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大麻の医学的研究

大麻の医学的な研究では、大麻使用による薬理効果、または健康への影響についてを記述する。1990年代以降、イギリスやカナダ、アメリカなどでは大麻についての科学的な調査・研究、医療利用がなされており、規制を受けることなく動物実験、臨床試験が行われている。大麻に含まれる向精神作用のある主な物質は、テトラヒドロカンナビノール (THC) である。商用栽培の大麻の花穂に含まれるTHCは、クローンや液肥の調整、シンセミア(受粉させずに雌株の花穂を成長させる栽培法)によって、野生の大麻よりも強化されている。THCは、ヒトの体内に取り込まれた後、化学的な変化を経てカンビノイドになり、これが脳に直接作用する。1990年、カンナビノイド受容体「CB1」が発見され(91年にはCB2を発見)、他の神経伝達物質と同様に、ヒトの体内で自然に生産され、恒常性に関与しているという理解が深まる。カンナビノイドは苦痛の伝達系等に作用し、特にオピオイドに対してドーパミンアゴニストの役割を果たす。このことが、リスクの比較的高いモルヒネを代替する鎮痛薬としての医療研究に道を開いたといえる。使用後すぐに現れる主な生理学的影響として、心拍数の上昇、口の渇き、目の充血、眼圧の低下、集中力の低下、食欲の増進が上げられる。また、脳波はアルファ波が通常より若干低い周波数で、長く持続することが知られている。同時に、味覚や嗅覚、聴覚の偶発的な拡張など多くの主観的効果をもたらし、使用量が増すと、時間や空間の感覚がねじ曲がったり、映像・音楽の迷走、一部の多シナプス反射の失調、没個性などが発生する。カンナビノイド受容体が多く存在するのは、順に、運動、感情、学習、動機付けなどを司る大脳基底核、運動調整をする小脳、短期記憶とストレスを調整する海馬、脳の高次機能を司る大脳新皮質であり、これらにカンナビノイドが作用することによって、行動に変化が現れる。動物実験、臨床試験ともに、短期記憶の混乱が観察されている。これは、海馬がカンナビノイドの影響により、「一時的に海馬が損傷された状態」になるためで、その結果、海馬神経単位の活動と入力機能が低下し、最終的に記憶形成に関わる課程が阻害される。この作用は、THCが代謝されるに従って失われ、最終的に海馬の機能は通常に戻る。大麻の喫煙による酩酊状態は、1時間から4時間である。THC含有量の違うマリファナ煙草(0%-3.6%)を実験施設で健康な成人男性10名に喫煙してもらい、その作用時間を詳細に調べると、主観的効果は約3.5時間で消え、心拍数、瞳孔の拡散は一日以内に元に戻った。少なくとも、一本のマリファナ煙草の残留効果は小さいといえる。離脱症状を含む精神依存性については、マウス実験によって立証されている。アルコール、コカイン、ヘロインとは度合いが大きく異なるが、長期継続使用後に突如使用を中止する際、離脱時に不眠症、不安、食欲減退、イライラ、筋運動の増加などが観察される。超長期の使用は、薬物動態学的(吸収、代謝、分布、排泄)にも、薬力学的(薬物と受容体の相互作用、生体反応の強さ)にも変化を与え、使用量の増加と、薬物代謝の強化をもたらす。2006年4月発行の "Journal of Consulting and Clinical Psychology" によると、認知行動療法と動機付け報酬強化の二つの方法の組み合わせより、精神依存を相殺することができるとしている。調査は、大麻依存と診断された参加者に対して、大麻をやめる代わりに商品券を受け取れるグループ(A)、認知療法を受けるグループ(B)、両方を受けるグループ(C)にわけ、14週間にわたって行われた。3ヶ月後、Aグループ40%、Bグループ30%に対して、Cグループの43%が大麻の使用を止めた。さらに12ヶ月の追跡調査の結果、Aグループ17%、Bグループ23%に対して、Cグループの37%が使用中止を継続していた。国境なき医師団の創設者として知られるフランスの医者で政治家のベルナール・クシュネルは、ピエール・ベルナール・ロック博士の監修の下、1998年に政府報告をまとめ、依存性と神経毒性によって薬物の分類を行った。