岡山県・香川県の放送は、岡山県と香川県の放送に関する項目である。岡山県と香川県では、それぞれの県庁所在地の岡山市と高松市に本社を置く民放テレビ局がそれぞれ他方の県に乗り入れる形で放送している。岡山市に本社を置く民放は、山陽放送(RSK,JNN)・岡山放送(OHK,FNN)・テレビせとうち(TSC,TXN)、高松市に本社を置く民放は、西日本放送(RNC,NNN)と瀬戸内海放送(KSB,ANN)である。乗り入れ先の県でも同様に中継局が設置されているため、自県に本社を置く民放と同様にテレビを視聴することができ、ニュース取材や番組制作も、局によって多少の偏りはあるものの、ほぼ両県を対象としたものが制作される。そして、これら民放がネットワークする在京キー局がそれぞれ重複しないため、岡山・香川県では民放テレビ5大ネットワークがすべて視聴できる。また、NHKは元々の県域放送のままで、岡山県・香川県に個別に放送局を設置し、相手県のNHKは放送対象地域とはなっていない。同様にラジオは山陽放送と西日本放送が、それぞれの県のみを放送対象地域として放送している。ちなみに、CATV自主放送のリモコンキーIDは、「12」である。なお、岡山県の倉敷ケーブルテレビ、香川県の香川テレビ放送網・ケーブルメディア四国は、「12」とともに、関東広域圏などで使われている「11」も、同時に割り当てられている。アナログ放送終了時点における各社のカバー率はNHKが99.36%、民放ではRNC西日本放送がトップの99.27%、以下はOHK岡山放送の98.83%、RSK山陽放送の98.23%、KSB瀬戸内海放送の97.71%、TSCテレビせとうちの97.07%が続いている。全社地域別では香川県が最も高く99.87%、岡山県南部が99.09%、岡山県北部が96.27%であり、平野が多くを占める香川県でカバー率が高く、逆に中山間地域を多く抱える岡山県北部でカバー率が低くなっている。各地域の内訳であるが、香川県ではNHKの99.97%以下、RNC・RSK・TSCの3社が共に99.86%、OHK・KSBの2社が共に99.84%であり、各社共に高いカバー率で差がほとんど無いのに対し、岡山県では南部のNHK99.77%、RNC99.76%、RSK99.44%、OHK99.37%、KSB98.73%、TSC97.48%、北部のNHK98.33%、RNC98.20%、OHK97.30%、RSK95.38%、KSB94.56%、TSC93.87%と各社でカバー率の差が大きい傾向にある。岡山県と香川県の両方を放送対象地域としているテレビ局。正式には「2つの県を放送対象地域とする県域放送」であるが、「準広域放送」といわれる場合もある。これは、両県の全民放局が該当する。岡山市に登記上の本店・本社・演奏所を置くRSK、OHK、TSCの3社は、事業拠点として高松市内に四国支社を設置しているが、高松市に登記上の本店・本社・演奏所を置くRNC、KSBは、その拠点性の高さから、岡山市内にも岡山本社を置く2本社制で運用している。RNCとKSBの岡山本社、RSKとOHKの四国支社は、それぞれテレビ番組が制作できるスタジオを持っており、ニュースや特番における中継で利用されている。ただし唯一、TSCの四国支社にはスタジオが無い。岡山県と香川県のどちらか一方のみを放送対象地域としているテレビ局。NHKのみが該当する。岡山・香川合わせて民放テレビ5局体制とはいえ、他の5局体制である地域(関東圏・中京圏・関西圏・北海道・福岡県)に比べると以下の現状が垣間見られる。民放はいずれも岡山県と香川県の双方を放送対象地域としているため、報道や情報番組では基本的にどちらの話題も採り上げるが、その構成配分については局によって大きな開きがある。まず報道については、時事的な流動もあるため変動的であるが、おおむねRSK山陽放送とKSB瀬戸内海放送が両県をほぼ同比率で、OHK岡山放送・TSCテレビせとうちが岡山県中心、RNC西日本放送が香川県を中心に報道する。そして情報番組についてはその主題にもよるが、報道と比較してRSKが岡山県寄りになる。その県域性にはスポンサーの付き方にもある程度影響しており、CMに関してもOHK・RSK・TSCは岡山県資本が圧倒的に多く、RNC・KSBは同比率程度か多少香川県資本が多いこともある。