小田原線(おだわらせん)は、東京都新宿区の新宿駅から神奈川県小田原市の小田原駅を結ぶ小田急電鉄の鉄道路線である。駅ナンバリングで使われる路線記号はOH。単に「小田急線」と言う場合、通常は小田原線を指すことが多い。小田原線は、ターミナルである新宿駅と神奈川県西部地方の小田原駅を結ぶ路線で、同駅からは箱根登山線に直通し、有料特急「ロマンスカー」も頻繁に運転されている。また、江ノ島線や多摩線に直通する列車も多く、東京地下鉄(東京メトロ)千代田線・東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐緩行線とも相互直通運転する一方で、一部の特急が東海旅客鉄道(JR東海)の御殿場線と直通運転を行っている。通勤・通学路線と観光路線という2つの顔を持つ路線で、新宿寄りは東京への通勤圏にあたり、一部区間で複々線化も進められている。路線は武蔵野台地から出て多摩川を渡り、多摩丘陵を津久井道に沿った谷で貫き、境川を越えて相模野台地に入る。台地を下ると相模平野に入り、相模川を越えてもしばらく平野と台地が続く。丹沢山地の麓が近づくと勾配と曲線がきつくなり、登り切ると秦野盆地に入る。トンネルを通過して酒匂川支流の四十八瀬川沿いの渓谷を走り、急カーブが多く速度は低下する。新松田駅からは酒匂川の本流沿いの足柄平野を走り、再び速度を上げて一路小田原駅を目指す。線形は台地や平地では直線区間が多く、丘陵地帯では曲線が多くなるが、全線に渡って半径は緩めにとってある場合が多い。急行は直線部では100km/hで走行し、曲線部では80 - 90km/h程度で通過する。本厚木駅から新松田駅まで国道246号(大山街道・矢倉沢往還)が並行する。小田急百貨店新宿店の1階、地上4面3線・地下3面2線の新宿駅を発車すると、すぐに地上線と地下線が合流して渋谷区に入る。合流地点には東京都道414号四谷角筈線の踏切がある。この踏切までの区間の上空には人工地盤が構築され、その上部は新宿サザンテラスとなっている。踏切を通過すると間もなく南新宿駅へ到着する。この付近は副都心の新宿から1km程度しか離れていないにも関わらず大変閑静な住宅街であり、そのせいか同駅はターミナル駅の隣とは思えないほど利用客が少ない。戦前には同駅 - 参宮橋間に山谷駅があったが、駅間が短すぎたために廃止され、現在では跡形もなくなっている。明治神宮への参道がある参宮橋駅を発車すると、しばらく直線区間を走り、代々木八幡駅へ。この駅は急カーブ(同線で最も急な半径200メートル)上にあり、制限速度45km/hで徐行しながら、西へと向きを変える。直後に東京都道317号環状六号線(山手通り)の跨線橋を潜り、さらに東京地下鉄千代田線が上下線の間から地上に出てきて合流、そのまま27‰の急勾配で高架へ上り、2面4線の代々木上原駅に到着する。代々木上原駅を発車すると、東京メトロ千代田線の引き上げ線を横目に高架から35‰の急勾配で地下に潜り、世田谷区に入って、東北沢駅へ到着。かつては代々木上原 - 東北沢の1駅間が複々線であったが、複々線・立体交差化工事に伴い暫定的に複線に戻っており、2015年時点では列車は将来の急行線となる線路を走行する。複々線は代々木上原 - 梅ヶ丘間では外側2線が急行線、内側2線が緩行線となる計画であり、2017年度の完成が予定されている。なおも35%の急勾配を下り、京王井の頭線と交差する地下3階1面2線の下北沢駅へ到着する。複々線完成時には、現在の地下3階ホームが急行線、直上の地下2階に新設されるホームが緩行線となる。下北沢駅を発車すると、しばらくの間地下を走行し、そのまま世田谷代田駅へ到着、終戦直後、この駅から京王井の頭線新代田駅まで代田連絡線が分岐して車両の搬出・入に使われていたが、周辺の宅地化が急速に進んだ現在では同線の廃線跡はほぼ消滅し、最後まで残っている世田谷代田駅裏の廃線跡も複々線化によって消滅する予定である。その後、東京都道318号環状七号線(環七通り)の下を通過し、35‰の急勾配で地上へ出ると、高架・複々線区間となって梅ヶ丘駅へ。梅ヶ丘 - 登戸間の複々線は、内側2線が急行線、外側2線が緩行線である。通常、優等列車はこの複々線区間に入ると時速90km/h前後での運転を開始する。同駅の近くに羽根木公園があり、梅のシーズンには大変賑わっている。その後、東急世田谷線と交差して豪徳寺駅に到着する。上り急行線に通過線を持つ2面5線の経堂駅には、小田原線開業時には車庫があった。次の千歳船橋駅、その先で東京都道311号環状八号線(環八通り)・東京都道428号高円寺砧浄水場線(荒玉水道道路)と交差して祖師ヶ谷大蔵駅に至る。環八通り乗越え部分の下り急行線・下り緩行線部分は1971年に先行し完成していた高架橋を耐震補強のうえ流用しており、また上下線とも4線全体を跨ぐ往時のトラス架線柱に揃えてある。その後仙川を渡ると高架から一気に地下(掘割)に潜り、2面4線の成城学園前駅に到着する。この駅の真上には、2006年9月29日に駅ビル成城コルティが完成した。成城学園前駅を発車すると再び地上へ戻り、喜多見検車区への引き込み線を右へ分岐しながら高架を上り、野川を渡るとすぐに喜多見駅に到着。ここで東京23区を抜け狛江市に入り、狛江駅へ。和泉多摩川駅を発車すると間もなく多摩川を渡る。多摩川橋梁を渡り終える直前に下り緩行線が下り急行線に合流し、ここから先は3線となる。橋を渡り終えると神奈川県(川崎市多摩区)に入り、JR南武線と交差し2面3線(暫定配線。上りのみ2線化され、将来的に下りも2線となる予定)の登戸駅に到着する。登戸駅を発車すると右へカーブしながら高架を下り、2面4線の向ヶ丘遊園駅に到着する。登戸 - 向ヶ丘遊園間の駅間距離は小田急全線で最短の0.6km。向ヶ丘遊園駅は2002年まで存在した向ヶ丘遊園の最寄り駅で、2000年までは駅前から向ヶ丘遊園まで向ヶ丘遊園モノレールが運行されていた。ここで3線区間も終わり、以西は終点の小田原駅まで複線区間となる。