プロポフォール()は、全身麻酔や鎮静用剤に用いられる化合物である。アストラゼネカから商品名ディプリバンで発売され、後発医薬品も出ている。医薬品医療機器等法(旧薬事法)における劇薬、習慣性医薬品、処方箋医薬品である。投与日数制限は設けられていない。無色〜微黄色透明の液体で脂溶性であり、エタノール、ジエチルエーテル、ヘキサンなど有機溶媒にはよく溶けるが、水にはほとんど溶けない。GABA受容体作動作用とNMDA受容体抑制作用がある。麻酔効果は主にGABA受容体作動作用によると考えられる。GABA受容体作動薬にはこの他にバルビツール酸系やベンゾジアゼピンがある。プロポフォールの主な用途は医療分野における鎮静薬としての使用である。プロポフォールの持つ中枢神経抑制作用を利用し全身麻酔の導入、維持に用いられる。また、集中治療における人工呼吸時の鎮静にも頻用される。プロポフォール自体は上記のように水に溶けづらいので販売されているプロポフォール製剤は脂肪製剤を乳化剤としたエマルションの形を取っている。投与経路は点滴からの静脈内注入である。投与開始後速やかに作用が発現し、投与された患者は数十秒で意識を失う。また、投与を中止した場合、それまでの投与速度、投与時間にもよるが通常10分前後で患者の意識が回復し刺激に応じて開眼する。心臓および血管系に対して抑制効果を有するため過剰に投与した場合心拍数、血圧の低下を招く。呼吸抑制作用があり呼吸が不十分に、あるいは停止することがあり、十分な監視下で使用されなければならない。注入時の血管痛が報告されている。注入に伴い注入部位周辺に疼痛を覚えることがある。小児に対する使用法は確立していない。胎盤移行性があり、妊婦には使用してはいけない。母乳移行性があり、授乳婦へ投与する場合は授乳を中止する必要がある。プラスチック製品中の化学物質の溶出が指摘されている。三方活栓や点滴の器具にはプロポフォールに対応した物を使用する。脂肪製剤は栄養価が高く細菌が繁殖しやすいため、保存する際は冷蔵保存するなど製剤の汚染には十分注意しなければならない。プロポフォールを高用量で長時間使用し続けると、プロポフォール症候群又はプロポフォール注入症候群と呼ばれる病態が出現する事が有る。代謝性アシドーシスに始まり、横紋筋融解・高カリウム血症・ミオグロビン尿症、治療抵抗性徐脈、急性心不全を伴う心筋症、肝肥大・脂肪肝、高脂血症等が増発し、最悪の場合死に至る。ミトコンドリア障害により遊離脂肪酸の代謝不全が起こる事が原因であると考えられる。
出典:wikipedia
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