講談社BOX(こうだんしゃボックス)は、講談社が2006年11月から発行している書籍レーベル、及び講談社の部署名。小説のみにとどまらず、漫画、批評書も刊行しており、「ハイブリッド・レーベル」を標榜している。銀の箱に入れられた装丁が特徴だが、2010年11月からは講談社BOX新人賞“Powers”受賞作の専用レーベル「Powers BOX」が異なる装丁で並行して刊行されている。創刊当初から講談社BOX新人賞を主催し新人作家・イラストレーターを積極的に世に出している。また、2008年から2009年にかけて雑誌『パンドラ』を刊行し、2011年2月には電子雑誌『BOX-AiR』を創刊した。初代部長は文芸誌『ファウスト』編集長の太田克史。二代目部長は、講談社ノベルスで島田荘司、竹本健治、綾辻行人、麻耶雄嵩などを担当していた秋元直樹(2008年12月〜)。2011年3月の公式メールマガジンで、「P」(本名不明)が三代目部長になったことが報告された。キャッチコピーは 「Everything is Boxed, KODANSHA BOX. 開けるのは“あなた”です。」。小説・漫画・批評を、銀の箱という統一的なフォーマットで刊行していたが、箱に入っていない「講談社BOXピース」も刊行しており、近年では箱の色や形状が作品ごとに変えられていることが多い。また、創刊当初から講談社BOX新人賞を主催し、2008年からは雑誌『パンドラ』を刊行していた。刊行冊数は、2009年5月の鏡征爾『白の断章』で100冊に到達した(銀の箱に入った刊行書籍のみカウントされている)。特別企画も多く行っていた。新人批評家を選考・育成しデビューさせる『東浩紀のゼロアカ道場』(2008年3月〜2009年8月)、参加者16名全員の漫画家デビューを目指す『西島大介のひらめき☆マンガ学校』(2009年7月〜)、クリエーターと読者が集う場所を作った『KOBOCAFE』(2008年5月〜8月)などがあった。amazon.co.jp内には公式コーナーが設置されていた、作家へのインタビューなどが読めるほか、女優の多部未華子や声優の中原麻衣によるレビューを載せるなど、積極的にPRが行われていた。講談社BOXの開始当初の講談社内での位置づけは、「講談社文芸局 海外文芸出版部 講談社BOX編集部」であった。当時講談社が新設した文芸局海外文芸出版部の中に、入れ子細工のように「講談社BOX」編集部が作られた。その後は「文芸局講談社BOX」という扱いを経て、文芸第三出版部へ統合されている。初期の講談社BOXはオフィスが講談社の本館とは別の場所にあるため、「部独自のカルチャーみたいなもの」が次第に出来あがってきていると、初代部長の太田は述べていた。毎日編集部に作家が遊びにくるようなところは、講談社の他の書籍系の編集部にはなく、そのことを太田克史は誇りに思っているという。2010年、部長を退任した太田克史が星海社を立ち上げ、それに伴い、西尾維新以外の主力作家が流出。上記の特別企画は見直しとなり、『パンドラ』は休刊。刊行点数も減少した。2015年、新レーベル・講談社タイガ創刊と前後して、作家陣の整理が行われた。『BOX-AiR』も2015年7月刊の52号を最後に終刊した。以降、西尾維新「〈物語〉シリーズ」「忘却探偵シリーズ」とノベライズの刊行レーベルとして名前を残しているが、それ以外のシリーズは刊行されていない。小説は、当初は講談社の文芸誌『メフィスト』、『ファウスト』、『群像』に掲載された作品を刊行していたが、創刊から1年半ほどしてから講談社BOX新人賞受賞者の作品の刊行を開始し、以来多くの新人作家を輩出している。また、創刊直後の2007年1月から、作家が12か月連続で単行本を刊行する「大河ノベル」の企画が実施され、2009年まで3年間続けられた。漫画作品は既に一度発売された作品の復刊がほとんどだが(復刊の場合、まだ別レーベルで手に入るものを刊行する場合もある)、海外のウェブコミックを単行本化した『メガトーキョー』などもある。『パンドラ』や『ファウスト』に掲載された新作の漫画は、KCデラックス(講談社の漫画レーベル)として刊行されている。批評・ノンフィクションでは東浩紀・渡辺浩弐の著作が刊行されている。批評・ノンフィクションは、新書がサラリーマン世代の読み物となってしまっている現状では、10代や20代に届くはずの批評も届いていない現状を変えたいという考えで出版されている。初代部長の太田克史は、「『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』(阿部真大、集英社新書、2006年)は新書で販売されているから若者に届かないだけで、これが講談社BOXだったら届く」と講談社BOXが批評を出版する意味を語っている。取り扱う作品の作風は、漫画作品も含めて「思春期の自意識」をテーマにした作品が多かったが、雑誌『パンドラ』のキャッチコピーであった「思春期の自意識を生きるシンフォニー・マガジン」という言葉は2009年4月発売のVol.3から「文芸と批評とコミックが「交差」(クロスオーバー)する講談社BOXマガジン」に変更されており、『パンドラ』Vol.3の編集後記では、今後の出版傾向の変更が示唆されたが、Vol.4を最後に刊行を休止している。