向ヶ丘遊園駅を発車すると東京都道・神奈川県道9号川崎府中線(府中街道)と交差し、さらに二ヶ領用水・五反田川を渡り右へカーブし再び西へと向きを変える。ここから町田までは多摩丘陵の谷を縫うように走り、それまで密集した市街地が続いていた車窓はぐっと緑が増えた印象となって、しばらくの間畑と住宅が混在した区間を走る。その後神奈川県道13号横浜生田線と交差する。この神奈川県道13号の陸橋は東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線(津久井道)と交差しているが、交差する津久井道の側道は本線を挟む構造ではなく、本線に挟まれる構造になっている。その後は津久井道・五反田川と並行し左には明治大学生田キャンパスが見えてくる。住宅が込んでくると間もなく生田駅へ、その先で地下を走る武蔵野線(貨物線)と交差し、読売ランド前駅に到着。この先百合ヶ丘駅手前まで津久井道と歩道一つを挟んで完全に並行する。その後左へ急カーブ南西を向き、川崎市麻生区に入って切通しに入り百合ヶ丘駅へ、その先でS字カーブを描きながら勾配を下り、引き上げ線2線を上下本線で抱き込みながら、3面6線の新百合ヶ丘駅に到着する。新百合ヶ丘駅を発車すると多摩線を分岐して勾配を下り、右手に小田急電鉄の保線施設を見ながら左へカーブし南に向きを変え、畑も少し残る住宅地を抜け、柿生駅へ到着。その先で再び東京都(町田市)に入るとしばらくの間町田市と川崎市麻生区(飛地)の市境を直線で抜け、2面3線の鶴川駅へ到着。ここで津久井道を分け、その先少し走ると左手から住宅は消え森林となり、完全に町田市に入る。さらに和光大学が見えると東京都内では唯一(地下区間をのぞく)の境塚トンネル (231.4m) を通る。トンネルを出ると玉川学園に挟まれながら左へカーブを切り、玉川学園前駅に到着。そこからしばらくの間住宅地を走り、しばらくすると一旦市街地が途切れて恩田川を渡り、築堤上を走りながらカーブを切り東京都道47号八王子町田線(町田街道)と交差し、市街地へ入っていく。切り通しを抜けると小田急百貨店町田店の中3階、小田急線第2の規模を持つ2面4線の町田駅に滑り込む。町田駅を発車するとJR横浜線と交差し、カーブを切りながら境川を渡る。ここで再び神奈川県(相模原市)に入り、切り通しを抜ける。切り通しを抜けるときれいな装飾が施されたコンクリート壁を見ながら通過線を含む2面6線の相模大野駅に到着する。なお、この区間は複々線化用地が一部確保されている。相模大野駅を発車すると江ノ島線を分岐し、しばらくの間左手に大野総合車両所を見る。その後は住宅地を直線で抜け、小田急相模原駅へ。その先で座間市に入り、勾配を下っていく。その後今度は勾配を上っていき、2面4線の相武台前駅へ到着。かつて大野総合車両所に移転するまで工場があり、駅構内東側に広がる留置線はその名残である。その先しばらくは直線で抜ける。座間谷戸山公園が見えて森林が増えてくると左へカーブし南を向き、右に神奈川県道42号藤沢座間厚木線のバイパスが見えてくる。左手から森林が消えて市街地が見えてくると間もなく座間駅へ。その先は住宅街を直線で抜け、海老名市に入る。国道246号(大和厚木バイパス)と交差すると南西に向きを変え、相鉄厚木線(貨物線)と交差し、相鉄本線とも並行し海老名検車区が併設された2面4線の海老名駅に到着する。海老名駅を発車し、神奈川県道40号横浜厚木線の陸橋の下をくぐると高架の上り坂になり、しばらく直線を進むと右にカーブしてJR相模線と交差し厚木駅へ。その先で相模川を渡り厚木市に入る。橋を渡り終えると高架で市街地へ入って行、左へカーブしながら2面4線の本厚木駅に到着する。本厚木駅を発車するとそのまま市街地を通る。高架を降り右手の国道246号線と並走する区間になると水田が混在するが、それもすぐ終わり住宅地になって勾配を登りきったところが愛甲石田駅。駅構内に厚木市と伊勢原市の市境がある。愛甲石田駅を発車すると並行していた国道246号が別れる。しばらくは住宅地を走るが、高架区間に入ると水田地帯に入り、右手には大山が、左手には平塚市街や湘南平まで見渡せるほど視野が開ける。現在、新東名高速道路と県道バイパス整備に関連した造成工事が行われているので将来この景色が変わる可能性がある。伊勢原台地へ向かう登り勾配になると住宅地に入り、登りきったところが2面4線の伊勢原駅となる。下り待避線は本厚木駅の折り返し容量不足のため、同駅発着電車が伊勢原駅まで回送して折り返しするためによく使っている。伊勢原駅を発車するとしばらくは住宅地のままだが、右手に見える工業団地を抜けると水田が一面に広がり、線路の周囲には人家がほとんどなくなる。善波川橋梁を通過すると秦野市に入り、突然住宅地になると鶴巻温泉駅に着く。鶴巻温泉駅を発車すると畑が混在する住宅地を通りながら東海大学前駅へ到着する。両駅間は1.1kmと私鉄の駅間距離としては標準的だが、伊勢原駅 - 鶴巻温泉駅、東海大学前駅 - 秦野駅の駅間距離が約4-5kmあるので特に短く感じる。東海大学前駅を発車すると右手に弘法山を見ながら走る。しばらく住宅地のままだが、2kmほど進んだところにある秦野トンネル (351m) を抜けると秦野盆地へ入る。急勾配と急カーブで盆地の中心部へと進んでいく。畑と雑木林の風景のすき間から右手には丹沢と秦野市街地が見え、盆地内で市街地が完結する姿は東京から60-70kmの距離にしてさながら地方都市を連想させる。2面4線の秦野駅を発車すると右から水無川が別れ、畑が混在する住宅地をきつめの登り勾配で小田原線の駅で最も標高の高い渋沢駅まで駆け上がる。ここから愛甲石田駅付近から山を挟んで北側を走っていた国道246号と再び並行することになる。渋沢駅を発車すると小田急線最長の第一菖蒲トンネル (492.9m) を抜け、うねりながら流れる四十八瀬川(酒匂川の水系)の谷に沿って線路もルーティングされているため、25‰の急勾配と半径400mの急カーブの連続で降りて盆地を抜け出す。さらに短い第二菖蒲トンネル (60.3m) を抜け谷間を進む。