この項目では、アメリカ軍の軍用機の命名規則について記す。現在は、陸海空軍の三軍で共通の命名規則を用いている。この命名規則は名称に含まれる要素の頭文字をとってMDS(Mission-Design-Series)とも呼ばれ、航空機に限らずミサイル等にも適用される。本項では、航空機のみに絞って解説する。ミサイルの命名規則については、ミサイル・ロケットの命名規則 (アメリカ合衆国)を参照。アメリカ合衆国の軍用機の正式名称は、各々の機体に固有識別を与えるために組み合わされた一連の文字および数字で示される。最初の一連の文字(最高4文字)は、航空機の種類及び意図された任務種別を決定する。番号は同様の種類と主任務も持つ航空機の中で機体を特定する。最後に、一連のシリーズとブロックは機体の正確な構成を特定する。航空機を含む飛翔体システムの正式名称に含まれる構成要素は全部で10あり、航空機ではこのうち8つが該当する(残り2つはミサイル/ロケット専用)。また、正式名称は、MDSのM (Mission) が示す現状 / 任務 / 機体種別、D (Design) が示す設計番号及び S (Series) が示すシリーズの3つの基本的な部分から成る。現状接頭記号 (Status Prefix) はオプションであり、通常は正規の軍務に用いる機体には使われない。公式に認可されている現状接頭記号は次のとおり。数々の航空機はそれらの基本任務記号が示す特定の任務のために設計されるが、それらの一連の同型機シリーズは最初の設計とは異なる任務のために設計される。このとき、元の任務の能力を維持することもあるが、維持しないこともある。任務変更記号 (Modified Mission) は、基本設計MDSとの共通性を失うことなく正確に航空機の使命を示す。任務変更記号が使用される場合は、基本任務記号のすぐ前に置かれる。公式に認可されている任務変更記号は次のとおり。これらは一字ではなく、複数が並べられることもある。例えば、AC-130 ガンシップの場合、ベースの機体が輸送機なので"C"の機種記号が付くが、攻撃機に改造されているため"C"の前に"A"が付加されている。またベースが同じでも、V-22のように配備先の任務に合わせた仕様によって、MV、HV、CVと変わることもある。FA-18はF/A-18と表記されることもあるが、「/」の使用は正式には許可されていないため、本来は「FA-18」が正式な表記である(後述)。基本任務記号 (Basic Mission) は、正式名称の任務を示す部分の核となる記号である。また、F-14やC-5のように、正式名称の任務部分が基本任務記号だけから成ることがある。公式に認可されている基本任務記号は次のとおり。標準機体でない機体(離陸から着陸まで完全に空気力学的な揚力によって支えられ、有人、固定翼、自己推進できる航空機以外の機体)については機体種別を特定するために、機体種別記号 (Vehicle Type) を付与する。公式に認可されている機体種別記号は次のとおり。例えば、AH-64 アパッチはヘリコプターなので"H"の機体種別記号が付くが、攻撃用途に使われる(攻撃ヘリコプター)ため機体種別記号の前に"A"の基本任務記号が付く。命名システムによると、航空機の機体種別又は標準機体の基本任務ごとに連続して番号を振られることになっており、設計番号 (Design Number) を他の文字列との混乱を避けて割り当てたり、メーカー側のモデル番号にかなうように割り当てたりできるようにはなっていない。最近この規則は無視されており、航空機があるシリーズから別のシリーズに移行されるとき、航空機はメーカーのモデル番号と同じ設計番号を受けたか(例えば、KC-767A)、移行前のシリーズの設計番号を引き継いだ(例えば、X-35はF-35になったが、“X”は1文字の場合は基本任務記号であり、本来なら“X”シリーズの35が引き継がれるのではなく、“F”シリーズの別の番号が新たに割り当てられるべきだった)。同型の航空機の異なるバージョンは、“A”から始まり順に増えていく1文字のシリーズ記号 (Series) を使って詳細に示されることになっている(ただし、数字の“1”及び“0”との混同を避けるために“I”及び“O”は使用されない)。しかし、どれくらいの変更があれば新しいシリーズ記号を与えるに値する要件となるのかは明らかではない(例えば、時間とともに広範囲にわたって生産行程に変更を加えられたF-16C)。偵察任務のために改修されたF-111CがRF-111Cと称されるように、新しい任務を遂行するための改修が新しいシリーズ記号を必ずしも必要とするというわけではない。また、SAR任務のために改修されたUH-60AがHH-60Gと称されるように、しばしば新しいシリーズ記号が割り当てられることがある。規則は破られるために作られると言われるが、機体正式名称命名システムも例外ではない。長年にわたって、システムに適合しないいくつかの呼称が生み出された。いくつか例を次に示す。ただし、このリストは決してすべてを記したものではない。(訳注:この例示の中に単なる推測としかとれず根拠として疑問なものがあるが、全文を翻訳した)統一規則は基本的に空軍の規則を踏襲していたため、原則的に既存の空軍機はそのままの番号とされ、陸軍および海軍の航空機は新しい制式名を与えられることになったが、その際 重複がない限りなるべくそれまでの番号を割り振ることとした。これ以後の新型機については、空き番号を原則少ない数字から与えられることになった。海軍のF4HファントムIIは空軍でも採用されてF-110(愛称はスペクター)の制式名が与えられていたが、もともとが海軍機であることから海軍の呼称 F4H から取った F-4 が新しい制式名となり、空軍でもそれを使用することとなった。陸軍航空隊、陸軍航空軍および後に陸軍から分離した空軍の軍用機の制式名称は次のように変遷した。1920年9月時点では、によるものであった。たとえば空冷の戦闘機(追撃機、Pursuit aircraft)は PW-9C などという表示をする。1924年5月、液空冷の区別を廃止し、P-1から開始するものへと変わった。XPW-8B が カーチス P-1 ホーク となった。1947年に空軍が陸軍から独立した。その後1948年に、戦闘機の記号が追撃機 (Pursuit aircraft) を意味する P から戦闘機 (Fighter) の F に改められた。空軍独立後のアメリカ陸軍では1956年から規則統一の1962年まで、以下のような独自の制式名を使用した。陸上自衛隊がUH-1をしばらくHU-1と称していたのはこの命名法の時代に装備を開始したことに由来する。また、同機のニックネームのヒューイもこのHU-1から来たものである。三軍表記統一前のアメリカ海軍の制式名称は、であった。例えば F6F はグラマン社の戦闘機で海軍に採用された6番目の機体であることを示す。ただし、1番目の機体にはドーントレスがSB1DでなくSBDであるように数字を付けない。主な機種記号主なメーカー記号
出典:wikipedia
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