最も依存性が高く、かつ致命的なクラスとして、ヘロイン、コカイン、アルコール。中間クラスとして、ベンゾジアゼピン、幻覚剤、たばこ、大麻を最も危険性の低いクラスとした。報告で、「大麻は、第3章に定義された、神経解剖学的、脳化学的、そして行動学的見地から、神経毒性を持たない。そして以前から指摘されている長期大麻使用者の脳の形態変化は、近代的なMRIによる検査で確認することはできない。さらに、大量のTHCを投与したマウスにおいても、海馬の不可逆的形態損傷は発見されなかった」とし、クシュネル自身による総括では、「科学的見地に立つと、アルコールやコカインとは対照的に、大麻の神経毒性は立証できない」と締めくくった。2006年の研究では、THCはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を抑制し、かつAChE PASと結合させ、脳の老化に関係すると言われているβアミロイドペプチドを減少させることが発見されている。この効果は、AChE PASとアルツハイマー型認知症の因果関係が証明されて以降、アルツハイマー治療の一定の目標となっていた。大麻は毒性が低く急性中毒で致命的となることはほとんどない。大麻の吸引は、燃焼時のタールによって慢性的な気管支炎、癌などの原因となる。精神的な害としては統合失調症、うつ病、パラノイアなどの精神障害があるとされ、これらを総称して大麻精神病と呼ぶが、大麻精神病という疾患単位は確立していない。また、WHOは「大麻精神病」という疾患は明確に定義されていないのが実情であり、さらに推定される症状も統合失調症など他のすでにある精神疾患と判別がつかないため、大麻精神病を確認するには研究による証拠の提出が必要となるとしている。WHOは、「標準化された診断基準を用いる臨床的及び疫学的研究は、薬物使用に対するコントロールの損傷又は喪失、業務遂行能力の妨げとなり、大麻使用を原因とする、認知と自発性のハンディキャップ、そして、特に深刻な長期常用者における自尊心の低下や抑うつ状態など、その他の関連問題を特徴とする大麻依存症候群に十分な証拠を示した」と述べる。 全米科学アカデミー医学研究所は、煙による害を別にすれば、大麻使用による副作用は他の医薬品で許容されている副作用の範囲内にあるとしている。またイギリスの研究団体ベックリー財団も「大麻は精神および身体を含む健康問題で良くない場合があるが、相対的な害では、それはアルコールやタバコより極めて害が少ない。」としている。大麻による障害は、世界保健による国際疾病分類第10版である『]』の「」で診断される。メルクマニュアルによれば、吸引した場合のΔ-THCのLD50(テストしたラットの内、50%に対して致死量)は、体重比にして42 mg/kgである。経口で摂取する場合、雄ラットのLD50は1270 mg/kgであり、雌ラットは730 mg/kgである。経口で致死的な過剰摂取状態に陥るには、カンナビノイド受容体を飽和させる量の40,000倍の量の大麻が必要である。大麻の過剰摂取によって、死亡したり、恒久的な損傷を被ったとする報告は現在までにない。大麻中毒の救急外来での最初のスクリーニング検査は、THCを尿検体で測定するものである。一過性のリラックス・多幸感・五感変化など、知覚変容がもたらされる。大麻摂取による身体的な作用として、頻脈、血圧の変化、眼球内の余分な圧力の緩和、気管支拡張、嘔吐反応の抑制、目の充血、眠気、喉の渇きと食欲の増加などがある。精神的な作用としては陶酔や聴覚、触感、味覚の変化がある。大麻による酩酊状態でも支離滅裂な言動はなく、意思決定能力に影響はでない。また交通事故の危険性については、イギリス交通研究所が運転シミュレーターを使った反応時間の実験では携帯メールの作成で35%、アルコール(法的容認内)を飲んだ状態で21%、大麻喫煙で12%低下するという結果であった。大麻の過剰摂取や恐怖感や罪悪感、不安感、ストレスなどにより、バッドトリップと呼ばれる嫌悪反応が起こることがあり、一過性の抑うつ・離人感・被害妄想などのパニック状態がある。