このあたりも周囲には人家がないが、秦野市と松田町の市町境付近には孤島のような形で湯ノ沢団地がある。東名高速道路・国道255号を相次いで潜ると並行していた国道246号から別れ、左手の神奈川県立足柄上病院を過ぎたところに特急「あさぎり号」と新車の搬入などで使われるJR御殿場線へ向かう連絡線が右手に現われる。御殿場線をくぐると2面4線の新松田駅に到着する。渋沢 - 新松田間の駅間距離は小田急全線で最長の6.2kmである。新松田 - 小田原間は水田が広がる足柄平野を通るため利用客が比較的少なく、新松田と小田原の両駅をのぞく途中5駅はホーム有効長が最大6両分と短く設定されており、10両編成の急行は停車できない。開成駅手前から蛍田駅の先までは足柄平野の水田地帯を抜けるが、線形も良く高速運転向きで、優等列車は最高速度で走ることも多い。線路脇の防護柵もない場所が多く、小田急の広報用や雑誌などの写真もこの近辺で撮影されることが多い。新松田駅を発車すると酒匂川を渡り、橋を渡り切ると大きく左にカーブして開成町へ入る。開成駅は2面4線化も可能な2面2線の駅で、駅の東側(進行左手)には電留線と小田急電鉄と小田急不動産が開発した庭園の杜という新興住宅地がある。開成駅から400m程南下すると小田原市に入る。駅周辺には商店や住宅がコンパクトにまとまっているが、駅を離れるとすぐに水田地帯となる。このあたりはかつて酒匂川が洪水を頻繁に起こしていたためもとから人口が少ない。足柄平野一帯では小田原線沿線よりも御殿場線や伊豆箱根鉄道大雄山線沿線の方に人口が集まっている。螢田駅を過ぎると小田原市中心部へ進路をとるため右にカーブを曲がり狩川を渡る。伊豆箱根鉄道大雄山線をオーバークロスし、切通しを抜けて2面3線の足柄駅となる。付近にJT小田原工場があり、かつては足柄駅から専用線が延び、小田原駅経由で貨物輸送が行われていた名残りで、右手ヤードの奥には電留線がある。上りのみ設置された待避線は小田原駅の発着容量不足を補うものとして朝夕を中心に各駅停車が急行や特急の通過待ちを行っている(ダイヤ改正によりその本数はわずかであったり十数本設定されていたりと差が出る)。東海道新幹線をくぐり、JR東海道本線に右カーブで合流すると2面3線の小田原駅に到着する。ここから先は箱根登山線が延び、特急ロマンスカー「はこね」や4両編成の各駅停車などが箱根登山線に直通する。日中の各区間の1時間あたりの運行本数は下表のとおりである。かつては箱根登山鉄道線箱根湯本駅まで直通運転をする列車も多くみられたが、現在直通運転を行う列車は特急とごく一部の各駅停車のみに留まっている。基本種別色が設定されているが、車両や駅により、異なる色を使っている場合もある。2016年3月26日にダイヤ改正が実施された。有料・全席指定の特急で、「ロマンスカー」の愛称があり、新宿駅から次の各方面に運転されている。単に「特急」と表現されることもあるが「特急ロマンスカー」が正式な種別名である。なお、新宿駅を18時以降に発車する下り列車は行先に関わらず(多摩線・江ノ島線直通を含めて)すべて「ホームウェイ」となる。また、毎年12月31日の深夜から翌年1月1日の早朝にかけて初詣客向けの臨時列車として終夜運転を兼ねて「ニューイヤーエクスプレス」(略称:NYE、旧名称:初詣号)が新宿 - 片瀬江ノ島間などで運行される。2008年3月15日より、東京地下鉄千代田線北千住駅・大手町駅に直通する列車を60000形「MSE」で運転している。列車の愛称は頭に「メトロ」が付く。また、2011年9月までは一部の土曜・休日に臨時で東京地下鉄有楽町線新木場駅にも直通する「ベイリゾート」も運転されていた。「小田急ロマンスカー#地下鉄直通」も参照。停車駅は列車によって異なるので、それぞれの列車の項目を参照。2004年12月11日のダイヤ改正で定期列車として初めて登場した速達列車である。種別色はオレンジ色。全列車が全区間を10両編成で運転する。現行ダイヤにおいて、日中時間帯は1時間あたり新宿駅 - 江ノ島線藤沢駅間で3本と、新宿駅 - 小田原駅間で2本、新宿駅 - 新松田駅間で1本が運転されている。また江ノ島線片瀬江ノ島駅発着が平日に下り2本・上り1本、土曜・休日に上下1本ずつ設定されている。これらの区間以外では平日深夜に新宿発相模大野行が2本設定されている。小田急電鉄によると、快速急行は、速達列車利用旅客を長距離と近距離に分離することによる長距離旅客の速達性向上と近郊区間における急行の混雑緩和を目的に設定したとしている。快速急行が登場した背景としては、複々線区間の延長により高速運転が可能になったことと、JR東日本の湘南新宿ラインの充実による新宿駅 - 藤沢駅間の速達サービスに対抗する意図があると考えられる。梅ヶ丘駅 - 向ヶ丘遊園駅間の複々線区間を活用してこの区間を含む下北沢駅 - 新百合ヶ丘駅間をノンストップで運行することが最大の特徴となっている。小田原駅及び新松田駅発着列車は、新百合ヶ丘駅で多摩線発着の千代田線直通急行と接続する。藤沢行の下りは代々木上原駅で唐木田行きの急行と接続、相模大野駅で小田原方面の急行と接続し、藤沢発の上りは相模大野駅で小田原方面からの急行の接続を受ける。これらの接続によって、快速急行の停車しない急行停車駅などへの利便性が確保されている。快速急行の登場当時からしばらくの間、日中に乗り換えなしで新宿駅から藤沢駅へ行ける列車は湘南新宿ライン、快速急行ともに1時間あたり2本運行されており、それぞれ所要時間(昼間)はJRが48 - 50分(現金運賃で970円)、小田急の快速急行が53 - 54分(現金運賃で590円)と伯仲していた。2016年3月26日のダイヤ改正で、小田急側は快速急行の本数が1時間あたり3本に増加し、利便性は向上した一方で、所要時間はJRが49 - 51分、小田急の快速急行が56 - 58分と、少々延びている。後述の急行と同様、本厚木駅 - 新松田駅間では各駅に停車し、各駅停車の役割を果たしている。