RNC・KSBで香川県資本が圧倒的多数になることがほとんどない背景としては、岡山県の人口や経済規模が香川県の約2倍あるなどの需要の差が挙げられる。また別な現象として、全国展開しているチェーン店・スーパー・コンビニにおいて岡山県には店舗展開しているが、香川県には店舗展開していない(店舗展開が少ない)場合でも、岡山側のRSK・OHK・TSCはもちろんだが、香川側のRNC・KSBで普通にCMが流れている(代表例:セブン&アイ・ホールディングス、特にイトーヨーカドー。他の代表例としてナンバホームセンターなど)。また、その逆に対しても同様である(代表例:ミニストップ。他の代表例として西村ジョイなど)。また、岡山県と香川県で運営会社が異なるため、商品面で差異が生じるケースもある(代表例:ほっかほっか亭やマルナカ、電力会社および地域会社時代のNTTドコモの現象はおおむね本社所在地(RSK・OHK・TSC→岡山、RNC・KSB→香川)に比例するが、更にその局の主要株主資本に大きく影響されている。自社制作番組は5局体制である五大都市圏や4局体制である宮城県・新潟県・静岡県・広島県・熊本県(政令市を有する県)などに比べても少ない。代表例をあげると、30分以上のローカルワイド番組は2014年6月30日現在、が組まれている。過去には、KSBが朝7時台に、OHKが金曜限定で夕方4時・5時台(一時期は夜7時半まで)に、TSCが2010年度・2011年度に平日朝9時半に組んでいたことがあるが、いずれも撤退している。特に夕方についてはローカルワイド番組が盛んなNNN系列においてRNCが数少ない東京発をフルネットするなどキー局依存は高い傾向にある。OHKでは2012年4月改編で自社制作番組を大幅に改編し、これまでフジテレビの午前ワイド同時ネットから自社制作に転換(2013年1月より再びフジテレビ同時ネット)し、またこれまで情報バラエティ枠だった金曜19時枠に生放送の報道系情報番組を立ち上げる(1年で終了)など新しい試みも行なわれていた。RSKは水曜のゴールデンタイムに自社制作番組を2枠設け、特に21時台はドキュメンタリー番組を編成。この姿勢が評価されて第53回ギャラクシー賞・報道活動部門大賞を受賞している。自社制作で全国ネット放送を手掛けている数も他の5大ネットワークを有するエリアに比べてもほとんどなく、レギュラー放送はTSC製作のアニメ『しまじろうのわお!』のみである。他局は以下の現状である。ちなみにブロックネット特番はTSCを除いて各局とも制作実績はある。ただし九州や東北と違い、テレビネットワークの都合もあり中四国で一括りという例が多いが、四国のみ(NNN系)や関西も加えたりとさまざまである。詳細はブロックネットの項を参照。ローカルセールス枠についてはどの局ともドラマ・バラエティに関わらず再放送番組が多い。再放送において特に特徴的なのは、RSKが平日夕方16時枠で必ずパナソニック ドラマシアターの番組、特に『水戸黄門』を放映する事である。また在京キー局、もしくは在阪局制作番組のネット率(全国ネット番組以外のもの)については全体として双方とも突出して多いわけではない。個別にみればKSBがややABC制作番組のネット率が高い。深夜枠や早朝枠、10時台などを中心にテレビショッピング枠が多い(時間帯によっては5局すべてがテレビショッピング枠という状態も見られる)。また、制作会社・プロダクション製作の紀行系・グルメ系が多く、在京・在阪局ネット番組を打ち切って再放送枠や配給番組に転換するなどの事例もある。ちなみにゴールデンタイムにおけるローカル枠ではRSKが水曜19:00枠(『VOICE21』→『RSK地域スペシャル メッセージ』→『国司憲一郎のリンだRiNだ』)で自社制作の情報番組を設けていた。ただ当時は2010年度木曜19・20時枠(『スパモク!!』)においては月の半分をMBS制作番組(MBS激闘プロ野球や単発特番)のネットに差し替えるようになり、2011年度以降は20時代を原則TBSないしはMBSの番組をそのまま放送していた。のち2013年の秋編成より水曜20:00枠をもローカル枠(『RSK地域スペシャル メッセージ』→『国司憲一郎のリンだRiNだ』→『VOICE愛』)に転換。水曜日の2時間がローカル枠となった。しかし2014年の春編成より水曜19:00枠がTBS制作番組に転換される。