ブロモチモールブルーもしくはブロムチモールブルー、ブロモチモールスルホンフタレイン(, BTB)は、分析化学でよく用いられる酸塩基指示薬(pH指示薬)のひとつで、分子式 CHBrOS で表される、淡黄色または淡紅色の粉末である。ブロムチモールブルーとも称される。しばしば水溶液はBTB溶液と呼ばれる。酸を検出する指示薬として、ナトリウム塩の形で市販されている。分子量は 624.38 g/mol、p"K" は 7.10 である。プロトン化および脱プロトン化の形態ととることができ、それに伴い色調が変化する。色の変化は pH < 6.0で黄色、pH > 7.6 で青色であり、その中間では緑色を示す。ただし、非常に強い酸に対しては赤色を、非常に強い塩基に対しては紫色を示す。中性溶液中でBTBが緑色を示すのは、中間体が脱プロトン化するためである。プロトン化したBTBは吸光の極大が波長692 nmにあり、酸性溶液中で黄色の光を反射する。一方脱プロトン化したBTBは602 nmの光を最もよく吸収し、塩基性溶液中で青色の光を反射するBTBの炭素骨格は クロロフェノールレッド()、 チモールブルーやブロモクレゾールグリーン()など多くの酸塩基指示薬と同じである。臭素という求電子性の官能基と2つの電子供与性の官能基(アルキル基)があるため、BTBの変色域は6.0から 7.6となる。共役系が光の吸収波長が変わる原因となるが、変色域がこのようになるのは置換基のためである。BTBは水には溶けにくいが、エタノールなどのアルコールやアルカリ水溶液には溶ける。ベンゼンやトルエン、キシレンなどの非極性溶媒には溶けにくく、石油エーテルにはほとんど溶けない。酸塩基指示薬として用いる場合、N/50 NaOH 8cmにBTBを0.10g溶解させ、250cmの水で希釈する。容積測定の指示薬として使うときは、50%(v/v)エタノール100cmにBTBを0.1g溶解させて調製する。中性付近の弱酸や塩基の検出に用いられる。プールや養殖槽などでカルボン酸の検出などに使われる。生物学でスライドを染色する際に使用されることもある。この場合、青色の水溶液としてサンプルに数滴加え、細胞壁や核を青色に染める。植物の光合成や呼気の観察のための実験として、中性のブロモチモールブルー溶液にチューブで息を吹き込むというものが知られる。呼気に含まれる二酸化炭素が溶解することによって炭酸が生じ、溶液は酸性になるため、緑から黄色へと変化する。BTBは、フェノールレッドと混ぜてアスパラギナーゼという酵素の活性を調べるのに用いられる。酵素がはたらくと、pHが上昇し、フェノールレッドはピンクに、BTBは青に変わる。しかし、最近の研究では、酵素がはたらくとともに黄色の環ができるメチルレッドの方が適していると言われている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。