「ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス」("They Don't Care About Us")は、マイケル・ジャクソンが1996年4月に発表したシングル。1995年のアルバム『ヒストリー パスト、プレズント・アンド・フューチャー ブック1』からのシングル・カットである。作詞・作曲はマイケル・ジャクソン自身による。本作は1991年発売の『デンジャラス』以来4年振りにスラッシュとタッグを組んだ作品であり、歌詞とミュージック・ビデオの両方で論争を起こした作品として知られる。人種差別・環境破壊・紛争、あるいは暴力・中傷・抑圧・犯罪など人間の負の面を直接的に批判し、怒りに近い感情に満ちた強いメッセージを持った作品である。歌詞は、一部(「jew me」および「kike me」)が、マイケルによる「僕を騙す」という本来の意味ではなく、「私をユダヤ人にする」という意味にも取られるとして、「人権的偏見を煽る歌詞がある」、「反ユダヤ曲である」と批判された。問題部分だとし抗議していた反ユダヤ活動監視団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、『“kike”はユダヤ人に対する侮蔑的言葉の俗語。“jew”はユダヤ人を指す言葉で、それ自体は侮蔑的な意味を持たないが、“kike”と並列して使うと否定的意味合いを帯びる結果を招いてしまう』との見解を示した。ジャクソンは直ちに、自分は反ユダヤ主義者ではないとした上で、この曲でリスナーに不快感を与えたことを謝罪した。シングル・バージョンでは、歌詞の問題となった当該個所にノイズを施す処置が行われた。ちなみに、妊娠中ということでこの年の11月にジャクソンと結婚し、翌1997年2月に彼の長男を産んだ元妻のデビー・ロウはユダヤ系である。ミュージック・ビデオは「プリズン・バージョン」と「ブラジル・バージョン」の2バージョンあり、どちらもスパイク・リーが監督することで話題になった。オリジナルであるプリズン・バージョン(監獄バージョン)には、「ロドニー・キング事件」および「ロス暴動」、「天安門事件」の他、戦争・核実験・暴動・集団暴行・虐待・クー・クラックス・クラン等の映像が多数使用されており、「暴力的である」としてMTVは放送を許可しなかった。MICHAEL JACKSON'S VISIONにて、初めてプリズン・バージョンが収録された。また、ブラジルバージョンはブラジルのスラム街で撮影されたマイケルは生前『ナンバー・ワンズ』(2003年)、『』(2004年)、『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン』(2005年)、『キング・オブ・ポップ』(2008年)とベスト盤を多く出していたが、日本盤ではいずれのベストアルバムにも収録されなかった。『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン』に関しては、インターナショナル盤に収録されたものの、米国盤および日本盤には未収録となった。『キング・オブ・ポップ』に関しては、日本盤では収録されなかったが(投票結果:対象50曲中22位) イギリスなど他の国では収録されたものも多い。2006年発売のボックス・セット『ヴィジョナリー』には収録されたが、これは日本盤の発売がなかった。その後『エッセンシャル・マイケル・ジャクソン3.0』のDISC3に収録された。マイケルは2009年7月からロンドンで「This Is It」と題する復活ツアーを予定していたが、6月25日の死去により実現できなかった。死の2日前の6月23日に、ロサンゼルス市内のステイプルズ・センターで行われた彼の「最後のリハーサル映像」(7月2日にAEGライブより一部公開分、約1分40秒)に収録されていたのは、この“They Don't Care About Us”であった。これにより、同年10月28日公開の映画サウンドトラック盤『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』への収録が実現した。
出典:wikipedia
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