武田の五名臣（たけだのごめいしん）は、甲陽の五名臣ともいい、甲斐の戦国大名・武田信虎、晴信父子に仕えた以下の5名の足軽大将である。武田の5名臣に挙げられた武将は、勇猛果敢・武略・用兵に特に優れていたとされる。全員甲斐出身者ではなく、他国から招聘されたり、浪人から仕官したりした者達であることも特徴的である。基本的な任務は、武田家の直轄の兵の指揮である。また当時出現し始めていた常設の兵・足軽の指揮も行った。甲陽軍鑑中で信虎・信玄期初期に侍大将とされる部将の多くは国人領主で独立性が高いのに比べ、足軽大将（足軽隊将）とされる者の多くは武田家の直臣的性格が強い。この5名の中で、山本勘助のみが晴信に登用された武将である。また勘助以外の4名が前線指揮官・武将として抜きん出ている能力を評価されているのに比べ、勘助は用兵・築城技術者としての特異能力を評価されて登用されている。尚、勘助が武田信玄の軍師であったという話はあくまでも俗説である。信虎時代の今川氏や北条氏との戦いや、晴信（信玄）時代の信濃侵攻に参加し、めざましい働きを示した5名であったが、砥石崩れにおいては横田高松が戦死し、川中島の戦いにおいては山本勘助が戦死した。他の3名も永禄年間には一線を引いており、やがて相次いで病死していった。

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