警察署(けいさつしょ、police station)とは、地域の警察の本部や事務所のこと。警察署とは、地域の警察の本部や事務所のことである。国ごとにそのありさまは異なっている。日本では警察法(昭和29年6月8日法律第162号)第53条を根拠に設置されている。同時に、庁舎そのものを示す語でもある。日本では、2016年4月1日現在、1,166の警察署が設置されている。近年では、一部の都市部においては人口増加により署が新設され、地方では市町村合併に伴う管轄の変更や署名の変更、さらには統合により署を廃止し「幹部交番」への降格が行われる署もある。なお、設置数は警視庁(東京都)が最大(102署)で、最小は鳥取県警察(9署)である。警察署には警察署長(日本の場合、警視正または警視の階級にある警察官が就く)が置かれる。警察符牒ではPS(ぴーえす。"Police Station"の略)と略称されることがある。都道府県の区域を分かち、その各地域を管轄する警察署を置くと定められている。警察署の名称、位置及び管轄区域は、警察法施行令第5条で定める基準に従い、都道府県の条例で定められる。警察署には警察署長が置かれ、警察署長は警視総監等都道府県警察の長、方面本部長、市警察部長等の指揮・監督を受け、その管轄区域内における警察の事務を処理し、所属の警察職員を指揮監督する。警察署の下部機構として、交番・派出所・駐在所を置くことができる。(警察法第53条)警察署の庁舎は、都道府県との調整、予算折衝に基づき警視庁や警察本部が設置する。庁舎の建設発注も警察本部が行う。また、庁舎の建て増しや建て直しなども計画的に行われている。老朽化も一因であるが、阪神・淡路大震災に鑑み、警察署や消防署など防災拠点が倒壊した事例により、耐震性を高める附帯工事が必要になったからである。耐震性を高めるにも予算的に新築の方が安く上がれば、新築する例も多い。一般的に警察署には留置場や道場、講堂(道場を兼ねている場合もある)、取調室、パトロールカー駐車場、拳銃保管庫、死体安置所(霊安室)、最近は一部射撃場などが設置される。特に、留置場がないと検察送致までの間の勾留が出来ない(漫画などのフィクションに留置施設を持つ交番が出て来ることがあるが、アメリカの保安官事務所と違い、そのような交番は現在の日本には存在しない)。また道場は一般に開放される場合があり、現役警察官が非番の日を利用して(少年犯罪予防と心身の健全な育成を図るべく)柔道・剣道・空手などの各種武道教室を地元(管轄地域)の子供達向けに開催する事もある。さらに家宅捜索で押収した証拠品・盗品が並べられる場所も警察署の道場で、報道陣に公開されることも多い。なお日本の警察署は、道路使用許可や運転免許関連の手続きなどで一般の人も出入りする事が多いが、しばしば護送中の被疑者や、警察官職務執行法などにより保護した者・同行させた者も表玄関から出入りさせることがあり、一般人の目に触れる場合がある。また、警察署自体は24時間署員が勤務しているが各種手続きは受付時間が限定されていることもあり(一般には他の官公署同様、午前8時半から午後5時まで)、また市街地にある署では来訪者のための駐車場も併設されていない場合もあるので、事前に訪問する署に電話などで確認すると良い。2000年代以降に建設された警視庁の庁舎などでは、独身寮を併設しているケースがある。一地域での警察の権限を行使する警察署の最高責任者なので、所属長としての一般的な監督権限のほか、法令により各種の権限が与えられる。警察署の規模によって「刑事生活安全課」、「刑事組織犯罪対策課」、「交通地域課」等2つ以上の課が統合されていることもある。逆に「地域第二課」、「刑事第二課」、「留置管理課」のように2つ以上の課に分割しているところもある。警察署の規模や都道府県警察によって組織形態が異なる部分もあるが、警察署には概ね下記のような職が置かれている。警察署の組織については、一般に都道府県条例や都道府県公安委員会規則等で規定されている。東京都の警視庁管轄下には102署(署数は日本最大)が存在する。これは署数第二位である北海道(69署)、第三位の大阪府(65署)と比較してもかなり多い。これは単に東京都の人口が多いだけではなく、日本の首都あるいは国際都市として、多数かつ複雑な犯罪が起きるためである。そのため、上記のように署数だけではなく、警察署の組織においても組織犯罪対策課がおかれるなど犯罪への対策が整備されている。近年の人口増加による犯罪取り締まりの必要性から2008年(平成20年)3月31日に東京湾岸警察署が、2009年(平成21年)4月20日に南大沢警察署が新設されている。各課の係(警視庁の主な警察署) 警務係 教養係 留置係 厚生係 会計係 遺失物係 交通総務係 交通執行係 交通捜査係 交通事故鑑識係 警備係 災害対策係 公安係 外事係 地域総務係 地域第一係 地域第二係 地域第三係 地域第四係 刑事総務係 強行犯捜査係 知能犯捜査係 盗犯捜査係 鑑識係 生活安全総務係 生活安全経済係 保安係 少年係 組織犯罪対策係 暴力団対策係 薬物銃器対策係アメリカ合衆国においては連邦、州、郡、市町村、公営企業及び民間の企業・団体などさまざまな組織が独自に警察または保安官を設置しており、そのために警察署のあり方も多様である。小さい警察機関ともなれば要員は数人であり、本部に相当するものが唯一の所轄署となる。