登場時から江ノ島線系統も併せて原則下り1本(夜の小田原行)を除き特急ロマンスカーの待ち合わせや待避をしなかったが、2016年3月26日のダイヤ改正以降、小田原線内で下りは伊勢原駅(日中3本に2本程度)、上りは海老名駅(一部相模大野駅・秦野駅)で特急ロマンスカーの待ち合わせや待避を行なうようになった。列車番号は、3000番台が割り当てられる(江ノ島線に直通する列車は3500番台)。1927年10月15日の小田原線全線複線化により登場した。1944年11月には太平洋戦争の戦況悪化に伴い運行が中止されたが、1949年10月1日に運行が再開され、現在に至っている。種別色は赤色。日中は主に、新宿駅 - 新松田駅・小田原駅間の系統と、千代田線・JR常磐緩行線に直通する常磐緩行線我孫子駅 - 千代田線綾瀬駅 - 代々木上原駅 - 多摩線唐木田駅間の系統がある。前者は、快速急行とともに本厚木駅から先の新松田・小田原方面に向かう種別として設定されている。なお土休日については代わりに新宿駅 - 相模大野駅着(上りは町田発)が設定されていたが、2016年3月26日ダイヤ改正で多摩線唐木田発着の列車が毎時3本となったため消滅した。千代田線・常磐緩行線直通系統は千代田線・常磐線内では種別が「各駅停車」に変更される。新宿駅発着列車と千代田線・常磐緩行線直通列車はすべて10両編成で運転される。2012年3月17日改正よりすべての急行が分割・併合を行わなくなったことから、10両固定編成も急行運用に就くようになった。町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間で運転される急行は一部列車を除き6両編成で運転される。また小田原線内にはかつて8両編成の急行が存在していた(小田急線全体では多摩線に存在する)。平日ダイヤでは朝方と夕方ラッシュ以降は経堂駅を通過し、平日日中時間帯と土休日ダイヤではすべての急行が同駅に停車する(一部通過扱い)。千代田線直通系統は平日朝の綾瀬・我孫子方面行きを除き全列車が同駅に停車するほか、急行が通過する時間帯は平日朝の上りを除いて多摩急行として運行する。日中は上下線とも成城学園前駅・新百合ヶ丘駅(下りのみ)・町田駅(上りのみ)・海老名駅(下りのみ)・本厚木駅(始発の上り)で各駅停車に接続する。また区間準急が運転されていた時は、経堂駅で緩急接続を行う列車は上りは登戸駅で、下りは向ヶ丘遊園駅で接続していた。ラッシュ時は相武台前駅と鶴川駅(上りのみ)で各駅停車を追い抜く列車が多い。特急ロマンスカーの待避は相模大野駅で行われることが多いが、向ヶ丘遊園駅・町田駅・海老名駅(主に上り)・本厚木駅・秦野駅などで行われることもある。2015年3月14日現在、町田駅・相模大野駅 - 小田原駅間で運転される6両編成の急行は、そのまま種別を変更せず本厚木駅 - 小田原駅間の各駅に停車する。この場合、駅のアナウンスでも「急行」と放送される。駅に掲示されている時刻表や新松田駅・小田原駅の発車標では当該列車に「赤い丸」が付けられているため、2008年3月改正以降は、ほぼ日中の町田・相模大野 - 小田原間を運転する急行に限定され、2012年3月17日改正を境に、すべて町田以西での運転となった。これにより小田原線を通しで運行する急行に関しては、すべてが新松田駅 - 小田原駅間無停車となっている。これは開成駅 - 足柄駅間の各駅でホーム有効長が6両分しかなく、新宿発着の急行は10両編成で運行されるようになったためである。早朝・夕方・夜間に相模大野駅から(まで)の種別を各駅停車に変更する列車がある。これは途中で種別が変更されることから下り列車の行先は相武台前・本厚木・伊勢原・秦野が存在する。新宿から相模大野までは「急行相模大野行」、相模大野から全車両「各停○○行」と種別と行先を変更する。また上りでは早朝の海老名発と秦野発、夕方・夜間の本厚木発と伊勢原発(いずれも相模大野駅から急行新宿行)が存在する。かつては江ノ島線にも設定されていたが現在は全廃されている。1978年3月30日までは朝方上りに新百合ヶ丘駅まで各駅停車、新百合ヶ丘駅 - 新宿駅間は急行となる列車があった(翌日のダイヤ改正に伴い、後述の通称「スキップ準急」に置き換わった)。平日の朝方に多摩線唐木田駅から千代田線綾瀬駅・JR常磐緩行線の松戸駅・我孫子駅まで運転するものもある。この急行は朝方に運転しているので、経堂駅を通過する。2016年3月26日以降、後述のとおり日中時にも設定され、新たに取手行も設定された。平日の夕方には下り急行の送り込みとして、代々木上原発新宿行が2本設定されている。そのほかにも新宿発秦野行が平日に2本・土休日に1本、成城学園前発江ノ島線藤沢行、成城学園前発小田原行がそれぞれ平日に1本、新宿駅 - 江ノ島線大和駅間が全日に1往復、深夜時間帯に新宿発の本厚木行急行が平日に2本・土休日に1本、全日の早朝・深夜には本厚木駅 - 小田原駅間の急行が設定されている。2016年3月26日以降は土休日に新宿発伊勢原行、新百合ヶ丘発新宿行、向ヶ丘遊園発新宿行がそれぞれ1本設定される。運行トラブルなどでダイヤが大きく乱れた場合、新宿駅 - 経堂駅間のみ急行運転を行う場合や、柿生駅 - 玉川学園駅前間および小田急相模原駅 - 厚木駅間の各駅に臨時停車することがある。2016年3月26日のダイヤ改正で、日中の運行形態が大きく変わった。また同改正ではこれとは別に、土休日早朝に上り1本のみ多摩線から新宿駅に直通する急行が初めて設定される(唐木田駅6:07発)。以上のことにより、日中の運行本数は代々木上原駅 - 新百合ヶ丘駅間では1時間あたり6本、概ね10分間隔の運転(向ヶ丘遊園駅では急行系種別が1時間当たり2本増)、新宿駅 - 代々木上原駅間と新百合ヶ丘駅 - 相模大野駅間では1時間あたり3本、概ね20分間隔(改正前より1時間あたり1本減)となった。列車番号は、1000番台(※経堂停車となるものは小田原線完結が1200-、江ノ島線直通が1700-、多摩線直通が1800- )と2000番台(開成駅 - 足柄駅間各停=本厚木以遠各停となる急行)が割り当てられる。