自殺の名所(じさつのめいしょ)とは、景勝地など著名な土地のうち自殺者の多い場所のことである。近年は比喩的に、著名な土地に限らず自殺の多発地点をこの名称で呼ぶことがある。類型のひとつは、断崖絶壁や深山幽谷といった観光地である。こうした場所では、あやまって転落や遭難したらまず死を免れないような場所へ簡単に近寄れるため、自殺志願者にとっては「確実に死ねる場所」として格好である。また橋、高層ビル、鉄道の駅や踏切なども、そこでの自殺をセンセーショナルに表現したり、自殺件数を誇張するような報道を行うことで「自殺の名所」になりうる。そのように自殺場所として広く認知されてしまった場所では、さらなる自殺者が出る危険が高まる。「自殺の名所」という風評が立つと評判が悪化し、観光地の場合は地元観光業者の死活問題ともなりうるため、場所によっては自殺を思いとどまらせる文面の看板や立て札を地元の有志が費用を自己負担して立てることがある。また、「いのちの電話」などの人生相談団体の電話番号を書いたものと一緒に公衆電話を設置するところもある。イギリスにおいては、自殺の名所とされる場所を政府が「ホットスポット」に指定し、予算を組んで同国内300ヶ所のホットスポットに地域住民や精神科医からなる危機介入チームを編成した。危機介入チームはパトロールの他にも、電話や看板の設置等で広報活動を行なっている。自殺志願者が看板を見て電話をかけてくると、直ちに現場に急行し保護と社会復帰に努める。介入の取り組みの結果、自殺の名所において自殺が激減し、国全体での毎年の自殺者数を10パーセント減少させた。鉄道路線の場合は、鉄道会社がホームドアを設置し飛び込みを防ぐ試みもある(転落事故の防止も兼ねる)が、すべての鉄道路線に導入するには高額な費用や構造的な問題(車両の種類によってドアの位置が違う場合やホームが狭いなどの場合は設置できない)があるため、普及は進んでいない。また「青い光は精神を鎮める」と、プラットホーム照明に青いLED灯を追加する路線もあるが、効果は未確認、及びその信憑性も定かではない。自殺対策上で、自殺の名所等の手段を遠ざける手法は根本的な対策ではないが、周囲の介入のための時間を稼ぐことで一定の効果はあると考えられている。自殺報道は(特に若者の)自殺を誘引し(いわゆるウェルテル効果)、そこで紹介された自殺手段はしばしば模倣される。それを踏まえて、報道機関に向けたWHOのガイドライン『自殺を予防する自殺事例報道のあり方』では、自殺現場の映像は表示すべきでないと記述している。
出典:wikipedia
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