バッドトリップは、主に適量や扱いが分からない未経験者が陥りやすく、対処法としてはリラックスできる環境に移り、安静にすることが良いとされている。またオランダのコーヒーショップでは砂糖水を飲ませ落ち着かせるのが一般的である。イギリスやカナダ、アメリカなどの調査や研究では大麻が暴力や攻撃性、非行などの主因となるという事は否定されている。また、臨床研究でも大麻による陶酔が敵対心を増加させる兆候は見出されていない。 各研究報告では、薬物の依存性を以下のように報告し、大麻の依存性は低いとしている。依存性薬物の特性(1963年)使用人口に対する依存症になった人の割合(1999年)薬物依存症の重症度評価尺度(2004年)アメリカ国立薬物乱用研究所(NIDA)の評価(1994年)1999年のカナダで行われた研究では、大麻の依存症は他の薬物に比べて高くはなくタバコ、アルコール、ヘロインより弱いとされている。また、国境なき医師団の創設者として知られるフランスの医者で政治家のベルナール・クシュネルは、ピエール・ベルナール・ロック博士の監修の下、1998年に政府報告をまとめ、中毒性と神経毒性によってドラッグのクラス分けを行った。結果、最も中毒性が高く、かつ致命的なクラスとして、ヘロイン、コカイン、アルコール。中間クラスとして、ベンゾジアゼピン、ハルシノゲン(当時における幻覚剤の総称)、タバコ、大麻を最も危険性の低いクラスとした。疫学的には、1994年のECA Studyで米国北部で調査された2万人のうち4.4%が大麻を常用し、その約5分の3が大麻依存状態であるとしている。1994年に改定された精神医学の診断指針である 『精神障害の診断と統計マニュアル』第四版により、薬物依存症の概念は変革を迎えた。第四版における薬物依存の診断には、身体依存を必要とせず、既存の依存の考え方を改定する物であり、それ以前までは、薬物依存の定義は確立していなかった。これにもとづく新たな依存(精神依存)の考え方のもとで大麻の依存は研究されることとなり、大麻が依存を起こすことの実験的証明は、主に2000年代に入って行われるようになった。大麻の離脱症状は、アルコールやオピオイドほど激しくはないが、長期常用した場合の離脱期には体重減少・睡眠障害・異常な夢などが起こる。大麻の離脱症状が見られる頻度、大麻中止後の中期・長期にわたる離脱症状についてはよくわかっていない。また、大麻使用者に離脱症状がどのような頻度で現れるかについての研究は存在しない。精神面での離脱症状には、イライラや易刺激性、易怒性が見られる。また、攻撃性の亢進も観察されることがあり、さらに抑うつ、疲労、頻繁なあくびなどが見られたとの報告もある。離人症性障害とフラッシュバックは少数の症例のみ報告されているだけで、大麻が関連しているかどうかの医学的根拠はない。 2001年に行われた大麻を過去6ヶ月間、最低1ヶ月に25日・1日平均3.3回使用している重度常用者12人に大麻摂取を断たせた研究では、劇的な身体症状は診られず、アルコールや阿片の禁断症状よりも軽いとしておきながらも、総合的に食欲が落ち、睡眠障害、そわそわ・いらいら、攻撃性亢進といったニコチンの禁断症状と同様の気分障害が見られ、大麻摂取でそれらは消失し、禁断症状発症率は、95%信頼区間で78%以上であった。これらのことや他の複数の研究から、大麻常用者は実験的に高率に禁断症状を発症しうると考えられている。また、2008年1月に大麻(最低1ヶ月25日以上常用)とタバコ(最低1日10本以上常用)を常用している12人を対象にし、5日間かけて行った研究では、大麻とタバコの併用者で大麻使用を断った場合は睡眠障害が多く、タバコの中断では不安や攻撃性亢などの気分障害が多く見られた。大麻の禁断症状は外見で分かるような症状は極めて稀であり、長期常用者に限られている。また、アルコールやヘロインなどの身体的に顕著な禁断症状を伴う薬物に比べて「穏やかで期間も短く、一旦止めたユーザーが再び始めようとする誘惑もあまり起こらない」としている。