かつて、ラッシュ時を中心に相模大野駅・海老名駅・新松田駅・小田原駅で分割・併合を行い、分割・併合駅 - 小田原駅・箱根湯本駅間を6両編成で運転していた。また、前述の各駅で分割・併合を行い、新宿に近い方の4両(7-10号車)が分割・併合駅 - 小田原寄りの始発・終着駅間を各駅停車に変更して運転するものもあった。その列車は7-10号車部分の停車駅も前述の本厚木駅 - 小田原駅間各駅停車の急行と同様であった。したがって向ヶ丘遊園駅をのぞく新宿駅 - 新松田駅間の急行停車駅および小田原駅に「分割案内板A」が設置されている。2002年3月23日のダイヤ改正以降新松田駅で行うようになり、新松田駅での分割・併合列車が増えた。かつては小田原方より4両+6両という組み合わせ(通称「逆10両」)などがあり、「分割案内板B」などが設置されていたが、現在はそのような分割・併合を行っていない(そのため6両編成の小田原方先頭車の電気連結器は撤去された)。一部の駅では、分割案内板をホーム番号表示と兼用していた事例もあるが、現存しない。なお、18m車(2400形を含む)および旧4000形(吊り掛け駆動車)が運用されていた当時は新宿駅の分割案内板はA(新宿寄りが18m車4連)、B(20m車4連:現在の「A」に相当)、C(20m車5連:旧4000形)、D(18m車6連)、E(20m車6連:後の「B」に相当)の5種類が用意されており、18m車の廃車および旧4000形の高性能化が完了後もしばらくはそのまま残っていた。相模大野駅で分割・併合を行っていた時期には、小田原線・江ノ島線とも急行運転する列車(1-6号車:急行箱根湯本行、7-10号車:急行片瀬江ノ島行)や急行箱根湯本行と表示しているものの、1-6号車が急行箱根湯本行、7-10号車が江ノ島線内各駅停車(前記「化け急行」)の片瀬江ノ島(あるいは藤沢)行が多く設定されていたほか夕ラッシュ時の急行片瀬江ノ島行の輸送力を確保するために1-6号車が急行片瀬江ノ島行、7-10号車が江ノ島線内各駅停車の片瀬江ノ島(あるいは藤沢)行という設定もあった。さらにかつて同駅以遠の輸送量がそれほど多くなかった時代には、日中に新宿から10両で急行相模大野行きとして運転してきた列車をそのまま分割のうえ1-6号車は各駅停車本厚木行き、7-10号車は各駅停車片瀬江ノ島行き(いわゆる「化け急行」)として引き続き運転することが多かった。2008年3月15日のダイヤ改正で箱根登山線風祭駅の新駅舎と小田原駅箱根登山鉄道用折り返し線の使用が開始されたのに伴い小田原駅 - 箱根湯本駅間で4両編成の列車が折り返し運転を行うことから、箱根湯本行として運転していた列車はすべて小田原行となった。そのため、基本的に新宿駅 - 小田原駅間は10両編成となり、分割・併合を行う列車は大幅に減少した。本厚木駅 - 小田原駅間で各駅に停車する急行は6両編成で運行される町田駅・相模大野駅発着の列車が大半となった。このダイヤ改正から箱根登山鉄道線への定期列車としての急行の直通運転は行われていない。これらの列車も2012年3月のダイヤ改正で、ロマンスカー以外のすべて分割併合が廃止されたため、急行の箱根登山線直通は完全に廃止となった。朝および夕方以降に多摩線唐木田駅から小田原線を経由してJR常磐緩行線我孫子駅(一部は取手駅まで)運転している。種別色は桃色。急行とは小田原線内の停車駅が異なり、向ヶ丘遊園駅を通過し、経堂駅に停車する。上り列車は経堂駅で特急ロマンスカーの通過待ちを行うことがある。ダイヤ乱れ時は運休あるいは新宿駅発着となる場合もある。東京メトロの車両がほとんどだが、小田急の地下鉄直通対応車である4000形とJR東日本E233系2000番台も使用される。2016年3月26日のダイヤ改正で、日中は急行(経堂駅・向ヶ丘遊園駅共に停車)に置き換わり、実質朝夕ラッシュ時の千鳥運転のための種別となった(ラッシュ時の急行・朝ラッシュ時の上り準急は向ヶ丘遊園駅停車、経堂駅通過)。列車番号は3700以降が割り当てられる。1946年10月1日に登場。前年6月まで運転されていた「直通」(後述)の運転パターンに近い列車として設定された。種別色は緑色。なお緑地の種別カラーは1978年3月31日の営団地下鉄千代田線代々木公園駅 - 代々木上原駅間延伸開通に伴う相互直通運転開始を機に採用されたもので、それ以前は黄色であったほか、千代田線直通は「準急 綾瀬-本厚木」という方向幕も用意していた。登戸駅を境に、新宿方面は急行停車駅に、小田原方面は各駅に停車する。平日朝ラッシュ時の上り列車は経堂駅を通過する。なお、経堂駅を通過するのは1960年代に存在していた「通勤準急」運用の名残りとされるが、複々線化事業前の同駅のホームの有効長が8両編成までとなっており、その関係で千代田線直通を中心に10両で編成された準急が停車できないこともあったための措置であり、現在も混雑対策のため通過となる。千代田線直通準急の設定もあり、現在は朝ラッシュ時に平日上り6本(このうち1本が海老名発それ以外は本厚木発、行先は全て綾瀬行)と土曜・休日上り3本(本厚木発、行先は我孫子行、柏行、綾瀬行各1本)が設定されている。この他上りでは平日夜間に本厚木発我孫子行が3本設定されている。一方、下りでは平日朝方3本(我孫子発1本、綾瀬発2本)、平日代々木上原18時以降に下り毎時1本および22時台のみ2本の合計6本(取手発2本、我孫子発4本)設定がある。土休日下りは朝方および夜間に各1本ずつ(いずれも我孫子発)設定がある。なお平日、土休日共に千代田線からの準急は全て本厚木行きである。また、新宿発の本厚木行き準急は現在設定されていない。以前は新宿駅発着・千代田線直通ともに日中も運転していたが、2001年に経堂駅の下りホームが10両編成対応になると新宿駅発着の準急が千代田線直通となり、2000年12月2日のダイヤ改正から千代田線内 - 相模大野駅間の運転が大半となった。