『ゴィエスカス(ゴジェスカスが、最もスペイン語らしい表記である)』(西語:Goyescas)は、スペインの作曲家エンリケ・グラナドスが作曲したピアノ独奏のための組曲、またその改作によるオペラである。題名はスペイン語で「ゴヤ風の音楽」というほどの意味で、フランシスコ・デ・ゴヤの絵画やタペストリーの下絵に霊感を受けて作曲されている。オペラはピアノ曲よりも多くの楽曲素材が使われている。ピアノ独奏用の組曲は1911年に作曲され、同年3月11日にカタルーニャ音楽館において初演された。『ゴィエスカス』は、「恋する若者たち」("Los majos enamorados")という副題を掲げており、グラナドスが非常に愛好したゴヤの作品に関連づけがされている。だからといって、楽曲と特定の絵画との間に確たる一致が見られるわけではない。したがって各楽章の題名は、絵画の音楽的な描写を示しているというよりも、むしろ気分の問題にすぎないのである。グラナドスは次のように記している。『ゴィエスカス』は2部構成の6曲からなり、全曲を通奏すると1時間弱を要する。第7曲の「わら人形」は、最初から正編6曲の中に含まれていたわけではなく、同名オペラの第1曲の編曲にほかならないが、現在では正編とまとめて演奏されるようになりつつある。ちなみに「わら人形」は、グラナドスの「ゴヤ風」の作品の中では唯一、現存する絵画に実際に対応した楽曲である。第8曲「ゴヤ風のセレナード」は、1909年に『ゴィエスカス』の草稿として作曲されながらも、正編から外され、近年に再発見されるまで長年忘れられてきた。オペラは1916年に作曲され、「恋する若者たち」("Los majos Enamorados")という副題が添えられた。サルスエラの様式で作曲され、3幕からなるが全曲を通して演奏しても50分に満たない、小ぢんまりとした国民オペラである。スペイン語の台本はフェルナンド・ペリケ・イ・スアスナバール(Fernando Periquet y Zuaznabar)が担当した。初演は1916年1月28日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場において行われた。初演は大成功であったとする説と、賛否両論に分かれたとする説がある。なおグラナドスは、この作品の初演のために夫婦で渡米し、帰路の船でドイツ軍潜水艦による無差別攻撃に遭い、悲劇的な最期を迎えた。
出典:wikipedia
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