これは、ヘロインやアルコールなどの禁断症状の起こりやすいドラッグでは数時間から数日で代謝物が体外に排出されるのに対して、大麻の代謝物の場合は排出されるのに数週間かかることも関係していると言われている。また、大麻による禁断症状が稀であるために治療方法が確立していないが、近年の研究でリチウムを使った治療方法が有力視されている。慢性的な影響の中で最も顕著なのは、精神面に対するものであるとされている。2004年に行われた日本の全国調査では、日本で大麻を主な乱用薬物として精神医学的治療を受けている患者17人(15人に他の薬物の使用歴があった)は、6割(10人)が精神病(F-12.5, F12.7など)、3割(5人)が依存症 (F-12.2) と診断され、1割(3人)が入院治療を受けている。常用者はもちろん、週1回以下の時たまの吸引でも、離人感・パラノイド・現実感喪失などの、バッドトリップ(嫌悪反応)と呼ばれる急性症状を起こすことがある。また、統合失調症などの精神病の危険因子であるとされている。 2003年秋までの253本の論文をまとめたスウェーデン政府の報告書では、大麻は違法薬物の中では精神疾患との関連が強く、様々な精神疾患を発症するリスクは、ヘロインよりもはるかに高いとしている。日本では、主として大麻で全国の精神科有床医療施設で治療を受けている者の17人(15人は他の違法薬物を併用)のうち10人は、精神病との診断を受けている。行われた7つの疫学研究を総合することで、大麻常用者は精神病発症リスクが2.9倍と見積もられている。また、若年者の大麻摂取は精神病発症のリスクを増大させると指摘されている。現在知られる害の中では、依存症をはじめとする精神疾患の発病・悪化が最大と思われ、大麻乱用の多い英国の精神科集中治療室の患者の多くは、アルコールなどの精神病の起因となりうる他のドラッグも併用しているが、因果関係は不明ではあるものの、多くは大麻使用者である。大麻を時折しか使用しない人の大多数は、永続的な身体的・精神的障害を受けることはないとの報告もある。しかし、2005年のニュージーランドの研究では、1265人を対象に25年間のアンケート(精神病の診断は行わなかった。)による追跡調査を行った。これを統計的に分析した結果、精神病的症状を発症するリスクは1.6~1.8倍であるとしている。2008年11月に精神医学イギリスジャーナルで掲載された論文では15000件以上の文献を収集し、その中から選別された13件の長期研究の検証を行った。その結果、大麻と精神病との因果関係が不明瞭なままであり、また交絡因子の調整も不十分であるとして、「大麻と精神病との関連性は信頼性に乏しい。」と結論付けている。うつ病に関しては、大麻がうつ病のリスクを増さないという報告と増すという報告がある。前者では大麻成分カナビジオール(CBD)がうつ病のリスクを回避し改善されることが確認されており、成人4400人を対象にした調査では、大麻使用者のほうがうつ病になりにくいという結果が出ている。また、大麻成分のドロナビノールによるうつ病の治療(ドロナビノール治療)を受けた患者の80%が改善されたとの報告もあるが、後者では、若い女性においてTHCの摂取量が大きくなるにつれて、うつ状態に陥るリスクが有意に高まった。イギリス医学ジャーナルのオランダの研究とスウェーデンの研究、ニュージーランドの研究をレビューしたニューサイエンティスト誌の論説では、統合失調症患者の13%が大麻精神病としている。スウェーデンの研究では大麻が統合失調症を引き起こす原因になるという因果モデルを前提に、調査結果を考慮して人口全体の大麻経験率が50%で、統合失調症のリスクが30%増えると仮定した場合、統合失調症患者の13%は大麻精神病とする仮説を唱えている。一方、2006年1月にイギリス薬物乱用諮問委員会が「大麻で統合失調症までは起こりにくい」との報告書を公表。同年3月にイギリス保健省が「統合失調症全患者約4万人に対して大麻に関連した患者はごく少数」と報告した。また、オックスフォードでの研究報告では大麻使用が統合失調症に発展する生涯リスクは最悪でも1%以内であることを示している。