ただし、その代替としてローカル枠そのものを1時間ずらす措置が取られ、現在は水曜20・21時枠がローカルセールスの枠(20時代『VOICE愛』・21時代『RSK地域スペシャル メッセージ』)となっている。なお、この体制でTBS側に19・20時枠の特番体制が取られた時は、RSK側はローカルセールス枠番組で特番を組む(『国司憲一郎のリンだRiNだ』→『VOICE愛』)方針を取っていたが、2015年秋期(『VOICE愛』)以降は20時ローカル枠の一時放送休止を行うことも目立っている。他の局においては、OHKが金曜19:00枠(『ニョッキン7』→『ニョッキン7+th』→『金曜G7』→『夢みる金バク!』)で設けている。KSBも火曜19:00枠において年1回毎年11月にKSBを含めた中四国ANN4局共同制作の特別番組を組んでいる。RNCではキー局の日テレの番組をそのまま放送している。TSCも土曜19・20時枠(『土曜スペシャル』)でテレビ大阪制作のプロ野球中継を年2-3回、2011年10月から『たかじんNOマネー』のゴールデンスペシャルを同時ネットしている。また不定期にテレビ大阪制作の2時間番組で岡山県や香川県が出てくるものやBSジャパンの空から日本を見てみようで岡山県や香川県が出てくる時や自社制作の特別番組を1時間放送している。岡山・香川の民放はいずれも両県に跨って放送を行っている準広域局であるが、通常2県以上に跨って放送を行っている場合、ローカルニュースなどではそのエリアを総称する名称で呼ぶ。他の地域では例えば天気予報の場合、関東広域圏→関東地方の天気、中京広域圏→東海3県の天気、近畿広域圏→関西地方の天気、鳥取県・島根県→山陰地方の天気などである。岡山・香川に限っては両県を総称する一般的な呼称は瀬戸内地方を使用している。他に瀬戸内準広域圏という名称も存在するが一般的ではないばかりか、そもそも瀬戸内海に面しているのは岡山・香川だけではないため両県のみを指す名称としては必ずしも適当とはいえない(気象情報などでさす「瀬戸内海」は概ね兵庫から山口までと香川・愛媛を指す。山陽も広島や山口を含むため妥当とは言い難い)。古くより両地域を指す言葉としては瀬戸大橋(本四備讃線・北備讃瀬戸大橋・南備讃瀬戸大橋)の各部呼称に代表される備讃地域(びさんちいき。備前と讃岐の略)という呼称もあるが、放送域の呼称として使われる事は少ない。そのため、岡山・香川の民放各局ではローカルニュースなどで両県名を呼称する。例えば「岡山・香川の天気」や「香川・岡山の天気」などである。岡山を先にする言い方はおおむね全民放で使われるが、香川を先にする言い方は主に高松市に本社のあるRNC西日本放送で使用されることが多い。KSB瀬戸内海放送も高松市に本社を置いているが、こちらはほとんどの場合で岡山を先にしている。このように岡山を先にすることが多い背景としては、都道府県を団体コード順に並べた場合に岡山県が先に来ること、また五十音順においても「あいうえお・かきくけこ」となるため各県の語頭文字の「おかやま」の「お」の直後が「かがわ」の「か」となっている事で音の順番に慣れがあり語呂が良いこと、放送局の過半数が岡山市に本社を置いていること、岡山県の方が人口が多いことなどが挙げられる。ただし、近年になり全民放の傾向として「エリアの天気(ニュース)」などと呼称することが多くなっている。特にそれまで香川を先にしてきたRNCで顕著である。逆にそれでも県名を呼称しなくてはならない場合は、RNCでも岡山を先にすることが増えている。この「エリアの天気(ニュース)」はRSKでよく使われていた。実際にRSKではJNNニュースや『あさチャン!』のローカル枠でのローカルニュースへの差し替え時に「エリアのニュースです」と下部にテロップが表示される。なお、88年頃にはいったん「せとらんど」という愛称がつけられ、各局が使っていた。岡山・香川両県の地上デジタル放送におけるリモコンキーIDはキー局を擁する関東広域圏と同一で、両県内てはNHK総合(岡山・高松)が1、NHK教育(Eテレ)(同)が2、日本テレビ系列(西日本放送)が4、テレビ朝日系列(瀬戸内海放送)が5、TBS系列(山陽放送)が6、テレビ東京系列(テレビせとうち)が7、フジテレビ系列(岡山放送)が8に統一されている。これは物理チャンネルとは全く別のソフトウェア的なチャンネルの概念である。