ヨタカ科 (ヨタカか、学名 ) は、鳥類ヨタカ目の科である。ヨタカ（怪鴟・夜鷹）と総称されるが、狭義にはその1種をヨタカと呼ぶ。全世界の中低緯度に生息する。全長19–29cm。嘴（くちばし）は小さいが、口は上下にも左右にも大きく、目の下まで伸びる。口の周りには剛毛がある。黒・褐色・灰色などの地味の羽色だが、複雑な模様がある。夜行性で、飛びながら昆虫を捕食する。木の枝に対し平行に泊まる。羽音を立てずに静かに飛ぶことができる。系統樹は ・より。属は彼らの提案によるものを使った。ヨタカ科はヨタカ目の1科だが、ヨタカ目は側系統であり、系統的にはヨタカ科はアマツバメヨタカ類 内の1系統となる。他の科との系統関係は不確実だが、アマツバメ目との姉妹関係が弱く支持されている。ヨタカ科の中ではまず基底的なヒゲナシヨタカ属・ミミヨタカ属・キエリヨタカがこの順に分岐した。ただし、ヒゲナシヨタカ属（+ミミヨタカ属 ?）は他のヨタカ科と別系統だとする説もある。これらの基底群が分岐した残りの は4つの系統に分かれ、そのうち1つ OW は旧世界 () とオーストラリア区に、他の3つ NW1–3 は新世界 () に生息する。ヨタカ科の属分類は流動的で、近年は15属に分けられてきた。しかし、少なからぬ属が非単系統であり、 は系統的な9属に再編した。一方、彼らが1属としたNW3についてAOU南アメリカ命名委員会 (SACC) は、彼らの案だけでなく系統的な数属に再編する案にも言及している（ただしどちらも採用されなかった）。国際鳥類学会議 (IOC) は2011年に彼らの提案の一部を採用した。中でも、最大のヨタカ属 は、主に旧世界に棲息する属だが、かつて （模式種チャックウイルヨタカ）または とされてきた新世界のグループが統合された ()。現行のヨタカ属は、OW・NW1・NW3・基底群に分散した多系統であり、 はOW以外の種を別の属に分離・再分離・移動した。ヨタカ科は伝統的には口蓋などの特徴から、ヨタカ亜科（ヨーロッパヨタカ亜科） () とアメリカヨタカ亜科 () に分けられていた (Peters 1940)。しかしこの分類は系統的ではなく、 は側系統で、 はNW2とNW3内の2つの小系統の計3系統で収斂進化した多系統である。ヒゲナシヨタカ属とミミヨタカ属は従来はヒゲナシヨタカ属にまとめることが多く、伝統的にヨタカ亜科とされた。また他に、アメリカヨタカ亜科に移す説 ()、ヒナゲシヨタカ亜科 に分離して科の残りをヨタカ亜科 にまとめる説 ()、科レベルでヒナゲシヨタカ科 に分離する説 () などもあった。19世紀までは、現在のヨタカ目（および現在はアマツバメ目とされるズクヨタカ科 ）全体がヨタカ属とされ、単型科ヨタカ科を構成していた。それらは19世紀初頭に5科に分割された。現生種は国際鳥類学会議 (IOC)による。絶滅種（ただしIUCNレッドリストはまだ絶滅としていない）ジャマイカコヨタカを追加した。和名は厚生労働省などより。上位分類は による。彼らによる新しい属の分類を各節に記した。現生17属（ では9属）92種。互いには類縁関係にない基底的なグループ。 はヒゲナシヨタカ属からミミヨタカ属 が（分離する説は以前からある）、ヨタカ属からキエリヨタカ属 を分離した。ただしIOCはキエリヨタカ属を分離していない。 は、ヨタカ属の一部を に再分離し、プアーウィルヨタカ をそこへ統合した。ただし今後の研究によりプアーウィルヨタカ属は復活する可能性があり、IOCはプアーウィルヨタカ属を統合していない。 は全てアメリカヨタカ属 に統合した（統合する説は以前からある）。 は全てハサミオヨタカ属 に統合した。ただしナンベイオナガヨタカ はサンプリングされておらず系統位置には疑問もある。IOCはこの系統の分類を再編していない。 は全てヨタカ属 に統合した。チャイロヨタカは従来からヨタカ属に含める説もあるが、サンプリングされておらず系統位置には議論がある。IOCはこの系統の分類を再編していない。

出典:wikipedia