そして、2002年3月23日のダイヤ改正から多摩急行の登場により、ほとんどの準急 相模大野行が多摩急行 唐木田行に変更となり、日中の列車が消滅した。また、2015年3月14日のダイヤ改正で、夕方ラッシュ時の下り準急についても急行に振り替えられる形で一旦消滅したが、2016年3月26日からは上記のように千代田線直通の準急が再度設定された。ただし、新宿からの準急を利用する場合は代々木上原で乗り換えが必要になる。10両編成の運転が基本だが、相模大野駅で分割して前6両が本厚木行に、後ろ4両が相模大野止まりになるものも、かつて平日朝に1本だけ存在していた。また代々木上原駅から千代田線に乗り入れるものがあり、この列車には小田急車の場合は4000形が使用される。ただ、経堂駅の高架化以前は、同駅のホーム長の関係で10両編成である千代田線直通と朝ラッシュ時および深夜の新宿発着はすべて同駅を通過していたが、2000年に上りホームが、2001年に下りホームがそれぞれ高架となり、10両編成対応になったため、2000年より上りの準急が、2001年よりすべての準急がそれぞれ朝ラッシュ時の上りをのぞき同駅に停車するようになった。1978年3月31日から1990年3月27日までは、朝ラッシュ時に経堂駅に加えて百合ヶ丘駅・読売ランド前駅・生田駅を通過する準急(通称・スキップ準急)もあった。これは当時あった前述の新百合ヶ丘駅以西が各駅停車となる急行を千代田線直通としたための措置で、小田原線内は停車駅が同一であった。この運転形態は、小田原線内においては現在の多摩急行に近いものである。ただし、多摩急行はこの3駅に加えて向ヶ丘遊園駅も通過する一方、経堂駅には停車する。2012年3月17日のダイヤ改正で経堂駅まで各停、経堂駅から準急新宿行となる列車が、平日は本厚木発19時48分、土休日は新松田発22時11分の各1本設定された。これらの列車は10両編成で運転されており、2015年3月13日までは、平日は町田発で運転していた。2016年3月26日ダイヤ改正では一部変更となり、朝方にも平日は本厚木発9時12分、土休日は向ヶ丘遊園発10時16分の各1本が追加設定された一方、夜間については平日のみ運転区間が短縮され向ヶ丘遊園発20時41分になった(改正前の本厚木駅 - 向ヶ丘遊園駅間は時刻変更のうえ準急我孫子行きに振り替えられた)。千代田線直通以外は、小田原線内のみで運転していた(2008年3月15日のダイヤ改正から箱根登山鉄道線への定期列車としての準急の直通運転は行われていない)が、2014年3月15日のダイヤ改正で、平日朝に1本のみ多摩線に直通する列車が設定された(新宿発 唐木田行)。なお、1970年代以前は江ノ島線直通が原則だった。現在のダイヤでは、前記のほかにも本厚木発 新宿行が多く設定されている。また、平日のみ新松田発 新宿行が2本、新宿発 町田行、成城学園前発 新松田行、秦野発 新宿行、伊勢原発 新宿行がそれぞれ1本設定されていて、2016年3月26日以降は土休日上りの夕方に新たに本厚木発 新宿行が設定された。列車番号は4000番台が割り振られる(経堂停車は4200以降)。開業と同時に登場した。当初は新宿駅 - 稲田登戸駅(現・向ヶ丘遊園駅)間のみ運行され、小田原駅までの運行は行われなかったが、1945年6月に実施されたダイヤ改正以後は全線にわたって運行されている。路線図では「各駅停車」と表記されているが、基本的には「各停」と表記されている。種別色は青色で、1994年頃に通過表示灯の点灯を中止するまでは各停のみ種別を表示していなかった。急行・快速急行が本厚木駅 - 新松田駅間の各駅に停車しておりこの区間の各駅停車としての役割を担っているため、新宿駅 - 本厚木駅間および新松田駅 - 小田原駅間での運行が多く、新宿駅 - 小田原駅間全線を通して運行される列車は平日上り夜1本のみに減らされた。また相模大野駅以北で種別が急行に変更する列車や、経堂駅以北で準急に種別が変わるものがある。このほか新宿駅からは経堂駅、成城学園前駅、登戸駅(発のみ)、向ヶ丘遊園駅、新百合ヶ丘駅(着のみ)、町田駅、相模大野駅、相武台前駅、海老名駅、本厚木駅、伊勢原駅、秦野駅、新松田駅、小田原駅発着のいずれかの列車が設定されている。また多摩線、江ノ島線直通列車も設定されている。新宿駅発着では8両編成が多いが、新宿駅 - 小田原駅間全線直通および江ノ島線内の藤沢駅・片瀬江ノ島駅発着を含む運用では6両編成で運転される。また、一部は1000形(かつては8000形も使用)4両編成を2本つないだ8両編成もある。ホームの長さの関係で、10両編成の列車は経堂駅 - 新松田駅間で運転されており(相模大野駅以北は急行となるものも多い)、南新宿駅 - 梅ヶ丘駅間および多摩線直通列車は8両編成以下、開成駅 - 足柄駅間の各駅に停車する列車と江ノ島線直通列車は6両編成以下となっている。また、通常ダイヤでの4両編成の各駅停車は本厚木駅 - 箱根登山鉄道直通の箱根湯本駅発着(一部小田原駅発着)で運転されている。かつては平日のみ箱根湯本発本厚木行の各駅停車の1本(6両編成)が新松田駅で4両を増結して10両編成となるものも存在した。また、新宿駅 - 新松田駅間を急行として併結運転する新松田駅 - 小田原駅間と箱根登山鉄道線の各駅停車は4両編成である。現状では(一部をのぞき)最大8両編成であるが将来的に10両編成で運転する計画があり、現在ホームの延長工事などが行われている。梅ヶ丘駅 - 和泉多摩川駅間は複々線区間であり、急行などに抜かれることがある(経堂駅・成城学園前駅で乗り継ぐこともある)。鶴川駅(上りのみ)や相武台前駅などで急行などの通過待ちをすることがある。向ヶ丘遊園駅・新百合ヶ丘駅・町田駅・相模大野駅・海老名駅・本厚木駅・新松田駅の各駅で急行などの待ち合わせをすることがある(一部通過待ちとなる駅もある)。また朝や夕方に代々木上原駅と新百合ヶ丘駅で多摩急行の待ち合わせをすることがある(多摩急行と同時発車の場合が多い)。