アナログ放送のリモコンポジションはデジタル放送と異なってソフトウェア的な要素は無く、特に物理チャンネルと紐付けが出来ないUHF局ではそのポジション設定がテレビのメーカーや個人の趣向によって全く異なることがあった。ただし、唯一の共通点としてポジション9に関してはRNC西日本放送以外を設定するメーカーは皆無である。「岡山」の場合、先発VHF局であるNHK岡山教育(Eテレ)の3、NHK岡山総合の5、RNC西日本放送の9、RSK山陽放送の11は物理チャンネルと同一のため固定されており、それ以外の後発UHF局は1、2、6、7のいずれかに設定するメーカーが多い。多いのは1にTSCテレビせとうち、7にOHK岡山放送とKSB瀬戸内海放送が半々である。「津山」の場合、NHK岡山総合の2、RSK山陽放送の7、NHK岡山教育(Eテレ)の12、「笠岡」の場合、NHK岡山総合の2、NHK岡山教育(Eテレ)の4、RSK山陽放送の6が固定されている他は各社統一性が無いが、RNC西日本放送は親局と同じ9に設定するメーカーが多い。「高松」の場合、チャンネル順にポジショニングする三洋電機を除いてNHK高松教育(Eテレ)(39ch)の3、NHK高松総合(37ch)の5、RNC西日本放送(4ch)の9、RSK山陽放送(29ch)の11が固定されており、それ以外は1、7、12のいずれかに設定するメーカーが多い。多いのは1にTSCテレビせとうち(19ch)、7にKSB瀬戸内海放送(33ch)、12にOHK岡山放送(31ch)である。固定されている4局のうち、民放2社のポジションは親局である金甲山送信所のチャンネル(9・11)と同一であるが、NHK高松は親局が高松(前田山)であるにも関わらず、NHK岡山が親局を置く金甲山のチャンネル(3・5)に合わせた設定になっている。また、在高局であり金甲山送信所を高松局と呼称しているRNC西日本放送に関しては表示が親局の9であったり、そもそも受信チャンネルが金甲山の9chに設定していたり、扱いが他局と異なるメーカーがある。そもそも香川県の沿岸部では多くが金甲山送信所のエリア内になっていて、出力も大きいため同局を受信する世帯も多いが、そのような環境では「高松」や「丸亀」よりも「岡山」に設定した方がポジショニングに適している場合が多い。他にも、東かがわ市や小豆島東部では在阪局を受信する世帯が多く、そのような受信環境に配慮したプリセットになっているメーカーもある。このように独立した1県でありながら隣県の電波状況が大きく影響する受信環境下にある香川県では、プリセット通りのポジショニングにならない場合が多い。「丸亀」の場合、チャンネル順にポジショニングするメーカーと「高松」に準ずるメーカーがあるが、VHF局が無いため固定されているチャンネルポジションは無い。岡山県と香川県は瀬戸内海を挟んで向かい合っており、互いの県の放送電波が飛び交うスピルオーバーの環境にあった。NHK総合も当初は岡山・香川両県及び兵庫県播磨地方を対象に金甲山に送信所を設け、NHK岡山放送局がVHFテレビ放送を開始、続く民放も山陽放送テレビが岡山県を放送エリアとし、金甲山に送信所を設置してVHFテレビ放送を開始した。一方、高松市に本社を持つ西日本放送テレビは香川県を放送エリアとし、市内の五色台に送信所を設置してVHFテレビ放送を開始した。放送開始当時から岡山・香川の県庁所在地かつ最大都市の岡山市と高松市を含む、両県の瀬戸内海沿岸部では、3局を視聴可能であったものの、それぞれの放送エリアの兼ね合いで3局でVHFテレビ送信所が揃わない状況となった。1970年前後に全国にUHFテレビ局が次々と開局していく過程では、従来テレビ放送を行っていなかったNHK高松放送局がUHFテレビ放送を開始してNHK岡山放送局のエリアから独立し、また県域UHF民放テレビ局として金甲山を送信所に岡山放送、前田山を送信所に瀬戸内海放送がそれぞれ開局した。これを機に岡山・香川両県は既存VHF民放局も含めてそれぞれ独立の県域放送エリアとして扱われるようになった。そうした中で、面積が小さく大半が平地である香川県では、大半の地域で自県のテレビ放送に加え、金甲山からのテレビ放送を見ることができ、民放4局を視聴できた。一方、岡山県では南部で香川県のテレビを放送を視聴できる一方、北部と山間部の地域で香川県のテレビ放送を見ることができなかった。