『銀河漂流バイファム』(ぎんがひょうりゅうバイファム)は、1983年10月21日から1984年9月8日まで、毎日放送を制作局として、JNN系列で放送されたロボットアニメである。全46話。制作局の毎日放送では、第23話まで毎週金曜19:00 ‐19:30(JST)、第24話以降は毎週土曜17:00 ‐17:30に放送された。制作は日本サンライズ(現:サンライズ)。本項では後に作成された外伝作品『銀河漂流バイファム13』についても解説する。西暦2058年(玩具CMナレーションでは西暦2050年)。地球から遙か四十数光年。イプザーロン系宇宙にある人類の植民惑星クレアドが、異星人の軍隊に突如攻撃され壊滅状態となった。衛星軌道上の宇宙ステーションへ生き残った難民と軍人が逃れるも追撃を受け続け、練習宇宙艦ジェイナスで隣接の植民惑星ベルウィックへ逃れ潜伏。その間にも次第に生存者が減り、現地の軍事基地も壊滅。再度宇宙へ脱出する頃には、大人が一人になっていた。子供たちは異星人脱獄者との遭遇で得た情報から、異星人側の軍の捕虜となった家族を救出するため、ジェイナス及び人型兵器ラウンドバーニアンで異星人の軍隊と戦いながら、敵軍の基地衛星及び母星を目指す。しかし、ついに最後の大人も交戦中に撃墜され行方不明となる。13人の少年少女の旅路は、徐々に熾烈をきわめてゆく。ジュール・ヴェルヌの小説『二年間の休暇』(少年向け文庫のタイトルは『十五少年漂流記』)をモチーフにするプランは、『機動戦士ガンダム』の企画時に考案されたものであった。改めてこれを流用してアニメ化したのが本作となる(本作と同じ日本サンライズ制作の、1985年の蒼き流星SPTレイズナーも同様のプロットが用いられている。1995年に放送された恐竜冒険記ジュラトリッパーもまた、スタッフが意図的に本作をインスパイアしていた。さらに、1999年の無限のリヴァイアスでも同様の手法が採用された)。そのためOPテロップには「原案」にガンダム原作者の一人である富野由悠季がクレジットされ、「原作」は監督とメイン脚本家の氏名が連なっている。これは企画書にビッグネームを連ねることで企画を通しやすくする意図でもあった。メカやアクションに加えて、等身大の普通の少年少女が生活し成長する物語でもある本作品は、本放送後にも総集編が2本(『カチュアからの便り』『集まった13人』)、およびオリジナル脚本の新作2本(『消えた12人』『"ケイトの記憶"涙の奪回作戦!』)がOVAとして制作・販売された。テレビアニメ番組としては実験的な試みがいくつかされており、以下にその例を挙げる。:本作は初期の段階では2クールの予定でスタートしたが、企画が具体化するにつれ、4クールの作品として体裁が整えられていった。しかし主役ロボ登場の遅れや、宇宙航行の暗い背景描写が不評などの理由から視聴率が低迷し、当初は子供たちだけで地球まで目指すストーリーで進められていたのをテコ入れのため敵衛星タウトに同胞捕虜救出のため襲撃へ向かう展開に差し替えられたが、その後も低迷は続いたことから23話での打ち切り案がTV局側より持ちかけられ、スタッフの間では「内回り・外回り」などと言って打ち切り版と通常版のシナリオを同時制作していた(途中で駆逐艦レーガンと接触するエピソードは打ち切り版脚本の流用である、本来は子供たちがそのまま地球へ連れて行かれて終わる予定だった)。結局、アニメ誌上で打ち切り予定を知ったファンが署名活動を展開してTV局に提出したこともあって23話での打ち切りは回避されたが、その後も39話前後での短縮エンディング、または12月までの3か月延長など、さまざまな提案があった。最終的に46話で完結することが決まった時には制作の最終段階(1984年6月)だった。こうした経緯は、当時発売されたジ・アニメ、アニメックなどの各種ムック本で、当時としてはかなり詳しく紹介された。結局、3クール目以降は子供ファンの人気獲得のために、衛星タウトへ襲撃に向かう展開よりもさらに戦闘色の濃い(ククト星編)、これまでの一般的なロボットアニメ路線に近い内容へモディファイされこれに合わせてBGMも新曲にほぼ置き換えられ、主役ロボットには強化装備が追加され、主人公ロディのキャラデザインも活発でアグレッシブなものに差し替えられるとともに敵軍にライバルキャラも登場した(ついに異星人陣営が姿を見せて全貌を表した)ため、これもファンの間で前期と後期のギャップに賛否両論や戸惑いが騒がれることになった。3クール目からの放送時間帯変更を機に、放送を打ち切りにした地方局がいくつかあった。これに対して、当時の中学生・高校生を中心とするアニメファンが番組存続の署名運動を敢行して地元テレビ局に集まった署名を提出し、一部の局でついには放送継続の決定に至ったというエピソードがある。