一方で全米最大のニューヨーク市警察(NYPD)は警察官だけで3万6000人を擁しており、邦訳では「分署」と呼ばれるprecinct(所轄署)を市内に100以上配置している。どの程度の警察署を配置するかは各機関の編成、管轄面積、管轄内人口、警察官数、予算規模などによって変わる。一般的に州警察と訳される州の警察機関の任務は、州下に設置されている自治体及び各企業・団体の警察又は保安官に対する捜査支援、州内における広域捜査、州知事及び州政府機関の警備、公安活動、州道及び州間自動車道における交通取締りや沿線も含む治安維持である。カリフォルニア州はカリフォルニア・ハイウェイパトロールが上記の機能を概ね単独で担っているが、ノースカロライナ州のように専門毎に分かれる場合もある。州によっては司法省に捜査局(State Bureau of Investigation)を置き、複数の郡市町村に跨る・地方自治体単独では対応困難な・重犯罪の捜査を行っている。このうち、警察署に相当する部署を設置しているのは交通警察部門である。州警察交通部門は州内を幾つかの方面にわけ、各方面に一箇所以上の警察署を配置し、管轄毎に道路での取締りや沿線での治安維持を行っている。郡保安官又は郡警察(以下、郡機関)の任務は、郡内において州が定めた法執行権を行使し郡内の治安を守ること、郡下自治体の捜査活動を支援することなどである。そのために郡機関は警察、矯正、廷吏などの権限を持つことがあるが、ここでは警察部門に限って記述する。郡機関の管轄は、郡下の市町村及び企業・団体が独自の警察を有しているかどうかで変わる。市町村や企業団体が独自の警察を有し、また所定の管轄となる地区を持っている場合、そこは少なくとも平時においては郡機関の活動範囲からは外れる。合同捜査や大事件発生時に共同で任務に当たることはある。例えばロサンゼルス郡保安官の管轄はロサンゼルス郡全域だが、通常の警察活動を行う範囲は、独自の警察を持つロサンゼルス市、ビバリーヒルズ市、ロングビーチ市などを除いた範囲である。またロサンゼルス国際空港などロサンゼルス市空港公団の管理物件においては同公団のロサンゼルス空港警察が所管しており、こういった場所もまた通常は保安官の活動範囲ではない。一方でロサンゼルス郡都市圏交通局が運営する鉄道は保安官の管轄であるため、先述の市内であっても鉄道敷地内における警察権を第一義に有しているのは保安官である。郡機関はこういった各郡における事情や管轄を踏まえ、必要であれば郡内に本部(保安官事務所)以外の警察署を配置する。全米全体で見ると、郡機関の組織は規模の大小の差が大きい。先述のロサンゼルス郡保安官の地域警察部門は4方面・21署が設置されており、これは保安官の組織としては全米最大で、全ての警察機関でも3位または4位の規模を誇る。ロサンゼルス郡が含まれるロサンゼルス大都市圏は全米2位、世界でも有数の大都市圏であり、人員も保安官代理(警察官・刑務官などに相当)がおよそ1万人と大規模であるため。一方で保安官が2〜3人程度の保安官代理を雇用し運営している場合も多い。こういった小規模の郡機関が複数の警察署を持つことはなく、本部である保安官事務所で全ての機能を賄っている。市警察は市が設置する警察であり、管轄は設置主体である市の全域となる。ただし市内の企業・団体が独自の警察と管轄地区を持っている場合、その地区は平時においては市警察の活動範囲からは外れる。市警察もまた規模の大小の差が大きい組織である。人口10万〜15万人程度の市と、1000万人近い市では予算やそれに伴う組織大小の差、必要な警察官数が変わるため。よって警察本部が唯一の警察署となる場合もあれば、先述のNYPDのように100以上の警察署を持つ機関もある。各市の事情を踏まえて、必要とされるだけの警察署を設置すると言う点は郡機関と同じ。企業・団体警察は、設置主体である企業や団体の管理物件に置ける治安維持、特定分野における捜査などを任務としている。組織である以上は本部は設置されるものの、警察署を持つかどうかはその企業や団体における警察の運営方針及び規模によって変わる。一例としてMTA警察を挙げる。MTA警察の任務は、MTAグループに属する鉄道および自動車道における治安維持や交通取締りである。MTAの路線は州をまたがって広がっているため、必然的に複数の警察署を設置する必要がある。かつてイギリスのイングランドでは、村単位で、「police house」が置かれていた。規模は様々で、小さな村になると制服のは1名だけ、というものもあった。そうしたpolice houseを複数統括する形で、制服のが置かれ、その組織・施設は「sergeant's station」と呼ばれた。大きな街には警察官が多数置かれた警察署が置かれ、その長としてやが置かれ、「sub-divisional station」「ivisional station」などと呼ばれた。スコットランド警察ではしばしば「police office」と呼ばれている。フランスではcommissariat de police コミッサリア・ドゥ・ポリスと呼ばれている。各警察署にはが置かれ、指揮・監督を行っている。
出典:wikipedia
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