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カエルツボカビ症

カエルツボカビ症(蛙壷黴症、カエルツボカビしょう)は、ツボカビの一属一種の真菌カエルツボカビ ( Longcore et al., 1999) によって引き起こされる両生類の致死的な感染症である。野生の個体群でのこの疾病に対する効果的な対策は存在しない。ただし、カエルの種によって感受性は異なり、アフリカツメガエル ("Xenopus laevis") やウシガエル ("Rana catesbeiana") は感染しても発症しない。カエルツボカビ症は、上記のカエルツボカビが、カエルの体表に寄生・繁殖し、カエルの皮膚呼吸が困難になる病気である。発病すると食欲の減衰が見られ、ひどくなると体が麻痺し、死ぬこともある。この病気は北米西部・中米・南米・オーストラリア東部で劇的な両生類の減少あるいは絶滅を引き起こしてきた。この病気は世界的な両生類の生息数と、世界の両生類種の30%もの種数の減少に関連している。減少のうちいくらかはこの菌によるものと信じられているが、感染に抵抗している種もあり、またいくつかの個体群が感染が低レベルで持続して生き延びていることも報告されている。研究室での調査では、この菌は高温ではあまり活動しないとされており、また感染したカエルを高温に晒せば菌を殺せるとも言われているが、素人判断は薦められない。原因菌は、カエルツボカビ () で、1999年に新属新種として記載された。名前はコバルトヤドクガエル ("Dendrobatidae azureus") からの分離株が用いられた事に由来する。既知のツボカビ門で唯一脊椎動物に感染するとされ、両生類の皮膚で増殖し病原性を顕す。また、無尾目のカエルだけでなく有尾目のサンショウウオ等にも感染することがある。カエルツボカビの増殖には蛋白質のケラチンが利用される。カエルのケラチンはオタマジャクシでは口の周囲にのみ存在するが、変態と共にケラチンの分布が増え、それに伴ってカエルツボカビも増える。発育に最適な温度は17℃から25℃とされるが高温に弱く、28℃で発育が止まり30℃以上で死滅するが、冷凍では不活化されない。全国から集められた約5300サンプルを分析した結果、様々な遺伝子型(ハプロタイプ)があることが判明したが、遺伝子型毎の特性の解明は不十分である。また、長期の人工培地による培養は形態の変化を引き起こす。『サイエンス』2009年10月23日号によれば、カエルツボカビ症によって電解質の輸送が阻害されて心不全が引き起こされることをオーストラリアの研究者が突き止めたという。感染した個体は皮膚の表面の電解質の輸送が 50%超 抑制され、血漿(けっしょう)中のナトリウム、カリウムの濃度がそれぞれ減少していた。具体的な症状としては、背部表面に多発する発疹、腹部表面または水かき、指端のピンク~赤色調への変色、後肢の腫脹などがある。症状は肉眼で確認できない場合もあり、集団発生の場合は急死例が多い。2006年12月、日本国内で飼育されているカエルからカエルツボカビが検出された。これを受けて2007年1月13日に学会・研究機関・環境団体など16の団体による「カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言」が発表された。続く2007年3月には、多数の絶滅危惧種の両生・爬虫類が生息する沖縄県で、麻布大学獣医学部の宇根有美助教授の調査によりペットショップで販売されているカエルからカエルツボカビが確認された。これを受けて沖縄県内のペットショップの中にはカエル類の入荷・販売を自粛する業者も出てきている。2007年6月10日、麻布大の研究チームはさらに「野生のウシガエルがツボカビに感染していることを確認した」と同大で開催されたフォーラムにて発表し、宇根助教授らは全国のペットショップや研究機関などへ警戒の呼びかけをはじめた。また、「検査をした両生類の個体は30匹で、同大が所在する神奈川県内で捕獲したウシガエル10匹のうち、4匹で感染を確認した。」との発表があった。2007年及び2008年に行われた184個体に対する感染実験の結果、南日本に生息するカエルが感染しやすい可能性が示唆されている。これは、ヌマガエル、ヒメアマガエル、ハナサキガエル類について感染が認められたためである。2008年に国立環境研究所などにより行われた調査では、全国944地点で5178個体のサンプルの採集を行った。