大麻を常用していても統合失調症のような疾患にまで発展する人は5000人に1人の割合であり、過去30年間の間に大麻使用者数が増えているにもかかわらず、統合失調症患者の数は減少している。2008年1月に発表されたデンマーク・オルフス大学病院の研究では、大麻精神病とされ治療をうけた609人と、統合失調症やそれに関連する病状で治療をうけた6476人の家族歴を比較した結果、親や兄弟など第一度近親者で統合失調症になった人のいる割合は、どちらのグループでも変わりはなく、統合失調症の発症率は大麻の使用には関係がなく、元来統合失調症であるか、なりやすい人が大麻を吸った場合、当初大麻精神病と診断され、その後統合失調症となるとしている。倦怠感による生産性の低下、注意力欠乏といった症状を無動機症候群と定義しているが、重度な大麻使用が原因で無動機症候群が見られたとするケースでも、大麻の使用と無動機症候群との因果関係を示す説得力のあるデータはないが、大麻摂取による能力低下を間接的に示唆する研究結果が出ている。高校生を対象とした調査では大麻使用者と非使用者との平均点の違いはほとんど見られず、大学生を対象にした調査でも大麻使用者のほうが非使用者よりも成績がよいことが判明し、ほとんど同じように学業を達成している。実験研究においては大麻には学習や成績・意欲に目立った悪影響は何もなく、大麻を与えた被験者のほうが対照群よりも長時間働き、研究の終了時にも同等の得点を獲得している。ただし、対照群より長時間働いたにもかかわらず、終了時には同等の得点しか得られなかった、言い換えれば「対照群である健常者は、より短い時間で大麻使用者と同等の得点を得られた」と言う事である。なお、南カリフォルニア大学やスイス、フランスの研究でも同様に大麻使用者と非使用者と比べても無気力になったり成績悪化や非行行動を起こすといったことは見られなかった。現在、大麻の免疫系に対する影響は不明瞭であり、大麻の使用が免疫系のT細胞やB細胞の機能を僅かに断続的に混乱させるとする研究はあるが、他の多くの研究では正常値を示している。1974年に行われた研究で大麻使用者の免疫機能低下がみられたが、多数の追試実験では再現することは出来なかった。動物実験ではリスザルに人間が通常摂取する、およそ1000倍の量に相当する100mg/kgのTHCを1日に投与した結果、ヘルペスが増加したと報告されている。1974年に発表された男性の長期大麻常用者を対象とした研究では男性ホルモンの一種であるテストステロンが44%も減少し、性機能が低下して精液に異常が見られたと報告されている。が、他の研究ではテストステロンの減少を再現できていない。1日にジョイント20本の喫煙を30日間強制させた実験では僅かに精液の濃度が低下したが、結果は正常範囲内であり、生殖力に影響することはないとされている。また、動物実験では大量にTHCを投与した場合にホルモンが変化し排卵が抑制され、投与を中止した場合に正常化されたとする研究報告がある。別の実験ではメス猿に対して1年間のTHC投与で耐性が形成され正常な排卵周期に回復している。1984年に大麻の有害成分は胎児にも影響を及ぼし、胎児の大麻中毒や流産、死産の原因にもなり、妊娠時の大麻喫煙による胎児への害の調査報告がなされているが、母体の加齢,タバコ,アルコールなどの交絡因子を考慮した場合、大麻との関連性の統計的有意性を失うことが指摘されている。また多くの研究では大麻による悪影響を見出していないジャマイカで行われたフィールド調査では妊娠時に大麻をお茶にして飲んでいることが多かった母親とそうでない母親の乳児を比較した結果、差異は見出されなかった。初期の研究には重度の大麻使用者の脳に構造的変化が見つかったと主張するものもあるが、それ以降の先進的な研究では再現されたことはない。器質的には、17歳以下からの大麻常用で、大脳は灰白質の割合が小さくなることが報告されている。これに対して、ネイサン・クライン精神医学研究所とニューヨーク大学医学部のMRI装置を使って、18歳以下の被験者を対象とした研究では「脳萎縮症や大脳白質全体の発育不足などが起こるという証拠はない。」