日高山脈襟裳国定公園(ひだかさんみゃくえりもこくていこうえん)は、北海道にある国定公園。総面積(103,447 ha)は日本の国定公園の中で最も広い。日高山脈、広尾町から襟裳岬にかけての海岸線、アポイ岳周辺の地域からなる。日高山脈は日本国内で最も原始的な自然を残しており、固有種や隔離分布する植物を数多く見ることができるのが特徴になっている。登山に関しては難度の高い山域として知られており、一般的な登山コースを整備していないため、ほかの山域とは異なる知識や準備を必要としている。襟裳岬は岬から1.5kmに渡り岩礁が連続し、風が強い地域として知られている。また、日本の白砂青松100選や「百人浜・襟裳岬」として日本の渚百選に選定されている。アポイ岳は世界的にも珍しいかんらん岩からなる山塊や渓谷、特殊な土壌条件などによって低標高ながら高山植物を見ることができる自然環境にあり、登山道も整備している。「アポイ岳と高山植物群落」として国の特別天然記念物に指定されているほか、日本の地質百選に選定されている。また、ジオパークとして2008年(平成20年)に「日本ジオパーク」に、2015年(平成27年)には「世界ジオパーク」に認定された。襟裳岬、十勝幌尻岳、幌尻岳は国の名勝「ピカノカ」に指定されている。日高山脈の裾野は、日高側で河川流域にトドマツ、エゾマツの針葉樹林帯が多く、十勝側で渓谷沿いにミズナラ、オヒョウ、エゾイタヤ(イタヤカエデ)、ドロノキなどの広葉樹林帯や混交林になっている。高山植物は急峻な地形のため貧弱であるが、ハイマツはじめ固有種のヒダカミネヤナギやカムイビランジ、超塩基性岩の指標植物としてナンブイヌナズナ、ユキバヒゴタイなどの貴重な植生を見ることができる。アポイ岳周辺では、植物の特徴として種類が約800種あってヒダカソウやエゾコウゾリナなどのアポイ岳固有の植物が含まれていること、低い標高にもかかわらず高山植物が数多くあること、北方系と南方系の植物が錯綜していること、ダケカンバの林がハイマツ群落より高い所でも形成されて垂直分布が異常であることが挙げられる。国道336号沿いの海食崖ではエゾイヌナズナ、ミヤマトウキ、エゾカンゾウ(ゼンテイカ)などの植物を見ることができ、海岸草原ではハマエンドウ、センダイハギなどの植物を見ることができる。幌満側の樹林では北海道稀産のゴレツミズゴケの団塊がある。1973年(昭和48年)にアポイ岳でヒメチャマダラセセリが日本国内未記録の蝶として発見され、国の天然記念物に指定されているほか、「幌満ゴヨウマツ自生地」も天然記念物に指定され、「アポイ岳高山植物群落」は国の特別天然記念物に指定されている。広尾から庶野にかけての国道336号(通称黄金道路)沿いの海岸岩質荒原では、エゾスカシユリ、エゾカワラナデシコなどの植物を見ることができ、百人浜では国有林のクロマツの人工林が一帯を占めている。襟裳岬の風衝地ではエゾミヤコザサが一帯を占めている。百人浜の西側丘陵地と襟裳岬の海岸段丘一帯では、ツリガネニンジン、エゾルリトラノオ(ルリトラノオ)などの高山植物を見ることができる。豊似湖周辺の岩礫地ではナキウサギが生息し南限地と言われているほか、襟裳岬はゼニガタアザラシの繁殖地であり、南限の生息地として貴重になっている。
出典:wikipedia
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