ツアー・オブ・ジャパン(Tour of Japan、略称TOJ)は、毎年5月に日本で行われる自転車ロードレース大会。主催は自転車月間推進協議会。自転車月間(5月)における最大のイベントとして開催される。日本を代表するステージ制ロードレース大会の一つ。UCIアジアツアーに組みこまれていて、2014年現在のアジアツアーでのレースグレードは2.1(ステージレース・クラス1カテゴリー)。2012年開催の第15会大会まではワンランク低い2.2(ステージレース・クラス2カテゴリー)として開催されていた。1982年から1995年まで開催されていた国際サイクルロードレースを継承する大会として1996年から毎年開催されているが、「第8回」として予定されていた2003年はSARSの影響で大会直前に開催中止となり、2004年の大会を改めて「第8回」として開催した。また「第15回」として予定されていた2011年は東日本大震災の影響で開催中止となった。ツアー・オブ・ジャパンには6名(最低4名)の選手で構成される「国内チーム」(日本国内登録)と「海外チーム」(日本国外登録)をあわせた16チーム・最大96名が出場する。第16回・第17回大会における参加枠は「国内チーム」が9(コンチネンタルチーム8、日本ナショナルチーム1)、「海外チーム」が7。「国内チーム」はUCI登録の国内(または日本に極めてゆかりのある)コンチネンタルチームが国内チームの出場枠を争う他、日本ナショナルチームにも出場権がある。2012年の第15回大会まではコンチネンタルチーム以外にも開催前年の実業団トップカテゴリー(Jプロツアー)のチームランキング上位のチームに出場権があったが、2013年の第16回大会からUCIアジアツアーでのレースカテゴリーが「2.2」から「2.1」に昇格したことに伴い、UCI登録の国内コンチネンタルチーム以外には出場権が与えられなくなった。コンチネンタル非登録チームの選手にも日本ナショナルチームから出場できるチャンスは残されているものの、2013年の第16回大会ではEQA U23メンバーと大学生選手のみで構成された(監督はEQA U23の浅田顕だった)。尚、「国内チーム」であってもUCIコンチネンタル登録国籍によっては「海外チーム」の扱いとなることがある(第9回~第12回までのシマノレーシングと第12回のチームNIPPOがそれに該当)レースカテゴリーが「2.2」だった時代、第11回・第12回大会ではチームとして出場できなかった選手の中から実業団トップカテゴリー個人ランキング上位選手などを選抜した『チームJBCF』が、第14回大会では日本学生自転車競技連盟選抜チーム『大学選抜ジャパン』が「国内チーム」最後の枠として出場した。「海外チーム」はカザフスタン・香港・台湾・韓国などのアジア系チームやオーストラリアを中心に招待があり、国のナショナルチームが出場することもあるが、日本人が所属している、または過去に所属していたチームが招待されることが多い。「2.1」への昇格に伴いUCIワールドツアー登録のチームを招待することも可能になり、第16回・第17回大会ではランプレ・メリダが招待された。ツアー・オブ・ジャパンには個人とチームにそれぞれ賞が設定されている。個人賞は四つあり、各ステージ終了後の表彰セレモニーでそれぞれの1位選手にリーダージャージが授与され、次のステージで着用する義務を負う。なお、ひとりの選手が複数の個人賞部門で1位となった場合、表彰セレモニーでは重複してジャージが授与されるが、レースでは個人総合時間賞→ポイント賞→山岳賞→ヤングライダー賞の順番に優先して着用し、残りは原則として該当個人賞部門の次位選手が着用する。サプライヤーは第14回大会まではパールイズミだったが、第15回大会ではチャンピオンシステムが供給する(これと同時に金剛力士をあしらった新デザインに変更された)。ツアー・オブ・ジャパンは8日間の日程で行われる。第10回大会までは全6ステージ(途中移動日が2日間)だったが、第11回大会から第14回大会は美濃ステージが増えて全7ステージ(途中移動日が1日)に、第15回大会以降は奈良ステージがなくなり再び全6ステージに戻されている。使用されるステージは富士山ステージを除き、すべて周回コース+αで行われている。