ファーン(新王国暦448年 - 510年)は、水野良のファンタジー小説『ロードス島戦記』・『ロードス島伝説』などに登場する架空の人物。ヴァリス王国の国王(在位 新王国暦496年 - 510年)。六英雄の一人。ロードスの大国でありファリス神を信仰する神聖王国ヴァリスの聖騎士団において、最も将来を嘱望された若き聖騎士であり、"白の騎士"や"百年に一人の騎士"と呼ばれていた。しかし敬虔なファリス信者で真面目な性格と正義感から、当時の形式化した教団や世俗的な騎士団との間で軋轢を生み、また急進的なジェナートの教団改革の熱心な支持者として敵も多かった。473年に始まった魔神戦争においては、フラウスと調査のためモス公国に赴き、モス連合騎士団と共に魔神と戦う。帰国後はフラウスと王子として幽閉されていたミノタウロスを退治。ほどなく死去したワーレン王(エト王から3代前の国王にあたる)の後継者争いの渦中の人となる。二派に分かれた選王会議は、魔神との戦いで最も功績ある聖騎士を国王とするとした為、聖騎士隊長ファーンは更に有力視されることになるが、三聖具が自らの姿形を模した鏡像魔神に盗まれたのを機に、鎧に不名誉印を刻んで聖騎士としての身分を捨て、単独で魔神と戦うことを決意する。三聖具を奪回し宮廷司祭らに渡して送り返した後も、魔神を倒しきるまでは本国に戻らないと宣言してモスに渡る。(当初「百の勇者を名乗らないし、そう呼ばれたくもない」と語っている)もう一人の次期国王候補であったヴァリスの近衛騎士隊長ドルロスが独断でモス連合軍と戦い、ドルロスは死亡したもののモスに居たファーンは捕虜としての扱いを受けてしまう。しかしナシェルがヴァリスとの交渉役を引き受け、またファーンの保証人として身柄を引き取り、フラウスや後に六英雄と呼ばれる者たち(仮面の魔法戦士を除く)と共に暮らすようになる。魔神との戦いの中で「ナシェルによるロードス統一」という時代の流れを感じ取り、故国ヴァリスへの思いとロードス統一という夢の狭間で思い悩むことになる。生真面目な印象の強いファーンであるが、この時期には酔いの勢いで酒造業者への転身を考える、ベルドと連れだって半日も大通りを遊び歩くなど、闊達な一面を開放している。特に性格が正反対に近いベルドとは気が合う場面が目立つ。474年、ナシェル亡き後、貸与された経緯は描かれていないが三聖具を身に付けて「百の勇者」と共に魔神王の迷宮(後に、最も深き迷宮と呼ばれる)に挑んだ。カノンの自由騎士一行やハイランド王国の双子の王子リーゼンとフロイらのような名だたる勇者も次々と消息を絶つ中、最下層で魔神王と対決し、フラウスが犠牲になるもベルドらと共にこれを討ち果たして迷宮から生還し、六英雄と讃えられた。魔神王の支配から解き放たれた魔神との戦いがこの後も2年続く。また、父が経営する領地にナシェルの妻ラフィニアと薬草師のタトゥスを受け入れている。戦後はヴァリスの聖騎士団に復帰。20年後の496年にヴァリスの国王に即位する。以後"白き王"や"英雄王"との異名を奉られ、名君として国を良く統治する中で娘フィアンナをもうけている。新王国暦510年、マーモ帝国の皇帝となっていたかつての盟友ベルドがロードスに侵攻して引き起こした英雄戦争において、諸国の軍を統率してマーモと戦う。戦の最終局面でファーンとベルドは、両軍が見守るなか一騎討ちを行い、熾烈な勝負を繰り広げる。かつては互角の力量を持っていた両者だったが、老いによる肉体の衰えを隠せないファーンに対して、魔剣「魂砕き(ソウルクラッシュ)」の魔力によって若々しい肉体をほとんど保っていたベルドによって、ついにファーンは討たれ、その生涯を閉じた。62歳。両者の勝負は、互いを倒そうとしながらも、旧友と再会した懐かしさと、かつて味方同士であった時は実現できなかった真剣勝負を行える喜びに満ちているようにも見えた。ファーンが対ベルド用に用意していたフェイント攻撃は若い頃の力なら必殺の一撃になったものであり、次の瞬間ファーンは反撃で心臓を貫かれて死ぬ事になったが、両者はこの奇襲の一撃を以ってファーンの勝ちと認識している。娘のフィアンナ王女がファーンの葬儀の直前に、闇の世界に呑まれようとするベルドを、若い頃の姿のファーンがフラウスと共に天国に迎え入れに来る夢を見ており、この夢の内容は聖フラウスの伝記の付章として長く伝えられることになる。ファーンの戦死によりヴァリス王が空位となり、カノン王国の解放は後日に持ち越されることになる。余談だがOVA版ではパーンの父・テシウスの身に起こった事の顛末も知っており、カシューとの会話で「あの時ほど、己が立場を呪った事は無い」と王としての立場にある自分と一人の騎士としての自分に葛藤した心情を吐露していた。当初は聖騎士でありながらファリス神の神聖魔法が使える神官戦士でもあり、ファリス神殿との軋轢を危惧して隠しているという設定だった。そのため『ロードス島伝説』の短編で気弾の神聖魔法を使用している。しかしその神聖魔法使用に対する質問に作者は、後に思い違いをしてファーンは神聖魔法を使えないと思ってしまっていたので、本当に神聖魔法は使えないという事にしてしまって短編に修正を加えてもいいと考えている旨の発言をしている。実際、短編が文庫本に収録された際に、神聖魔法を使用する表現は修正されて無くなっている。過去に「“聖王の父”ディレイス」がファリス神を降臨させて作った3つの祭器。ヴァリスのファリス神殿に受け継がれ、ヴァリス国王となったものに貸与されることになっている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。