救命いかだ(きゅうめいいかだ、ライフラフト、life raft)は、船舶の遭難時に使用する、ゴム、ナイロンあるいはFRP製のいかだ。膨脹式と固型式がある。通常(膨脹式)はFRP製のコンテナ(カプセル形状)に詰められた状態になっている。非常時に海面に投下するともやい綱(通常は大半部分がコンテナ内部に格納され、架台側端部しか見れない。一端は架台又は自動離脱装置又はウィークリンク、もう一端はいかだ本体に連結されている。)が同時にコンテナからリリースされ、もやい綱途中から分岐したワイヤーは炭酸ガス(または窒素との混合ガス)ボンベの起動装置を落下中に引き抜き動作させ(着水後にもやい綱を手繰り寄せワイヤーを引き抜き、動作させる型式もある。)、ガス膨脹していかだの形になる。古い型式のものや小型船舶用にはボンベ起動用の索をもやい綱とは別に設定してあるものもあるので注意が必要。コンテナを海面に投げ込む暇なく船ごと沈没した場合を想定し、船(架台)とコンテナを固縛しているワイヤー(ナイロンバンドの場合もあり)を切り離す「自動離脱装置」を装着している場合が多い。本体部分(子供用プール状の部分)の上に、テント状のシートがついている。テント部分は、目立たせるためにオレンジ色や赤色である。一般に、救命いかだの中には生き延びるために艤装品と呼ばれる数々のものが備え付けられている。例えば、飲料水、乾パン(救難食糧)、信号火工品、海面着色剤、日光信号鏡(いわゆる鏡)、生存指導書(生き残るためのノウハウ、気力を保つための元気づけの文章)、レーダー反射器(数十cmのアルミ板を組み合わせたもの)、釣り針・釣り糸、などである。信号火工品、海面着色剤、日光信号鏡、レーダー反射器は、いずれも発見してもらうためのもの。いかだ程度の大きさのものでも大海原の上では、プールのなかの塵のようにしか見えず、目視で発見してもらうことは非常に困難である。だが今日では通信技術の発達により、艤装品内(一部救命いかだのみ)あるいは退船時にいかだに持ち込むEPIRB(イーパブ)やSART(レーダートランスポンダー)などの無線装置を使用することにより、遭難から発見、救助までの可能性、迅速性が飛躍的に向上している。すべての船舶に搭載が義務付けられているわけではない。総トン数20t未満の小型船舶は航行区域又は従業制限などにより必ずしも搭載の義務は無く、沿岸のみを航行する小さな漁船やプレジャーボートでは搭載されていないことが多い。日本での製造会社としては藤倉ゴム工業株式会社など。は第一次世界大戦前に米国のホレース・カーリーによって発明された硬式のいかだで、銅板製の中空円筒にコルクのような軽い材料を巻いたものを幾つか接続していかだ状に組み立て防水帆布で覆って床を張ったもので、木造ボートより場所をとらず、かつ爆風によって破損しにくく、破孔によって浮力を全く失うことも少ないために米海軍ほかの海軍に採用され、ボートや昇降装置を設備する余地のない漁船など民間の小型船舶にも使われた。軍艦では上部構造物や砲塔の側面に固定された。第二次世界大戦まで使われたがその後膨張式のいかだにとって代わられた。
出典:wikipedia
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