMの使い方のセンス等々、多岐にわたる。例えば『ウルトラセブン』においても、企画書の段階から本作の名を挙げて、防衛チームの基地やメカニックをより魅力的に見せるよう謳っている記述がある。以下にはパロディー等も含めて、サンダーバードの影響が顕著と見られるものを挙げる。アニメ・特撮・人形劇については、他のアンダーソン作品の影響も受けたものが多いため「ジェリー・アンダーソン」の項も併せて参照のこと。月刊pen 2013年7月15日号 『あの名作を知っているか? サンダーバード完全読本。』阪急コミュニケーションズ JAN 4910279630739
出典:wikipedia
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