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VM JAPAN

『VM JAPAN』(ブイエム ジャパン、VANTAGE MASTER - MYSTIC FAR EAST)は日本ファルコムが制作・販売したシミュレーションロールプレイングゲーム(シミュレーションRPG)。後に『富嶽幻遊記』(ふがくげんゆうき)の名でパワーアップキット (PUK) が発売された。2002年6月27日にMicrosoft Windows向けコンピュータゲームとして発売。『VM JAPAN』の「VM」は「VANTAGE MASTER」の略であり、その名の通り『ヴァンテージ・マスター』 (VM) の舞台を、日本をモデルにした架空の国・和国に移した作品となっている。このため作中用語は和風に変更され(例:ネイティアル→幻魔)、マップも日本各地の土地や名勝をモデルにしたものが多い。同年9月27日にはパワーアップキット『富嶽幻遊記』が発売され、キャラクター追加等の機能拡張が行なわれた。以降のパッケージではPUKを同梱しての販売のみとなっている。2005年にはライセンス提供により、アスミック・エースエンタテインメントからPlayStation 2向けの移植作品が販売されている。基本システムは『VM』と同じだが、上述の通り用語は和風に変更されている。基本としては六角形のヘックスからなる戦場(マップ)において、幻魔使い(『VM』のネイティアル・マスター)同士の闘いに勝利する事が目的となる。勝利条件は敵幻魔使いの体力 (HP) を0にする、もしくは敵からの降参を受け入れる事。ストーリーモードではこの戦闘の積み重ねによりストーリーが進行していく。原則として戦闘の開始時から存在するユニットは敵味方1人ずつの幻魔使いのみであり、術数 (MP) を消費して属性をもつ幻魔(『VM』のネイティアル)を召喚し、戦局を進めていく。術数は一定時間毎に回復するが、その回復量はマップ上にある魔晶石の占拠数に比例する。術数は幻魔の召喚時だけではなく、召喚後の幻魔の維持、幻魔使いや幻魔が使う術(魔法)の使用でも消費されるため、魔晶石の占拠数は戦局に大きな影響を与える。シミュレーションRPGではあるが、RPGに多く見られるキャラクターの成長は他のそれと異なる。幻魔使いはストーリーモード・エキスパートモードでは一面クリアするごとに一段ずつレベルアップするようになっており、他では成長しない。幻魔は戦闘マップでの行動でレベルアップするが、そのレベルや経験値(本作では「満足度」)を次のマップに持ち越すことはできない。また、全てのユニットの体力最大値は常に10で固定となっている。他にも、ユニットの向きなどに因って敵に与えるダメージは変動するが、クリティカルヒットの様なランダム要素は一切なく、同一条件であれば必ず同じ結果が生じる。このような仕様により、詰みへ向けて戦局を動かす将棋などの様なボードゲームにゲーム性は近い。和国では長い戦乱が終わり、幕府による統治が始まった。しかし、慶明12年、巨大な隕石が大和の都を直撃し、多数の犠牲者を出した。犠牲者の中には幕府を開いた初代将軍もおり、幕府の権威は大いに失墜する。また、隕石の落下は龍脈を乱れさせ、和国各地に異常気象や砂漠化などの天変地異をも引き起こし、和国は再び混乱の坩堝に投げ込まれた。人々はこの隕石の直撃を「星落とし」と呼び、恐れた。そうした背景の下、八人の幻魔使いがそれぞれの目的から「星落とし」の真相に迫ることになる。以下のキャラクターを幻魔使いとして使用することができる。見出しには職業を、その後の丸括弧にはデフォルト名を書いている。PS2版で声が追加されたキャラについてはその丸括弧のあとに声優を掲載する。なお、「防御力」と書いているものは物理・術防御力両方を指し、どちらかのみの場合はそれぞれ明記している(幻魔の項も同じ)。シナリオモードで使用出来るキャラクター。村祭りを除き、全てのモードで最初から使用可能。シナリオモードでは敵として登場し、通常版では条件を満たす事によってフリーモードでの使用が可能となる。PUK版では始めから使用が可能となっている。PUK版で新たに追加された幻魔使い。開始時より使用可能。PUK版で一定度の条件を満たす事により使用可能となる。シナリオモードなどに登場するが、幻魔使いとして使用できないサブキャラクター。基本的な特徴・相性は『VM』のネイティアルと同じ。幻魔は『地』の属性をもつ地殻幻魔、『水』の属性をもつ水霊幻魔、『火』の属性をもつ火焔幻魔、『天』の属性を持つ天象幻魔の4種類に分類される。『VM』では移動でも属性が反映されていた。例えば、水のネイティアルは水中での移動を得意とする一方、地上では移動力が半減し、火のネイティアルは水にまったく入れず、天のネイティアルは全て空を飛ぶなどの特徴があったが、今作ではそういった面は薄くなり、以下に述べるように戦闘時の相性のみに反映されている。属性には「水は火に強く(順属性)、地に弱い(逆属性)」といった相性が存在し、その相性は 地 > 水 > 火 > 天 > 地 と一巡している。水と天の様に互いに強弱のない属性同士(対等属性)や水同士の様に同じ属性(同属性)の場合に優越はないが、同属性の場合は互いに打ち消し合うためダメージが減少する。