各ステージの周回設定は、特段に記述のない限り2013年の第16回大会でのものである。第12回大会までは正規競技区間前の非競技区間を含めて『走行距離』としていたが、第13回大会以降はこれを含めなくなっている。第1回大会からオープニングステージとして実施されている。第11回大会までの名称は「大阪ステージ」。第8回大会を除き、第12回大会までは泉北ニュータウンの4本の(ほぼ)直線の道路を長方形状に周回するコースを使用していたが、第13回大会以降は会場を大仙公園周回コースに移転。この大会ではクリテリウム(短距離の周回コース)が行われたが、第14回大会からは1周のみの個人タイムトライアルが行われる。なおこの個人タイムトライアルではタイムトライアル用自転車は使用できない。第10回大会では移動日となっていた大会第3日に、第11回大会から新たに「美濃ステージ」が設定された。コースの1周回は各ステージ中最長の21.3km。レースはうだつの上がる町並みの旧今井家住宅前からスタートし、4kmの非競技区間の後、周回コースにコースの途中から突入し周回コースを7周半する。大矢田の登りの頂上付近にはトンネルがあり、また板取川及び長良川沿いは予想外に起伏が激しく、アタックの仕掛け所が沢山ある。地元のケーブルテレビ局CCNでは生中継が放送されるほか、コース沿いの複数の施設に生中継のモニターを設置し、随時レースの状況を確認できるファンサービスが行われている。第9回大会から採用。飯田市下久堅地区の県道及び農道を使用し、標高差約180mの周回コースを12周する、アップダウンの激しいコース。コース後半の下り坂の終わりにあるヘアピンカーブでは落車の危険があるため注意が必要。このステージで上位に入らなければ、総合優勝を狙うのは苦しくなる。レースは地元CATV局のICTVで加入者向けの生中継が行われており、長野県内の一部のCATV局にも当日サイマル配信されている。第16回大会からはネットストリーミングがUSTREAMに変更され、コース沿いでもスマートフォンやタブレット端末などでレース状況を把握できるようになったが、一方で予算の都合により松尾総合運動場での移動式オーロラビジョンでの映像提供はなくなった。また、いいだFM iステーション(76.3MHz)での生放送もあり、携帯ラジオでもコース沿いでレース状況を把握できる。第9回大会から採用。一日の移動日をはさんで行われるふじあざみラインでのヒルクライム。標高833mの須走インターチェンジ付近から標高1959mの須走口までの激坂をひたすら登る。コースは平均斜度10.5%・最大斜度22%という坂であり、このステージで総合優勝争いの選手が大きく絞られる。国内のトップロードレーサーをも苦しめるその坂の苛酷さはグランツールのラルプ・デュエズやモンテ・ゾンコラン 、モルティローロ峠などグランツールのクライマックスとなる坂に勝るとも劣らない。なお第13回大会までは個人タイムトライアル形式だったが、堺ステージが個人タイムトライアルになった第14回大会では富士山ステージと同じコースで別の日に開催される実業団のレースや市民レース同様、一斉スタート方式に変更された。第1回大会から実施。旧修善寺町が合併して伊豆市になる前は「修善寺ステージ」と呼ばれていた。日本サイクルスポーツセンターの周回コースを中心にレースが行われる。周回コースの一部は普段は日本競輪学校の生徒の訓練専用コースであり、一般には開放されていない。なお、第13回大会までは8kmの周回コースが使われていたが、第14回大会からは8km周回コースの途中からサイクルスポーツセンター正門と競輪学校正門を経由する12.2kmの大回りのコースが採用された。このステージで総合優勝争いにはほぼ決着がつけられる。第1回から最終ステージとして使用されていて、大井埠頭及びその周辺を周回する。コースはまったくの平坦で逃げを決めるのは非常に難しいが、最後のステージ優勝をかけてアタック合戦が展開されることが多い。過去に一度だけ東京ステージでの個人総合優勝の逆転劇があった。また、周回コースでは前座として実業団レース(以前は市民レース)が開催される。開始当初はサーキット周回コースなどで行われていたステージも存在した。第1回から第3回まで開催。大阪ステージの翌日に、現在もシマノ鈴鹿ロードレースで自転車ロードレースでも使用されている鈴鹿サーキットで開催されていた。