欠缺(けんけつ)とは、「欠けていること」。主に法学で用いられる(意思の欠缺、意思能力の欠缺、登記の欠缺、訴訟条件の欠缺など)が、近時は「不存在」に言い換えられることもある(例えば、は現代語化の際に、「意思の欠缺」を「意思の不存在」に改めた。)意思表示のうち、効果意思を欠いている場合をいう。民法現代語化に伴い、現在では一般的に「意思の不存在」と呼ばれる。ある問題に対して適用する法規が欠けている(存在しない)状態にあることを指す。成文法においては、文章で法規が書かれているため、その文章の範囲内でしか適用する事が出来ない。このため、立法当時の配慮の不足や立法後に生じた当時においては全く予想も出来なかった事例の発生などによって生じる場合がある。法の欠缺が問題になるのは、いわゆる上乗せ・横だし条例の制定・運用の時である。こうした事態に対しては民事裁判においては類推適用や慣習法、条理によって事態が解決される事が裁判官に求められる(ちなみにスイス民法典では、こうした場合に限定して判例による決定に法的効力を持たせて事実上立法の役割を果たすことを認めている)。逆に刑事裁判においてこうした措置を取る事は罪刑法定主義に違反する行為として固く禁じられている。罪刑法定主義の成立以前の世界において、時の君主や権力者が政敵やその他疎ましい人物を陥れるために「法の欠缺」を理由にその人物を犯罪者とするための罪を特別に規定して逮捕・処刑する場合が多かったからである。事実、中国・西晋に仕えた劉頌が君主(皇帝)によるそうした風潮を憂慮する文章を残している(『晋書』)。第二次世界大戦後の漢字制限により、当用漢字では「缺」を旧字体とし、それに対応する新字体として「欠」を定めた。また「欠」の音読みは「缺」に由来する「ケツ」のみを認め、「欠」に由来する「ケン」を認めなかった。しかし、当用漢字に従うと「欠缺」は「欠欠」や「けん欠」(交ぜ書き)となってしまい、不自然である。そこで、法律用語などの専門用語については必ずしも当用漢字の制限に従う必要がなかったので、法律用語ではこの語については当用漢字に従わずに例外的に旧字体を用いた「欠缺」の表記をそのまま採用することになった。『広辞苑』『大辞林』などの国語辞典でも法律用語に従い、「欠缺」の表記を採用している(新字体#缺と欠も参照)。
出典:wikipedia
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