それまで、両県の瀬戸内海沿岸では別エリアでありながらも慣習的に相互にテレビ放送を視聴する環境にあったが、旧郵政省(現・総務省)は電波行政に対する政策として1979年4月1日付けで正式に両県のエリアを統合した。それ以後、テレビ放送における用語としてこの両県を、それぞれの県の県庁所在地である岡山市と高松市から、岡高地区と呼ぶようになる。岡高地区から7年前の1972年に鳥取・島根両県の民放が相互にエリアを拡大するという事例があり、岡高地区についても民放局の増加で特に瀬戸内海沿岸地域における中継局のチャンネル数が逼迫する可能性があったことから、1979年4月1日付けで旧郵政省(現:総務省)が民放に限って岡山県と香川県を同一のエリアとするチャンネルプランの変更を行った。これ以降、岡山・香川両県の民放は相互に乗り入れた放送を行っており、本社をどちらに置いていても両県全域を一つのエリアとみなして運用しているが、こちらは鳥取・島根両県(テレビ・AM・FM全てが、NHKは県域、民放は準広域)の場合と違って、「民放テレビは準広域、NHKと民放ラジオは県域」という構図である。相互乗り入れ前にはそれぞれ本社の所在する県を放送対象地域としていたが、瀬戸内海に近い地域などこれら4局が受信可能な地域では各系列局同士の補完が可能で実際に岡山・高松の2都市をはじめとする2県で日常的に視聴されてきた。特に本局がVHF波であるRSKやRNCで顕著であった。ただ、カバーエリアとしては両県に跨っていても放送対象地域の絡みもあり、各局の中継局の設置は、RSKとOHKが岡山県内、RNCとKSBが香川県内にとどまっていた。そこで、旧郵政省は1979年4月1日付けで同地域の放送局の放送対象地域の統合(RSKとOHKの放送対象地域に香川県を、RNCとKSBの放送対象地域に岡山県をそれぞれ追加して、4局を「準広域局」化)を行い、各局のネット体制を統一し、当時全国各地で推進して来た多局化を両県でも実現させる事にした(第1次相互乗り入れ)。これに先立ち、同年2月1日にKSBが小豆島中継局の指向性を岡山県向けに変更すると共に出力を1kW→5kWに増力(岡山県内向け中継局化)し、同月17日にはOHKが金甲山送信所の岡山県向けに設定されていた指向性を解除し、香川県内向けの送信を本格的に開始している。1983年3月24日にRNCとKSBが岡山県に岡山佐山テレビ中継局を、1984年4月5日にOHKが、1985年3月27日にRSKが香川県に高松(前田山)テレビ中継局をそれぞれ開局して、テレビ中継局に関しても相互乗り入れが開始された(第2次相互乗り入れ)。この2次に渡る相互乗り入れに伴い、1984年に高松・前田山にあったKSBの本局送信所と1986年に五色台の青峰にあったRNCの本局送信所を、それぞれ岡山県側の本局送信所がある岡山・玉野両市の金甲山に移転した。その際にKSBの旧高松本局は出力を半減した上で中継局に降格し、さらにRNCの旧本局は廃止の上で代替としてKSBと同じ前田山に同出力の中継所を新設した。さらにRNCは、他局が岡山本局とする金甲山の送信所をチャンネルを従来通り(9ch)とした上で「高松本局」、同じく他局が高松中継局とする前田山の中継局は「前田山中継局」の扱いで放送する様になる。なお、四国新聞と山陽新聞は他の放送局と同じく金甲山を「岡山局」、前田山は「高松局」と扱う。また、AMラジオにおいても同様の状況であったため、相互補完の意味合いもあり、ラジオ・テレビ兼営であるRSK(岡山県側)がJRN、RNC(香川県側)(いずれも1953年10月1日開局)がNRNにそれぞれ単独加盟し、各ネットワークのネットを受けていた。だが、RSKの番組不足などから1997年以降は両局共にAM波に関しては実質的な相互乗り入れが撤廃されて両局同時にJRN・NRN双方に加盟した。実質的には両県で現在も聴取できるものの、放送対象地域としては一貫してRSKが岡山県、RNCが香川県単独のままであるため、AMラジオについては乗り入れ先に中継局が設置されたことはなく、RSKの本局が10kWに増力された程度である。そもそも相互乗り入れは公共性の高いテレビ放送における大きな改変であるが、これは必ずしも大多数の民意の要請に基づいたものであるとは限らない。