2輪・4輪コースと逆回りで、レイアウトも若干異なるコースであった。奈良ステージの開始に伴い終了となっている。第1回から第3回まで開催。現在の「富士山ステージ」という名称はこの「富士ステージ」と区別するために付けられたものと思われる。ちなみに富士スピードウェイも富士あざみラインと同じ小山町にある。第4回から第8回まで開催。ツインリンクもてぎの特徴であるオーバルコースとロードコースをフルに組み合わせたコースレイアウトで行われていた。現在もシマノもてぎロードレースが行われているが、ロードコースのみ、あるいはオーバルコースのみで使用されている。第1回から第8回まで開催。最終日の東京ステージの前日に、1990年の世界選手権やジャパンカップサイクルロードレースの開催されている宇都宮市森林公園の周回コースにて行われていた。第4回大会から第14回大会まで採用。2008年4月にはアジア選手権も行われたコース。スタートは世界遺産に選ばれている東大寺大仏殿中門前。布目ダム周回コースは一周10.1kmのコースで、ゴール地点の手前1kmからの登り区間が一番の勝負所。一応は日本国内最高のステージレースとされているが、時期的な問題(グランツールの一つであるジロ・デ・イタリアや、UCIプロツアーチームが多く出場するツアー・オブ・カリフォルニアと重なる)もあり、海外の強豪チームを招待しにくい現状がある。前述の通り第15回大会まではUCIプロチームを招待することさえできず(日本で開催される国際大会でUCIプロチームを招待できるのはジャパンカップのみであった)、世界的に見るとレベルの低いレースである。また、かつてこの大会では各ステージで途中でレースを中止した場合でも、規定の距離(周回)を走っていれば次のステージ以降も走ることが出来る救済措置、俗称「ゾンビルール」という規則が存在した。この場合、ステージをフィニッシュした最下位選手のタイムに一定のペナルティタイムを加えたタイムが与えられていた。しかしこれは総合順位争いを度外視し「完走」という結果を残すために意図的に途中でレースを中止をすることが事実上認められていたということと同時に、それ以前に「一度リタイアした選手は次のステージ以降を走ることが出来ない」というステージレースの根幹に関わるものでもあり、一部の関係者から批判の声が上がっていた。2013年の第16回大会現在この救済措置は撤廃され、周回コース上で周回遅れになった選手(あるいはなりそうな選手を審判の判断によって)はその時点でリタイア扱いとなり、次のステージ以降への出走権を失う。2014年の第17回大会、伊豆ステージではこの規則が厳格に適用され、トップの選手に周回遅れにされた24人(この中にはランプレのフィリッポ・ポッツァートも含まれていた)がリタイア扱いとなり、東京ステージへの出走権を失った。第11回大会(2007年)までのダイジェスト番組は国際サイクルロードレースから引き続きテレビ朝日(系列局は各ステージの放送対象地域局である朝日放送・メ〜テレ・長野朝日放送・静岡朝日テレビのみ放送)及びNHK-BS1で放送されていた。第12回大会(2008年)以降はテレビ朝日が主催者から外れたこともあって放送体制が大きく変わっている。シクロ・イマージュ制作のダイジェスト番組がテレビ大阪・岐阜放送・信越放送・TOKYO MX及びBS-TBS(旧BS-i)「銀輪の風」で放送された(地上波とBS-TBSは別内容)。加えて、引き続きNHK-BS1でもダイジェストの放送があった。また、東京ステージのTOKYO MXは第12・13回大会(2008・2009年)の2年間、2時間枠で生中継されていた。第14回(2010年)は他地域同様ダイジェスト放送になったものの、テレビ地上波で国内ロードレースの生中継が行われたのは異例。第15回(2012年)以降はフジテレビジョンが番組制作を担当するようになり、BSフジで翌月の6月に1時間のダイジェストが放送されるようになった。2016年は制作担当が日本テレビに変更され、事前告知番組・ダイジェスト番組・総集編が放送される予定。
出典:wikipedia
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