解析途中の結果として、1638サンプルの感染状況はニホンアマガエル 0.4%(1個体/238個体)、トノサマガエル 0.5%(1個体/186個体)、ヌマガエル 0.4%(1個体/229個体)、ウシガエル 7.8%(6個体/77個体)、ツチガエル 0.9%(1個体/108個体)であった。ただし、DNA配列は病原性の強いタイプ(タイプC)とは異なるタイプ(タイプA)と考えられる。ところが、2009年5月にカエルツボカビがアジア起源ではないかとの報告がなされた。国立環境研究所などの調査で日本のカエルより約30系統のカエルツボカビが見つかったが、中米や豪州では1系統しか見つかっていないとのことであり、これが正しければ、アジア起源のカエルツボカビが世界に拡散し被害をもたらしたと考えられ、日本・中国・韓国などで感染の報告があっても被害の報告がない説明ともなる。2010年9月時点で50種類のカエルツボカビが確認されており、サンプルの3%が菌に感染していたが大量死は発生していないこと、1932年のオオサンショウウオの標本からもこの菌が検出されていることなどから、日本ではカエルツボカビが昔から自然に存在し、日本の両生類は抵抗力を持っている可能性が高い。カエルツボカビ感染の最初の報告は "Xenopus" 属のアフリカツメガエルのものであったため、当時は発祥地もアフリカと思われていた。アフリカツメガエルは世界中に広く輸出されていたので、"B. dendrobatidis" の一時的な媒介者と考えられている。国内においては、麻布大学などの調査によれば、アフリカツメガエル52匹中51匹 (98%) がツボカビ陽性であったと報告されており、このような感染しても発症しないカエルの流入と繁殖がツボカビ感染拡大の一因であると言われていた。環境省も、アフリカツメガエルは日本でも定着のおそれが高い種であること、日本においては全ての両生類の中で最も多く利用されている種のひとつと考えているとなど説明している。その一方で、カエルツボカビのアジア発祥説前から「アフリカツメガエルの日本国内の輸入が始まってから30年以上経過しているのに、生態系への影響についての話は聞かない、国は騒ぎすぎではないか」と言う意見もあった。実際にこのカエルが国内で帰化繁殖した事例はごく少ない。しかしたとえば2006年に和歌山県田辺市のある地域で複数のため池で繁殖しているのが発見された。市や県なども問題視はしているが駆除は進んでおらず、和歌山県では2007年以降も地元紙「紀伊民報」やテレビ等でこの問題が断続的に報じられている。このカエルはツボカビに関して陽性であることが確認されているが、2008年現在では他の両生類への影響は報告されていない。アフリカツメガエルとともに世界のツボカビ研究者が警鐘を鳴らしているのは、人間のフィールド活動である。今回のツボカビ症の発症を受けて、環境省はイリオモテヤマネコの餌であるサキシマヌマガエルをツボカビから守る為に、桟橋で渡航者の靴の消毒を行っている。2012年の研究では、食用や愛玩用として流通するザリガニがカビの拡散ルートである可能性が示唆されている。2007年6月25日、毎日新聞に「カエルツボカビ症による生態系の危機へ目を凝らせ」と題した社説が掲載された。この中で著者は、ツボカビ症が単に両生類のみの危機に留まらず、食物連鎖や虫媒の感染症を介して生態系全体を崩壊させ得るものであること、その抑止のために国家レベルでの適切な対応が必要とされること、などを論じている。中米パナマでは北部から侵入した本病によりカエルが激減したが、本病の侵入が予想される地域のカエルを捕獲し動物園で飼育することで絶滅から救う試みが行われた。米国ワシントンD.C.のスミソニアン国立動物園は2010年7月22日、オオサンショウウオの繁殖センターをオープンし、初めて日本のオオサンショウウオの国外繁殖を行っている。同動物園に広島市安佐動物公園から寄贈されたオオサンショウウオは計5匹で、このうち11歳のオスメス各2匹が繁殖用に飼育され、19歳のメス1匹は動物園で展示される。日本のオオサンショウウオは「カエルツボカビ症」に抵抗力を持つとされ、同動物園では「ツボカビの被害を受けない秘密をぜひ知りたい」と飼育と同時にツボカビ克服のために個体を研究している。

出典:wikipedia

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