テレビ局にとって乗り入れは営業エリアの拡大で経営規模が大きくなり経営上有利となるが、サービスエリア(放送対象地域)を規定している放送免許は、国の認可で運用しているという都合上、この乗り入れの原動力には少なからず政治力が作用している。特に人口・面積において狭小であった香川県側のテレビ局では、乗り入れが行われると岡山県側へ大きくエリアが広がることから乗り入れに積極的で、この施策の決定には一部局の経営者が持つ政治的発言力が大きく作用したという見方もある。一方、岡山県側のテレビ局では乗り入れをしなくても平野の多い香川県側へは大半の地域に電波が入っており、また香川県のテレビ局が進出してきたことによって、香川県側以上に地盤である岡山県における市場のパイが奪われる結果となるため乗り入れには否定的であった。かつて盛んであった岡山・香川両県の人的交流も高速道路網の整備やモータリゼーションの進行によって、乗り入れ当時と21世紀の状況では大きく変化している。国土交通省が1990年から5年ごとに行っている全国幹線旅客純流動調査によれば、香川県から岡山県への人の流動は1990年から2010年にかけて316.5万人→251.1万人→145.2万人→194.9万人→196.0万人と大きく減少し、代わりに香川県から対四国内へ向けた流動数が激増している。流動先の都道府県に占める順位も、1990年時点では対岡山県の流動が圧倒的首位であったが年々低下し、2010年時点における岡山県への流動数は首位である徳島県の半数にも満たないほど減少している。逆に岡山県から香川県への流動数も、2010年時点では広島県、兵庫県、鳥取県、大阪府に次いで第5位であり、現代における両県は必ずしも最も緊密な相互交流を有するエリアではなくなっている。相互乗り入れ実現とともに、民放TVチャンネルの追加割り当ても実施され、乗り入れ後の1985年10月に、両県にとっての第5の民放テレビ局・テレビせとうち(TSC、テレビ東京系列)が開局し、岡山県と香川県は2県が同一のエリアで、且つ政令指定都市を持たない放送エリア(当時。2009年4月に岡山市が政令指定都市に移行)、そして特に中国・四国地方では初めて民放テレビ局5局が立地する体制となった。その他にも岡山・高松両市に本社を構える各民放局共に乗り入れ先の県内にも中継局を新設するようになったが、一部では今なお乗り入れ側の中継局がない地域も残されている(TSCのみ未開局となっている地域があるところと岡山県側でRNC、KSB、TSCが未開局となっている地域が混在している。例:岡山県真庭市蒜山高原地域にある民放アナログテレビ中継局はRSKとOHKのみであるが、デジタル放送は前者2局にRNC、KSBも設置されている)。なお、地上デジタル放送においてはこれらの地域にも全局の中継局を設置する予定となっているが、検討中や非該当の地域もあるため全域をカバーするかは不透明。中継局建設費用の半額を補助する「後発民放中継局整備支援策」(総務省が所管)を活用したアナログ未開局地域における後発民放中継局の新規設置も2012年時点では予定されていない。ただし、ほとんどの世帯ではケーブルテレビに加入することで岡山・香川両県の民放5局すべてを視聴することができる。TSCの開局により、岡山・香川では高松市沖を中心とした半径28km以内の狭い範囲にある出力1kW以上の大規模基幹局が、19ch~41chの奇数チャンネルとその前後の偶数チャンネルを全て独占する構図になった。なお、奇数チャンネルの間にある偶数チャンネルやその逆のパターンについては混信が起るため、出力の大きい基幹局同士のエリアが重複してしまう場合では通常、使用しない。特に瀬戸内海に面する両県は自県の送信所が他県へ及ぼすスピルオーバーの影響が著しく、チャンネル数の逼迫という問題がエリア外にまで影響を及ぼしていた。このようにチャンネル数の逼迫は全国で同様に起っており、2003年から始まる地上デシタル放送移行への大きな要因となった。三大都市圏で2003年12月1日11時より開始された地上デジタルテレビジョン放送は、岡山・香川両県では2006年12月1日に開始される事が決定し、これに先立ち岡山・香川その他全国のデジタル放送未開始の放送事業者は2005年11月15日総務省から一斉に予備免許を交付された。また全国でも有数のスピルオーバー地帯である岡山・香川を始めとする瀬戸内海沿岸では、2004年頃からアナアナ変換と呼ばれる現行アナログ放送のチャンネル移行が行われ始めている。