Linear Tape-Open(リニア テープ オープン、略称:LTO)は、コンピュータ用の磁気テープ技術。一社独占的なDLTやAITに代わるオープン規格として開発された。この技術はシーゲイト・テクノロジー、ヒューレット・パッカード、IBMの3社によって開発、策定された。LTO技術の標準のフォームファクターはUltrium と呼ばれている。主にバックアップやアーカイブ用途としてコンピューターシステムで利用されている。現在、LTOのテープドライブやメディアのライセンスを受けているメーカは、以下の各社である。IBM、ヒューレット・パッカード、クァンタム、日立マクセル、Tandberg Storage、TDK、Imation、EMTEC、富士フイルム、ソニー1990年代後半、クアンタムのDLTとソニーのAITは、PCサーバやUNIXシステムの大容量高速テープ記憶装置として主要な位置を占めていた。反面、それらの技術は権利関係の制限が厳しく、ベンダによる商品化の足かせとなっていた。そこで、IBM、HP、Seagateの3社は、よりオープンな仕様を策定することで、これらに対抗しようと目論み、IBMツーソン研究所()がこの20年間行ってきた業績を拡張して、LTOを規格化した。LTOにはUltriumとAccelisという2つのフォームファクタがある。2006年現在、LTO Ultriumの製品ばかりで、市販のLTO Accelisドライブやメディアは存在しない。一般的に、LTOはUltriumフォームファクターだけが脚光を浴びている。Accelisは、データへの高速アクセス、特にテープの中間地点にアクセスする時間を最小限にするために2リールカートリッジを使って1997年に開発された。IBMの(短命に終わった)がこのコンセプトの先鞭となった。実際のパフォーマンスはUltriumテープフォーマットより悪かったので、Accelisの需要は無かった。ソニーでさえ、AIT技術の改良型であるSAITを製造することで、1リール、1/2インチフォームファクタの評判を受け入れた。1/2インチ磁気テープは50年以上データ記憶装置として利用され続けてきた。1980年代半ば以来、IBMとDECはこの種のテープを1リールの密閉型カートリッジに入れている。IBMはそれらのカートリッジを3480と呼んでいる。DECのDLTはQuantumに売却された。IBMの3480の技術は、その後も進化を続けている。LTO Ultriumは、事実上DLTを置き換えるために開発された。このことでテープライブラリの製造供給元はDLTライブラリ製品をLTO対応に仕様変更することが容易になる。Ultriumカートリッジの外形寸法は 102.0 × 105.4 × 21.5 (mm) である。LTO-1 (Ultrium-1) テープフォーマットは、将来への拡張を見据えながらも、迅速に開発、販売できるようにデザインされていた。そのためにLTO-1は難度の低い技術を用いて作られていた。最高転送レート (80 MB/s) では、LTO-3ドライブはたいていのハードディスクの読み出し速度より速く書き込むことができる。最低転送レート (30-40 MB/s) でも、多くのハードディスクより速い。全てのLTOカートリッジはカートリッジメモリ(CM)チップを内蔵している。LTO1~3では、32バイトのメモリブロック128個からなる容量4kバイト。LTO4~5では8KB、LTO6,7では16KBである。非接触型RFインターフェース経由で一度に1ブロックの情報を記録・再生できる。 LTOドライブはこの機能を標準で備えている。CM情報はカートリッジの種類や世代の識別、テープのヘルスチェックなどに利用される。例えば、CMには工場出荷時に線記録密度とトラック数が記録される。 アプリケーションはこれら情報からカートリッジ容量やテーププールの総容量を算出する事ができる。 また、ドライブで記録・再生を実施した後は、その時のリトライ回数が記録される。 LTOではテープ上の欠陥/オフトラック/付着物などの理由で記録・再生に失敗した場合、リトライを実施する。 テープが正常な場合リトライ回数は十分低い。 テープにトラブルが生じた場合、これら値が100から1000のオーダーになる場合がある。 すなわち、テープのおよその健康状態を推定する事も可能である。 テープライブラリに内蔵用や手持ちサイズの、外付けのCM読み出し機もある。LTO規格には、データ圧縮方法LTO-DCについての記載がある。これは、ソニーがAIT-3規格に載せたのと同じものである。それはLZSの一種であるALDCと呼ばれるアルゴリズムを使用している。その上、LTO-DCは圧縮の効かないデータ(つまり、すでに圧縮されているデータやランダム度が高く圧縮アルゴリズムを適用しても小さくならないデータ)には圧縮しないようにデザインされている。