としている。ハーバード大学医学部などの別のMRI研究でも大麻使用者と非使用者の違いは見られなかった。1980年の動物実験では大麻の使用でリスザルの海馬や扁桃体周辺のシナプスなどに微小な構造変化が見られたが、追認されておらず、1991年の研究ではリスザルに1日にジョイント4-5本相当の煙を1年に亘って強制的に吸引させたが、海馬や細胞、シナプスなどの変化は見出せていない。オハイオ州立大学の研究では大麻の特定成分が老人の脳の炎症を減らすだけではなく、新しい脳細胞の生成を促す可能性があるとしている。また、大麻成分のカナビノイドがアルツハイマー病の症状を緩和し病気の進行を抑える役割があることが分かっている。大麻の使用は注意力、学習力、記憶力などに影響を与えるとされており、慢性的な認知障害を大麻痴呆症としているが、科学的根拠はなく、多くの研究では慢性的な認知機能への影響を見出せていない。また大麻によって過去の学習記憶が損なわれることがないとする研究報告がある。2002年の臨床実験では大麻の使用は知能指数に長期的にネガティブな影響を与えないとしている。fMRIを使った研究では、大麻使用者の脳における作業記憶域と注意選択域を非使用者と比較したが、長期的損傷があることを見出せず、脳機能パターン全般においても何らかの違いはなかった。双生児比較法を用いた研究でも認知能力には長期大麻使用による顕著な後遺症は見られなかった。フランスの消費者情報誌 60millions-magazine が行った研究によると、大麻の最も一般的な消費方法である「ジョイント(紙巻大麻)」として消費する場合、吸引される煙に含まれる有害化学物質は、通常のフィルター付き煙草(実験ではマールボロ赤箱と比較)の約7倍であるという調査結果がある。(但し、この調査結果では大麻の煙からタバコにしか含まれないはずのニコチンも検出されている。)つまり、ジョイント3本で煙草20本分という計算になる。これは一般的なジョイントにはフィルター(ジョイント用の活性炭フィルターが一般市場に流通しているが普及率は低い)を通さないことでタールなどの有害物質を直接摂取してしまうことが要因としてある。また、カナダの研究では煙草と同じような吸い方で大麻を吸った場合にはタール量は変わらず、強く吸った場合にタール量が2~2.5倍増える事が示されている。大麻と癌の因果関係は疫学・臨床研究は少ない為、確証には至っていないが、大麻の長期常用は煙草の煙と同程度に気管支や上皮細胞が前ガン状態になりやすいとしている。また、煙草と大麻の併用が慢性閉塞性肺疾患の症状が悪化することが示されている。大麻は依存性が低く、少量で効果を得ることが可能であるため、煙草のように長期間にわたって毎日のように終日何本も吸うことは非常に稀であり、大麻の月間消費量はジョイント平均18.7本である。これに対してタバコ喫煙者はタバコを1日に平均15~20本をほぼ1年中繰り返して吸うため、タバコ喫煙者の方が消費量が多い。大麻喫煙者が被るタールによる害は、1日の一般的な消費量(煙草20本、ジョイント1~2本)で比較して、煙草の1/3ほどということになる。カリフォルニア大学の主導で行われた研究では「長期的に大麻を常用していても肺ガンになるような関係を全く見出すことはできなかった。」としている。また年間のジョイント消費量が10~30本の大麻使用者に限ると逆相関関係にあることが示された。これに対してタバコ使用者の場合は肺ガンの発病リスクが20倍になるとしている。別の研究でも口腔ガンと上気道ガンも大麻との関連性は無いとしている。大麻成分のカンナビノイドには抗ガン作用と生物の活性や反応を刺激し煙の発ガン作用を抑制してガンの発生を誘発する不安定なフリー・ラジカルの生成に関連する免疫システムの暴走が起こらないようにする働きがある。これに対して、タバコの煙に含まれるニコチンはガン細胞の成長を促進し、細胞に血液を供給する働きが知られている。

出典:wikipedia

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