その頃、この地域の放送局でもOHKを皮切りにデジタル放送に向けた放送機器の更新が行われていった(OHK:2005年8月1日・東芝製、NHK岡山:2005年8月22日の社屋移転時、RNC:2005年11月1日・東芝製、RSK:2006年2月1日・NEC製、KSB:2006年6月26日・NEC製、NHK高松:2006年9月11日)。なお、TSCではデジタル放送開始に合わせて本社と演奏所を新社屋に移転した。そして2006年8月26日、OHKが先陣を切って金甲山送信所及び前田山送信所より「映像の再生に必要な制御信号」を含めない試験放送を開始し、続いて同年10月にはKSBが同種の試験放送を開始した。それがこの地域に初めて流れたデジタル波で、いずれも試験放送開始当初からアナログ放送と同一の番組のサイマル放送であった。なお、それらはいずれも「映像の再生に必要な制御信号」が含まれていなかったため、物理チャンネルを指定できる一部のデジタルチューナーでは視聴できたものの放送局として登録されないばかりか、一般のデジタル放送対応チューナーではスキャンしてもスルーされ、一切視聴はできないものであった。その後試験放送を開始していなかった局も同月12日には一斉に「映像の再生に必要な制御信号」を含めた試験放送を開始、一般のチューナーでも視聴できる試験放送が開始された。そこではNHKとRNC西日本放送及び以前から試験放送を行っていたOHK岡山放送とKSB瀬戸内海放送はこの試験放送開始当初からアナログ放送と同一の番組のサイマル放送であったが、RSKは16日まで、TSCは11月19日まで試験用動画でのみの試験放送だった。その間各局とも最終調整を行った上で、同月22日に総務省からそれまでの予備免許から本免許にあたる無線局免許状が交付され、12月1日に金甲山送信所及び前田山送信所から「本放送」を開始した。また三大都市圏を含めた他地域の放送局がまず一つの送信所から放送を開始し、その後徐々に他の中継局などをデジタル化したのに対し、この地域では試験電波・試験放送の段階から金甲山及び前田山の二つ同時に行っていた。本放送開始に向けて行われていたアナアナ変換の作業は、香川県では2006年8月9日の志度中継局及び高松栗林中継局、岡山県では2007年12月19日の矢掛西中継局、それぞれの現行波停波を以って終了した。その作業のため、結果的に岡山・香川の地上デジタル放送の開始は福岡県を除く九州各県と共に全国で最も遅い開始となった。なお、地上デジタルテレビジョン放送の開始に際し、NHK高松放送局は内陸部にある高松局の電波が受信しづらく、岡山方面にアンテナを向けてテレビ放送を受信する香川県の世帯に配慮して金甲山にデジタルテレビの中継局を特別に設置した。"→北讃岐中継局"基本的にNHKと民放FMは県域放送であるため、金甲山・前田山・五色台いずれも親局であるが、民放テレビはすべて金甲山送信所が親局、前田山送信所が中継局となる。ただ、RNCはUHFテレビ開局まで香川県唯一の地元テレビ局であったため、元の親局である五色台・青峰からの移転扱いであるが、同一チャンネルとし、金甲山の親局を「高松局」と称している。代替として高松市の前田山に開設した中継局は「前田山中継局」と称している。ただし、山陽新聞と四国新聞に掲載される番組表カットのチャンネル一覧はRNCの場合でも他局と同じで、前田山は高松局、当ページの金甲山は岡山局の扱いとなる。地上デジタルテレビ放送中継局ロードマップで計画された中継局の整備は、香川県は2010年10月31日に土庄田井・津田の松原両中継局の設置をもって完了し、岡山県も2010年12月28日に総社・勝田真加部など13中継局の設置をもって完了した。この13中継局のうち、玉野田井中継局は中国地方の中継局ロードマップで計画された中継局で最後の予備免許交付となった。その後は、中継局ロードマップ計画後に設置が決まった岡山津島中継局と坂出川津中継局(同地区で初のデジタル波混信対策中継局である)が2011年3月31日に設置された。また、NHK岡山の中継局である岡山宝伝中継局が、2012年7月に放送区域外である香川県土庄町(小豆島)に設置された。
出典:wikipedia
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