この模様は当時の朝日新聞でも取り扱われた。結局、後半がそのまま打ち切りとなった地域では、当番組はタウト星到達前で最終回だという認識のまま長年を過ごした(成人後も真相を聞くまで知らなかった)人々が散見されていた。サウンドトラックはいずれもヒットし、中でも放送終了翌月に発売された『銀河漂流バイファム総集編』(K-5505-6) はオリコンLPチャートで最高10位を記録した。なお、このアルバムには、発売元であるワーナー・パイオニア(現:ワーナーミュージック・ジャパン)が販促用として発行していたチラシ「バイファム・NEWS(ニュース)」を、特別号と称して第1から10に加え増刊までセットにした小冊子が付録になった。この「バイファムNEWS」を付録にするという企画は、後年発売されたCD-BOX(WPC6-8098/8101)にも踏襲されていた。各記事に記載の年齢は、作品に初登場時の設定。『バイファム13』関連の情報は声の出演を除いてすべて省略。声の出演が併記されているものは、順に『銀河漂流バイファム』、『銀河漂流バイファム13』での声の出演を示している。初期の番組ナレーションは富田耕生が担当したが、中盤のジェイナス航海開始より、自著の航海日誌の読み上げという形でスコット・ヘイワード(鳥海勝美)が務めた。ククトニアンという名称が登場するまで、地球人側はアストロゲーターと呼んでいた。多くはブルーやグリーンといった寒色系の頭髪と瞳を持つが、リベラリストには赤毛やメッシュに染めたパンク系の者も見られた。また、瞳のハイライトも地球人とは異なる。なお、劇中では、ククトニアンと地球人類とは事実上同根であるとされている。地球人類との差異はほとんどないが、ククトニアンでは第3頚骨の退化が見られるとされる。基本的には『銀河漂流バイファム』関連の物。『バイファム13』関連は後述の「用語」の節を参照。主題歌2曲と、挿入歌を収録したレコードは、共にワーナー・パイオニアより発売された。当時フジテレビ系列(FNSのみ)とのクロスネット局だったテレビ山口でも同時ネットで放送された。福島県では福島テレビのフジテレビ系列への一本化(JNN脱退、1983年4月)とテレビユー福島の開局(1983年12月)までに間があり初期の2か月分は放送されなかった(後年再放送時に放送された模様)。また岩手放送は当時、テレビ朝日系クイズヒントでピントの時差ネット、長崎放送は当時、1984年3月までは金曜19時前半枠はクイズダービーの時差ネット、土曜19時30分から20時54分に日本テレビ系列(NNN)の番組を同時ネットしていた関係で、時差ネットもなかったために見ることができなかった。また、1984年4月の番組改編以降も一回も放送されることはなかった。JNN局のない地域では秋田県(秋田放送・NNN)と富山県(富山テレビ・FNS)で放送されていた。制作局・毎日放送やTBSの放送権利が失効した後も三重県の独立UHF局・三重テレビにて2010年から番組販売扱いで放送された。1984年4月7日 - 9月8日(一部9月21日)視聴率が振るわなかったため、第3クール以降(24話 - )は放送時間帯が変更された。またこの際、一部の地域では放送が打ち切られた(いずれも放送当時民放2 - 3局地域だった)。第23話で打ち切られた放送局は、青森テレビ、テレビ山梨、テレビ高知、宮崎放送、琉球放送。山陰放送、大分放送では一旦放送が打ち切られたのだが、ファンからの嘆願により再開したという経緯がある。『銀河漂流バイファム13』(ぎんがひょうりゅうバイファムサーティーン)は、『銀河漂流バイファム』の本放送から13年目に制作された、バイファムの外伝に当たるテレビアニメ。1998年3月21日から同年10月3日まで、毎日放送のあにめシャワー枠など放送された。全26話。旧作内の第23話から第26話の中間エピソードに該当するが、制作上の都合などから旧作とは一部設定の変更(冒頭でローデン大佐が戦死してしまうなど)もみられる。ビデオは2話収録で13本と“13”尽くし。これは、子供たちの人数が13人ということからきている。キャストに関しては基本的には旧作の声優がキャスティングされているが、旧作終了後に引退・休業した声優については一部キャストが変更されている。また、旧作が放送されていた頃は小学生・中学生であった声優もおり、今作品が放送される間に変声期を迎えているため、声や演技が変っているなどの違いがある。企画段階で存命だった前作監督の神田武幸が制作段階(08MS小隊の制作中)で逝去し、監督が川瀬敏文に交代しているため、旧作のファンからは作風の激変に伴う不評が目立った。旧作LDBOX特典映像において続編制作を発言していたのは神田である。