2008年3月15日のダイヤ改正より急行の新松田駅での分割・併合作業が基本的にはなくなるために新松田駅 - 小田原駅・箱根湯本駅間は4両編成での折り返し運転が実施された。なお日中の新松田駅 - 小田原駅間の途中駅各駅に停車する列車は、新松田駅発着の各駅停車(4両編成)と町田駅・相模大野駅発着で本厚木駅 - 小田原駅間各駅停車の急行(6両編成)との交互運転になっている。新松田駅 - 小田原駅・箱根湯本駅間の区間運転列車については1000形の箱根登山鉄道塗装の車両が優先的に充当されていた。2012年3月17日のダイヤ改正より、箱根登山線への直通列車は早朝・夜間のごく一部をのぞき、小田原駅で系統分割。そのため、新松田駅 - 小田原駅間の区間列車は6両編成での運転となる。2016年3月26日ダイヤ改正に伴い、日中の都心側は新宿駅 - 新百合ヶ丘駅間において10分間隔の運転(同時に梅ヶ丘駅 - 百合ヶ丘駅間では、区間準急の全廃も伴って実質減便)となり、加えて急行との接続駅が成城学園前駅に統一される(このほか下りは新百合ヶ丘駅と海老名駅、上りは町田駅で急行または快速急行と接続)。また、新宿駅 - 本厚木駅(一部は準急が運転される時間帯があるため、向ヶ丘遊園駅)間の運転が基本となり、多摩線との直通は朝夕のみ(土休日は朝夕併せて1.5往復のみ)、江ノ島線への直通運転は平日の新宿発と成城学園前発のそれぞれ1本に減らされた。このほか、快速急行の増発に伴い本厚木以遠各駅に停車する急行がごく少数の運転本数となったため、それを補完する新松田駅 - 小田原駅間の区間運転が増加した。列車番号は、小田原線と多摩線を直通する列車に7900番台、江ノ島線直通列車は5501以降、新松田 - 小田原 - 箱根湯本駅間の区間列車は7000番台(※登山線内のみは7300以降)、それ以外の小田原線内完結列車(本厚木駅 - 箱根湯本駅間を通しで運転する列車も含む)は6000番台が割り振られる。開業時に登場した種別である。開業当初は新宿 - 稲田登戸(現・向ヶ丘遊園)間のみの運行であった「各駅停車」に対し、直通は全線で運転した。新宿 - 稲田登戸間は経堂駅のみに停車し、稲田登戸 - 小田原間は各駅に停車した。多客時に特急を補完する形で運行されていた。1953年から1959年までは「サービス急行」、同年から1963年までは「準特急」を名乗っていた。1963年に3100形「NSE」の登場により廃止された。停車駅は当時の特急と同様に新宿 - 小田原間は無停車だった。特急との違いは接客設備の格差によるものであり、特急が全席指定(これは現在も同じ)だったのに対し、準特急はセミクロスシート車でなお、「準特急」の名称は廃止後、京王電鉄が2001年3月27日の京王線ダイヤ改定で採用するまで、日本では使用されなかった。1960年3月25日から1964年11月4日まで運用された種別であった。停車駅は現在の経堂駅通過の準急と同じであった。当時は準急が喜多見 - 和泉多摩川間の各駅にも停車していた。同年11月5日のダイヤ改正で快速準急が新設され、準急は朝ラッシュ時のみの運転となり、通勤準急そのものが準急となった。1964年から1972年まで昼間時に急行と準急の間の「快速準急」という列車が運転されていた。同年に急行に統合され消滅した。当初は新宿 - 相模大野間であったが、後に小田原まで延長された。休日には行楽地へのアクセスのために読売ランド前(よみうりランド最寄り)と鶴川(こどもの国最寄り)の両駅にも停車していた。通勤急行が廃止され、成城学園前駅に急行が停車するようになると、停車駅が急行とほぼ変わらなくなるため、1972年3月のダイヤ改正で廃止され、急行に統合された。2004年12月11日ダイヤ改正で快速急行とともに新設され、2016年3月25日まで運用された種別。種別色は水色。代々木上原駅 - 梅ヶ丘駅間の複々線化に伴う東北沢駅の地下化工事の過程における待避設備の撤去によりすでに下り緩行線が完成している複々線区間の東端である梅ヶ丘駅まで速達列車の待避ができなくなったことから、新宿駅 - 梅ヶ丘駅間で優等列車より先行して一列車あたりの線路占有時間拡大を抑え、梅ヶ丘駅以遠の各停本数を維持する目的で設定された。元々は、東北沢駅で急行・多摩急行の待避を行っていた各停の時刻で、日中の列車における新宿駅 - 代々木上原駅間の時刻は、かつて毎時2本運転されていた新宿発着の準急(2000年12月ダイヤ改正で千代田線直通となり、2002年3月ダイヤ改正で多摩急行に格上げ)から転用している。このため、代々木上原駅で新宿駅には直通しない多摩急行と連絡することで、多摩線方面から新宿方面への需要を確保するとともに快速急行の新設に伴い新宿駅 - 新百合ヶ丘駅間で減便となった急行の需要をカバーする役割も担っていた。主に新宿駅 - 唐木田駅間での運行だったが、一部は成城学園前・向ヶ丘遊園・本厚木・伊勢原・新松田発着の列車も存在した。なお、元々が各停の時刻であり停車駅も急行より各停に近い性格だったこともあってほとんどの列車が各停用の8両編成での運転であり、新宿駅では各停が使用する地下ホームからの発着であった。しかし、設定理由だった線路占有時間拡大の問題が、新たに導入された保安システム「D-ATS-P」の運用開始で解消されたことに加え、2016年3月26日ダイヤ改正で、日中の快速急行・急行は新宿 - 新百合ヶ丘駅間(快速急行は新宿 - 相模大野駅間)が1時間あたり6本の運転となったことから、同区間の各停も本数を合わせて接続駅を統一・乗り継ぎの利便性を向上し、直通需要をカバーする姿勢に転じたため、同改正にて全廃となった。1955年のダイヤ改正で登場した種別であった。当初の停車駅は小田原線内では当時の急行の停車駅に稲田多摩川駅(現・登戸駅)が追加されたもので、江ノ島線内では現在の急行停車駅からまだ東急田園都市線が開通していなかった中央林間駅と当時はまだ開業していなかった湘南台駅をのぞいた設定となっていた。