幻魔によっては、明るいと能力が上がり暗くなると下がる『昼型』、その逆となる『夜型』の特性を持つものもある。幻魔は召喚・維持に幻魔使いの術数を消費する他、幻魔が術を使う際にも幻魔使いの術を消費する(幻魔自体は術数をもたない)。以下の記載は各属性毎にシナリオモードで取得できる順であり、記載順の遅いもの程、召喚・維持・術の使用に必要な術数が増える。なお、「周囲1」とある場合の攻撃範囲は指定したマスとその周囲6ヘックス、「周囲2」とある場合は指定位置と周囲18ヘックスである。他のゲームにおける魔法に相当し、幻魔使いのみが使える。特に記述が無い場合、味方に使用する術の効果は幻魔使いの術力のみに、敵に使用するものやダメージを与えるものは幻魔使いの術力と相手の術防御力の差に比例する。ストーリーモードでは共通の術はストーリーを進めることで少しずつ使えるようになるが、固有の術は始めから全て使える。戦場となる各地の特徴を紹介する。なお、フリーモードでは基本的に全ての地域を戦場として選べるが、一部はゲームを進めないとプレイできない。本節ではこの項目で使われている言葉について説明する。戦術的な用語は『VM』ともほぼ共通している。遠距離攻撃と術には直線・仰角(大・中・小)・発生の3パターンがある。「直線」は文字通りまっすぐに飛ぶ攻撃で障害物を越えることができない。そればかりか、段差が2段以上あると、高地であっても射程が縮んでいく。逆に、「仰角」タイプは2段以上の高地からの射程距離が伸びていく。加えて「仰角(中)」なら一部の障害物もこえて、「仰角(大)」ならば壁以外の全ての障害物とユニットの頭越しに攻撃できる。「発生」は壁や障害物・ユニットの有無を無視することができるが、段差が2段以上あると射程が縮む。このように2段以上の差があると「仰角」タイプでなければ射程が縮むため、隣接しているかのように見えるユニットも2段以上上もしくは下のユニットに隣接攻撃ができない。周囲攻撃系の術は3段以上の差のあるユニットには効果を及ぼすことはない。大まかに言うと、「歩」「泳」「飛」の三つがある。「歩」は陸上のみ移動できる。「歩(泳)」となっているユニットは水中や沼地にも進入できるが、水中では移動力を+1必要とする。逆に「泳」は沼地と水中のみの移動タイプで、「泳(歩)」は陸上でも移動できるが陸での移動にはさらに+1の移動力が消費される。他に特殊なものとして「歩+泳」タイプと「龍歩」がある。前者は水陸共に移動時のペナルティを受けない。後者は龍脈という特殊な地形しか移動できない。龍脈であれば水中でも移動できるが、「歩(泳)」と同様余計に移動力を消費する。また、いずれのタイプも上の段に登る場合には必要移動力が+1される。また、藪などの特殊な地形でも移動力が余計に消費される。これに対し、「飛」はどのような地形でも、同じ移動力しか消費しない。さらに段差を飛び越えることもできる上、ZOCの影響も受けないため、壁以外ならどこにでも自在に移動できる。水中や沼地は飛び越えることはできるが、その中に入って待機することはできない。「飛+泳」ならば水中や沼地にも進入できる。アマゴイやヒデリの術(『VM』では「アップタイト」「ダウンタイト」)によって水位が変化し、「歩」「飛」タイプのいる場所が水中に、「泳」タイプの場所が陸上になることがある。このとき、本来移動できる地形に戻れなければ毎ターン3ポイントずつダメージを受けてしまう上、「待機」以外の一切の行動ができない。なお、『VM』には「歩+泳」「飛+泳」「龍歩」タイプはない。『VM』シリーズはいわゆるユニットターン制のため、ユニットごとにターンが回ってくる。次のターンまでの間は「隙(『VM』ではOA)」と呼ばれるが、これは行動の種類と素早さに左右される。つまり、同じ行動をとっても、素早さの高い方が先にターンが回ってくるようになっている。また、行動内容も「隙」に大きな影響を与える。例えば、その場での待機が最も早く次のターンが回ってくるようになるのに対し、移動した後に召喚・術を使用するとなかなか次のターンが始まらない。また、攻撃も隣接攻撃は比較的早く再行動できるのに対し、遠距離攻撃は次の行動までに時間がかかる。明るさが変動するマップでは、幻魔によっては強化・弱化される。昼の時間帯(8 - 16時)は昼型の幻魔のステータスは移動力と素早さ以外+2されるのに対し、夜型の幻魔は移動力と素早さ以外-2される。夜の時間帯(20 - 4時)はその逆になる。朝(4 - 8時)と夕方(16 - 20時)はどの幻魔にも影響は無い。前述のようにマップの中には明るさが固定されているものもあり、その場合は時間帯に関わらず明るさは変わらない。PS2版は通常版をベースにしているが、いくつかの変更点もある。『VM』『VM JAPAN』およびPUKの設定資料やラフ画などが公開されている。カバーはリバーシブルで、表が『VM JAPAN』、裏が『VM』になっている。また、表紙には「トキノオツ」なる「いんちき民話」もある。ただし、2003年発行のため、PS2版の資料はない。2006年にアーケードゲームとしてアルゼより発売される予定であったリアルタイムストラテジーシミュレーションゲーム。アルゼがアーケードゲーム事業から撤退したため開発中止となった。

出典:wikipedia

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