LZSはHi/Fnが持つ特許で保護されたアルゴリズムである。カルガリーコーパスは、テキスト圧縮アルゴリズムの比較に広く使われるテキスト及びバイナリデータである。通常、コンピュータに保存されるデータの中で、プレインテキスト、原画像、データベースファイル(TXT、ASCII、BMP、DBF等)の圧縮率は高い。一方、暗号化されたデータやすでに圧縮されたデータ(PGP、ZIP、JPEG、MPEG、MP3等)に対して圧縮を試みると、サイズは増加する。LTOテープドライブでは圧縮が効かないデータを検出することにより、この膨張を抑制する。最大巻き戻し時間は98秒である。後方の強制書き込みによって、巻き戻しにこれより長い時間がかかることもある。テープの全容量まで書き込んだ場合は、テープの発端で書き終わるので、巻き戻しに時間はかからない。テープの平均シーク時間/ファイルマーク検索時間は75秒である。テープには、強力なエラー訂正アルゴリズムが組み込まれている。1トラック、又はテープメディアの32 mm以下のデータを失った場合でも、データを復元することができる。"推定"LTO Ultriumテープには5本のサーボバンドに挟まれた4本のデータバンドが配置されている。データバンドはテープの全域で 3、1、0、2 と番号が付けられていて、番号順にデータが埋められていく。ヘッドは書き込み中または読み出し中のデータバンドの縁となる2本のサーボバンドにまたがる。データトラックはラップとも呼ばれ、前進/後進パスに書かれている。1本のデータバンドには、10本前後のラップがある。ヘッドの全ての書き込み端子は、データバンド上でテープの先頭から末尾に向かい、同時に書き込む。これが、1本の前進パスとなる。テープの末尾では、次に後進パスへ書き込むために、ヘッドは書き込み端子の位置を、同じデータバンド内の新しいトラックに調整するために移動する。同じ方向に同じ書き込み端子で書かれた全てのトラックはそれぞれ群をなす。結果として各データバンドにヘビが蜷局を巻いたようなパターンが1つずつできる。サーボバンドは、データバンド内でヘッドの位置を精密に調整するために利用される。テープのブロック構造は論理的なので、ブロック間の間隔、ファイルマーク、テープマークなどはそれぞれたかだか数バイトしか必要ない。テープにデータを埋めつくすのに必要なパスの数を決定するためには、総トラック数を書き込み端子の数で割れば良い。例えば、LTO-2テープは64パス必要となる。LTO-3からWORM (Write Once Read Many)機能が搭載された。これは通常法律で定められた記録の保持にのみ役立つ。LTO-3以降のドライブはWORMカートリッジ上のデータを読み出すことはできるが、消去したり上書きすることができない。LTO WORMカートリッジは、LTO-CMがWORMであることを示していることを除けば、普通のLTOカートリッジと同一である。WORMカートリッジ内のテープメディアについては違いはない。一般的に、WORMカートリッジの色は普通のカートリッジと異なる。LTO-4から暗号化機能が追加された。 LTOドライブはテープに記録する前にデータを暗号化する。 LTO-4で使われるアルゴリズムはAES-GCMである。 データ改竄の検出が可能である。 LTO-5からパーティショニングが可能になった。 LTO-5では記録領域を2つに、LTO-6からは4分割まで可能になった。 LTO-5からサポートされたテープフォーマット/ファイルシステム。 メタデータとファイルをテープ上の別パーティションに記録する事で、テープ中のファイルがあたかもディレクトリ構造を有しているように、ユーザー/アプリケーション側から見える。 テープメディアを一般的なディスク媒体もしくはリムーバブルメディア(USBメモリ, 外付けHDD等)と同様に扱うことが出来るようになる。標準のクリーニングカートリッジはヘッドを研磨するので、頻繁な使用はドライブの寿命を縮める。HP LTOドライブのクリーニング方針は変わっている。クリーニングカートリッジがロードされても、ドライブがクリーニングの必要がないと判断したときには、クリーニングは行われない。クリーニング作業を担当する内部機構がある。テープ上のサーボトラックは、磁気によって書き込まれている。バルク消磁器を使うと(または、他の強力な磁場にカートリッジをさらすと)、そのカートリッジは以後使用不能になる。LTO Ultriumカートリッジの色は、いくらか標準化されている。HPは注目すべき例外である。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。