その後、1960年のダイヤ改正で朝の上りのみ成城学園前駅に停車するようになり、1964年をもって完全に停車駅化される。1970年に登戸駅に急行が停車し、翌1971年に成城学園前駅にも急行が停車するようになると、上記の快速準急と同じように急行に統合される形で廃止となった。1970年代に運用された種別であった。土曜急行の名の通り、土曜の半ドン帰宅の足として設定されていた。昼過ぎから夕方の間に何本か通常の急行を増発する形として、さらには相武台前に停車するという停車パターンで運用されていた。2002年3月23日から2004年12月10日まで運用された種別で、新宿 - 江ノ島線藤沢間で運転し、小田原線内では急行と同じ停車駅となっていた。2004年12月11日のダイヤ改正で快速急行に格上げされた。特急ロマンスカー「あさぎり」の前身の種別である。詳細は「あさぎり」を参照。その他、多摩線向けに「快速」の種別が準備されていたが結局使用は中止され、方向幕には湘南急行・多摩急行の登場前まで存在していた。江ノ島線直通の臨時列車は「小田急江ノ島線#臨時列車」も参照。下記の臨時列車は、原則として1000形によって運転されている。2015年度の小田原線の最混雑区間は世田谷代田 → 下北沢間で、最混雑時間帯1時間の平均混雑率は191%である。これは東京地下鉄東西線(木場 → 門前仲町間、200%)に次ぎ、首都圏の大手私鉄では2番目に高い数字となっている。なお、この数値はあくまでも平均値であるため列車や車両によって増減するが、急行や準急に限らず、各駅停車も1日平均乗降人員が5万人を超える経堂(朝ラッシュ時の急行・準急は経堂通過)や千歳船橋など世田谷区内の各駅から多くの乗客が乗り込むため激しく混雑する。小田急電鉄では、混雑緩和を目指して後述の複々線化事業、および急行・準急通過駅における10両編成対応化工事を進めている。朝ラッシュ時は新百合ヶ丘 - 代々木上原間で上り方向1時間当たり27本(平均2分10秒間隔)が運転されている。このうち10両編成で運転される急行・準急が計18本、8両編成で運転される各駅停車が9本である。なお、代々木上原 - 新宿間は東京地下鉄千代田線直通電車の分が抜けるため、運転間隔は若干ではあるが開く。梅ヶ丘以東が複線の現状では、これ以上の増発は困難である。既に複々線化が完成している向ヶ丘遊園 - 梅ヶ丘間(向ヶ丘遊園 - 登戸間は上り線のみ2線)は比較的スムーズに走行できるが、それ以外の複線区間では先行する各駅停車に後続の急行・準急が追い付いてしまうため、ノロノロ運転となる。特に梅ヶ丘以東、下北沢と代々木上原では乗降が多いため停車時間が長くなり、後続列車がホームに進入できず駅手前で待機を強いられるほか、駅間での一時停止も連続する。これらによる列車遅延も頻発し、遅延証明書が発行されることも多い。また、ホーム有効長など設備の関係上、これ以上の長編成化はできない。梅ヶ丘以東で各駅停車のみが停車する6駅(梅ヶ丘・世田谷代田・東北沢・代々木八幡・参宮橋・南新宿の各駅)は、現状ではホーム有効長が8両編成分しかないため、各駅停車の長編成化もできない(これら6駅については複々線化と並行してホーム延長工事が行われる予定)。以前から混雑は激しく、和泉多摩川 - 喜多見間の連続立体交差化・複々線化事業の工事に着手した1989年度の混雑率は208%に達していた。その後工事の進捗により2003年度には188%に緩和され、以降は混雑率の横ばいが続いている。近年の輸送実績を下表に記す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。代々木上原 - 向ヶ丘遊園間(12.3km)では小田急電鉄が複々線化、東京都が連続立体交差化の各事業を実施しており、ラッシュ時間帯の所要時間短縮と混雑緩和を目指している。現在、梅ヶ丘 - 和泉多摩川間が完成しているが、登戸 - 向ヶ丘遊園間は沿線の都市計画事業との兼ね合いにより暫定的に上り2線・下り1線で整備される。また向ヶ丘遊園駅から新百合ヶ丘駅まで5.7kmの事業化も検討されている。詳細は小田急電鉄・複々線化工事のページおよびシモチカ ナビを参照のこと。梅ヶ丘 - 喜多見間については、周辺住民などによって騒音、振動、日照などによって著しい健康被害を及ぼすおそれがあるとして、建設大臣(当時)による連続立体交差とそれに付属する街路事業の事業認可の取り消しを求める訴訟が1994年に提起された。これに対して第一審の東京地方裁判所(藤山雅行裁判長)は事業認可の前提となる1993年の都市計画決定を違法とし、事業認可を取り消す判決を出した(2001年10月3日判決)。控訴審の東京高等裁判所は、従来の最高裁判所の判例(1999年11月25日第一小法廷判決・民集195号387頁)を根拠に原告すべての原告適格を否定して、一審判決を一部破棄、訴え却下(原告全面敗訴)の判決を出した(2003年12月18日)。原告側は上告。最高裁判所大法廷は従来の判例を変更、原告の一部については原告適格を認める中間判決を出した。この中間判決は、住民などによる行政機関の活動のチェックなどをより重視する近時の行政事件訴訟法改正(同法9条2項の新設)に拠るもので、一般新聞各紙が紙面で大きく取り上げるなど注目を集めた。そのため、却下とはならず本案判決に進んだが、最高裁第一小法廷判決(2006年11月2日)により原告の敗訴が確定した。また、上記とは別の住民グループが騒音抑制と損害賠償を求めた訴訟を起こしており、2004年8月2日に東京地方裁判所で小田急電鉄が原告に和解金4200万円を支払うとともに防音壁等を設置することによって騒音を65デシベル以下に抑制することで和解が成立している。以下の時間帯・区間にて女性専用車が設定されている。東海地震の警戒宣言が発令された場合、小田原線は相武台前駅以西で運転を見合わせることになっている。
出典:wikipedia
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