銀色の紙ケースにB6判ソフトカバーを収納する、という特徴的な装丁を採用している。カバーなどは無く、通常の帯の代わりに箱に丸いシール(ステッカー)が貼付される。このアイデアは清涼院流水によるもの。シールは、全て職人の手作業で貼られており、斜めになっている理由は、太田克史部長が斜に構えているからだという。講談社BOX開始時には「世界市場で同時展開する“世界最強の出版レーベル”を目指してスタート」というようにその目的が説明されており、「講談社BOXのラインナップが50点、100点と重なっていったとき、世界の出版社と手を組んで、そのラインナップを世界の“受け手”に同時に届けていきます」とされている。創刊の2年後の2008年12月、初代部長の太田克史は「創刊当初からの志でもあった“世界最強の出版レーベルを目指す”世界展開についても、先だってのフランクフルトブックフェアへの参加などの活動が功を奏し、現在、世界各国から順調にオファーが入ってきている」と述べている。2008年10月にドイツのフランクフルトで行われた「フランクフルト・ブックフェア」の様子は後日講談社BOX公式サイトで公開される予定だったが、実際には公開されなかった。大河ノベル(たいが-)とは、ある作家が一年間、12か月連続でシリーズ作品を刊行する企画である。12か月連続刊行という試みは日本文芸界、そして世界出版界でも史上初とされる。12か月連続刊行にあたって「書き溜め」を禁止していた。2007年の清涼院流水・西尾維新、2008年の島田荘司、2009年の定金伸治と、3年間で計4人の作家がこの企画に参加した。ただし、当初の予定通り12か月連続刊行を成功させたのは、2007年の清涼院と西尾のみである。2008年の島田荘司作品は、第1部が2008年1月からの3か月連続刊行、第2部が2008年10月からの4か月連続刊行となり、2010年に第3部・第4部の刊行が予定されている。2009年の定金伸治作品は、1月からの4か月連続刊行ののち、作者の体調不良を理由に刊行が中断している。大河ノベル2007大河ノベル2008大河ノベル2009講談社BOXとゲームソフト会社チュンソフトが協力し、2009年秋に開始された出版企画。チュンソフトが発売したゲームソフトの小説版を刊行する。講談社BOX編集部が運営していたブックカフェ。コンセプトは、1930年代のアメリカ、ニューヨークあたりの私立探偵事務所みたいな講談社BOXの持っているイメージの危なっかしい、危険な匂いのするブックカフェと、気軽に立ち寄れる「編集者や作者」と「読者」が繋がれる場所をクリエイトする、がコンセプト。オリジナルブレンドコーヒーとセットの限定小冊子の販売があり、渡辺浩弐、松原真琴、滝本竜彦、西尾維新、佐藤友哉、北山猛邦の作品が販売された。8月2日には北山猛邦の限定小冊子『KOBO CAFE殺人事件』を基に、紛失した原稿を探すというミステリーイベントが行われ、北山猛邦以外にも佐藤友哉、乙一などが参加した。その後、KOBOCAFEは、渡辺浩弐の経営する「Kカフェ」として不定期に営業されていた。2007年1月より1年ごとに会員を募集している。募集要項には「かつてない読者体験を“あなた”にお届けする」と書かれている。ファン倶楽部の始動に当たって、「KOBO宣言文」が、清涼院流水により、講談社BOXファン倶楽部“KOBO”総長として出されている。2010年より無料化されることが告知されていた。特典は、会員証・会報誌『KOBO』(オールカラー32ページ。年2回発行。Vol.00〜04まで冊子形式、Vol.05より新聞形式)・バースデイカード・サマーグリーティングカード・会員限定イベントご招待・会員限定プレゼントなど。太田克史によると、ファンクラブKOBOは、会費の三倍リターンしているという。2009年4月の安達哲『幸せのひこうき雲』以降、銀の箱に入った形態では漫画は刊行されていない。2009年12月より、漫画はKCデラックスとして刊行されている。再刊作品の場合は、初刊行年を示す。講談社新人賞Powers受賞者の作品、及びBOX-AiR掲載作品を出版する専用のレーベルとして2010年11月よりスタート。銀の箱では無く、講談社ミステリーランドの様な箱のデザインも作品ごとに違い、かつ表紙の一部が箱の穴から見えるデザインの箱に入っている。一部、穴の空いていないデザインの作品も存在する。BOX-AiR新人賞受賞者専用レーベルとして、2012年3月よりスタート。Powers BOXと非常に似たデザインだが、こちらは穴の形が丸ではなく、たまご型である。一部穴のデザインが違う作品も存在する。以下の作品は銀の箱で無く、黒い箱に入っている。以下の作品は、Powers BOXの様に各作品独自のデザインの箱に入っているが、Powers BOXと違いイラストが箱の全面に配されている。
出典:wikipedia
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