ブロンシュタイン級フリゲート()は、アメリカ海軍のフリゲートの艦級。計画名はSCB199。当初は航洋護衛艦("ocean escorts"、元の護衛駆逐艦)と呼ばれたが、1975年6月30日の艦種変更でフリゲートに分類された。2隻がルイジアナ州エイボンデールのエイボンデール造船所で建造された。冷戦終結に伴う軍縮により1991年にはアメリカ海軍から退役するが、1993年に2隻ともメキシコに譲渡され、ブラボ級フリゲート()として再就役した。ブロンシュタイン級は、まったく新しい設計に基づく新世代の護衛艦であり、以後のアメリカ海軍護衛艦 / フリゲートの基礎となった艦級である。前任者のクロード・ジョーンズ級護衛駆逐艦(SCB131計画艦)が低速にすぎたことの反省から、速力をディーレイ級護衛駆逐艦(SCB72計画艦)並みに差し戻すとともに、新型の電子兵装などを設置できるマックを備えた大型の船型を採用し、また新世代の強力なソナーと対潜兵器の組み合わせにより、対潜戦闘能力を飛躍的に向上させた。戦時量産という束縛から解き放たれたという点で、真の戦後型護衛駆逐艦の端緒とも評価されている。本級は、原子力推進の導入により潜水艦脅威が飛躍的に増大し、また第二次世界大戦型駆逐艦の退役を見据えてアメリカ海軍の用兵思想が変化する過渡期に設計されたため、就役後、速力はなお不足と評価され、またさらに進歩を続ける兵器テクノロジーに追随するには、船型も過小であった。このため、当初想定していた対潜任務群としての作戦行動に対応できず、建造は2隻に留められた。ただし、本級の船体設計、また搭載する戦闘システムは、その後に建造されたガーシア級フリゲート / ブルック級ミサイルフリゲート、さらにノックス級フリゲートにおいても基本的に踏襲された。これらは、いずれも計画名にSCB199の番号が冠されており、いわば"SCB199シリーズ"とでも称するべきものである。その点で、建造数が少ないとはいえ、本級のアメリカ護衛艦史における重要性は、決して小さくない。本級は、前任者のクロード・ジョーンズ級護衛駆逐艦(SCB131計画艦)と同様の長船首楼船型に、新型のSQS-26ソナーを収容できる大型のバウ・ドームを組み合わせた船体設計を採用している。また、新しいSPS-40対空捜索レーダーなどの電子兵装の設置に対応するため、マストと煙突を一体化させたマック構造を採用しており、これはSCB199シリーズに共通の特徴となった。本級の主機関は、ディーレイ級護衛駆逐艦(SCB72計画艦)の出力増大型となっている。ボイラーはディーレイ級と同系列のフォスター・ホイーラー式水管缶2基、蒸気性状も同一で、圧力42.2kgf/cm²(600psi)、温度454℃であった。主機はド・ラバル式ギヤード・タービン1基、出力は20,000馬力と増大していたが、船型も大型化していたことから、速力はディーレイ級に劣って26ノットとなっていた。本級は、新開発の装備により、これまでの護衛駆逐艦に類を見ない、強力な対潜戦闘システムを構築した。その一方、砲熕兵器については、先行するディーレイ級およびクロード・ジョーンズ級のものを基本的に踏襲している。対空捜索用レーダーとしては、新型のAN/SPS-40を初搭載した。またソナーも新型化されており、大出力・低周波数のAN/SQS-26ソナー・システムを初搭載した。これは3~4キロヘルツの周波数を使用し、これまで使用されてきたAN/SQS-4(8~14キロヘルツ)をはるかに凌駕する探知距離18300メートルを狙ったものであった。これは、のちにはさらにAN/SQS-26AX(R)に改修されたほか、1973年から1974年にかけて、後部の3インチ砲にかえてAN/SQR-15曳航ソナーを装備した。ただし運用実績不良であり、1981年前後に撤去されている。新世代の対潜兵器として、アスロック対潜ロケットを装備した。これは、弾頭として、高速の対潜魚雷Mk 44(324mm径)などをロケットによって投射するもので、これまでの対潜前投兵器を凌駕する射程(9,100m)を備えていた。本級は、艦橋前にMk 16 GMLSを設置し、そのMk 112 8連装発射機よりアスロックを運用した。ただし予備弾は搭載せず、本級が装備するアスロック弾は発射機に装填された8発のみであった。また、近距離での対潜火力としては、アスロックの弾頭でもあるMk 44短魚雷を発射する3連装のMk 32 短魚雷発射管を装備している。これらを統制する水中攻撃指揮装置 (UBFCS) としては、先行する2艦級が搭載するMk.105を改良したMk.111が使用されていたが、後にMk.114 mod.7に更新された。さらに、のちには長射程の対潜火力としてQH-50 DASH (無人対潜ヘリコプター) を追加装備したが、これは短期間の運用に終わった。DASHを搭載した艦の多くは、のちにLAMPSを搭載するよう改修されたが、本級は船型過小であると考えられたことから、ヘリコプターの着艦に対応するように飛行甲板を拡張したのみで、LAMPSの搭載は行なわなかった。水測装備・対潜兵器の先進性とは対照的に、本級の砲熕兵器については、先行するディーレイ級およびクロード・ジョーンズ級のものを基本的に踏襲した。主砲としては、艦首に50口径長の76ミリ連装速射砲Mk.33を備え、その射撃指揮は、SPG-35レーダーを有するMk.56 砲射撃指揮装置によって行なわれた。そのほか、後部甲板には50口径長の76ミリ単装緩射砲Mk.22を搭載したが、これは上記の通り、後にAN/SQR-15とバーターに撤去された。しかし、先行する艦級においては、76ミリ連装速射砲Mk.33 2基、あるいは単装の5インチ単装砲Mk.30 1門の装備が標準となっており、それに比べると、本級の砲撃戦力が弱体化していることは否めなかった。その反省から、続くガーシア級フリゲートにおいては、単装のMk.30 5インチ砲2門が搭載されることになる。
出典:wikipedia
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