ナレーションは大滝進矢が担当。「関西・中京地区では広域局、関東地区では独立U局でネット」という“広義のUHFアニメ”形態はこの作品が始まりである。すがい優によるコミカライズがコミックボンボンに連載。ほぼ原作であるアニメ版と同じ展開だが、一部のエピソードは省略されている。放送当時、バンダイから1/100、1/144スケールでRVが、1/24でウェア・パペットがプラモデル化された。関節部には当時としては採用が始まったばかりのポリキャップが用いられていた。それまで大スケールのモデルにポリキャップを採用したものはあったが、主力シリーズといえる1/144スケールの全モデルにポリキャップを採用したのはこのシリーズが初。劇中でオプション装備とされたスリング・パニアーは別売りされず、RVとのセットで発売された。1/100スケールでもバイファム、トゥランファムはスリングパニアー付きが発売されたがネオファムは発売されなかった。また両スケールとも劇中で使われたシールドは付属しておらず、プラ板等を用いて製作するのが当時の模型誌では定番であった。ARVもプラモデル化されたが一部にとどまっており、ARVルザルガなど商品化には至らなかったものも存在する。また、ARVジャーゴは商標上の問題から「レコンタイプ」という名称に変更され発売された。バイファム13放送開始に当たっては放送前年の秋〜冬頃にほぼ全商品が再発売されるなどその後も数度に渡り再発売が繰り返されているが、近年では2006年のDVDボックス発売に合わせ、バイファム、ネオファム、トゥランファムのスリングパニアー付き1/144キットとバイファム、トゥランファムのスリングパニアー付き1/100キットのみ再発売されている。その後2011年11月に、2006年度の再発売には無かった1/144ディルファムや1/144ARV各種、および1/100ウグと1/100ネオファムも含めた再発売が行われているが、1/24ウェア・パペットはラインナップされていない。バンダイからはプラモデル以外にハイコンプリートモデルの初期ラインナップとしてバイファムとネオファムが商品化されている。バイファムは1/144プラキットでは省略されたポッドのドッキングギミックが再現されている。後にスリングパニアー単品とセットの商品がそれぞれ発売されたが、合わせて番組後半に登場したシールドが付属するようになった。また放送当時、カバヤ食品から食玩付きのチョコスナック、キャンデー、ガムが販売され、バンダイのバイファムプラモデルがもらえるプレッツェルも発売されていた(後述)。このほか、CM'sから1/144近似サイズのバイファム、トゥランファム、ネオファム、ディルファムの可動フィギュアが発売された。これには取り扱い問屋である宮沢模型限定の色違い限定版として練習用バイファムと迷彩色トゥランファムがある。またメガハウスからククト星市街戦を模した塗装完成済みジオラマが発売されている。2006年の静岡ホビーショーでは、バンダイの新シリーズリアルロボットレボリューションの候補として新作原型が参考出品されてたが、2016年現在発売には至っていない。2014年2月にバンダイコレクター事業部のROBOT魂シリーズで<SIDE RV>バイファムが発売。ポッドのドッキングギミックおよびランディングギアが再現されており、スリングパニアーとシールドが付属している。食品では、カバヤ食品から銀河漂流バイファム・プレッツェルが発売され、TVCMではロディが出演しセールストークしていた。同梱スクラッチカードに表記された点数を3点集めて箱に明記された宛先へ送ると、バンダイの1/144バイファム・プラモデルがもれなく返送されてくる(品種はランダム)というキャンペーンを行った。これは翌年放送開始の機動戦士Zガンダム・チョコレート(森永製菓)の販促でも踏襲されている。なおカバヤ製のいちごプレッツ(ポッキーの同種)では、なぜか放送終了後もしばらく、マルロとルチーナが箱絵に採用され続けていた。他に同社より銀河漂流バイファム・ガム、銀河漂流バイファム・チョコスナック、銀河漂流バイファム・キャンデーも発売され、当時は食玩の主流であったミニスケールのプラモキットが同梱されていた。こうした縁があるせいか、放送打切り騒動の後も同社だけは番組スポンサーを降りず、後にファンたちから関連誌面投稿コーナーなどで厚い感謝を受けていた。サンライズが制作したアニメのクロスオーバー作品、サンライズ英雄譚シリーズなどに登場しているが、主なロボットアニメが多数参戦する『スーパーロボット大戦シリーズ』には、2015現在も登場していない。
出典:wikipedia
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