ヘリコプリオン はアガシゾドゥス科に属する化石軟骨魚類の属の一つ。比較的長期間生息していた。ほぼ全ての化石は螺旋状に巻いた歯の塊のみで、これは"tooth whorls"と呼ばれる。石炭紀後期に出現し、P-T境界を生き延びて最終的に三畳紀前期に絶滅した。3-4mにまで成長したと推測される。電気丸のこを強く思わせる螺旋状に巻いた歯を持つことが特徴である。本属を含むエウゲネオドゥス類は、左右の顎の歯が正中線上で癒合している(Symphyseal teeth)ことが特徴で、本属もこの歯を下顎の中央に持っていた。新しく大きい歯は螺旋の先端に加わり、古く小さい歯は螺旋の内側に巻き込まれていくため、個体が誕生から死までの間に生み出した全ての歯がこの中に収められている。2013年の研究で、CTスキャンによって歯と頭骨の位置関係が特定され、この歯は顎の後方に位置し、顎骨弓全体を占めていたことが明らかとなった。また、全頭亜綱に特有の特徴(顎弓と神経頭蓋が2箇所で関節する、Autodiastylic)も示された。また、上顎に歯の存在は確認できなかった。このことから、獲物を捕食する際に押し潰すような食べ方は不可能で、下顎歯で切断して呑み込むような食べ方であったと考えられる。また、他の化石魚類にも似た形態の歯を持つものがおり、オニコドゥスは顎の先端にこれに似た数本の歯を持っている。石炭紀後期の海成層から出現を始め、ペルム紀にはその出現頻度は大幅に増加する。ウラル山脈・西オーストラリア州・中国(近縁属の ・ を伴う)・北アメリカ西部(カナダからメキシコまで)など広範囲から産出しており、本属はゴンドワナ大陸の南岸で分化し、その後パンゲア大陸へと広がっていったようである。日本でも勢多郡の足尾層群から "H. bessonowi" が産出しているほか、気仙沼からもおそらく未記載種と考えられる化石の報告がある。1世紀以上、螺旋状の歯が下顎のどこに位置するのかは不明だった。1899年の発見当初は、上顎の外側に位置するものと考えられ、下顎に配置する復元も提唱された。背鰭や尾鰭にある防御のための構造と解釈する説も現れている。1960年代に入って、エウゲネオドゥス類である の頭骨が発見され、螺旋状の歯は下顎に位置することが判明した。1994年、美術家のレイ・トロルらは、下顎の先端にこの歯を配置し、現代のミツクリザメを参考にして細長い吻を持つサメの画を描き出した。2008年のMary Parrishによる、スミソニアン博物館のRobert Purdy・Victor Springer・Matt Carranoらの監修の元の復元では、喉の奥の方に配置されたが、他の研究ではこの結論は受け入れられなかった。"Helicoprion" 属で最初に記載された種。1899年にアレクサンドル・カルピンスキによって、ウラル山脈のアルチンスキアン(ペルム紀前期)の石灰岩から産出した標本を元に記載された。アイダホ州のPhosphoria累層から得られた化石を元に、1907年に 属として記載された。1955年にはコンタクト (ネバダ州)南方にあるチャイナ山の、ウォルフキャンピアン期(ペルム紀)の石英質露頭から、暫定的に本種とされている化石が得られている。この化石は100mm幅で、1巻に61本の歯が収められている。全体が母岩の滑りのために歪んでおり、他の部分は風化によって失われている。湖北省のQixia累層(ペルム紀前期)から発見されたほぼ完全な4巻の歯に基づく。"H. ferrieri" ・"H. bessonowi" とよく似ているが、前者とは歯の刃部分の幅が広いことと歯根が短いこと、後者とは一巻の歯数が39より少ない点で異なる。1939年にHarry, E Wheelerによって記載された種の一つ。1929年にElbert A Stuartがネバダ州で発見した部分的な化石に基づいている。
出典:wikipedia
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