『オーディンスフィア』("Odin Sphere")は、ヴァニラウェアおよびアトラスが開発し、2007年5月17日に発売されたPlayStation 2用ロールプレイングゲーム。『オーディンスフィア レイヴスラシル』("Odin Sphere Leifthrasir")のタイトルでPlayStation 4、PlayStation 3、PlayStation Vitaにてリメイクされ、2016年1月14日に発売された。開発は『プリンセスクラウン』の制作に携わった神谷盛治らによるヴァニラウェアが担当し、作曲は『伝説のオウガバトル』などを手がけた崎元仁を始めとしたベイシスケイプの面々が担当した。ワーグナーの楽劇ニーベルングの指環をベースに、戦争に翻弄される人々と世界の終焉を描いた叙事詩。イベントシーンは演劇調になっており、時間軸を共有する複数の物語を観賞しながら終末の予言の謎を解き明かしていく。手描き調の絵本のような幻想的な絵柄が特徴。「五つの災厄」によって滅びるという予言の残る地を舞台に、5人の主人公の物語が紡がれる。その名の通り、登場人物や世界観は北欧神話と指輪物語を参考にしている。6つの物語に分かれており、物語ごとに主人公が異なる。RPGだがアクション要素が強く、横スクロールバトルで各ラウンドをクリアしていく。本作は全世界で50万本のヒットとなり、ヴァニラウェアの代表作となった。2015年7月20日にニコニコ生放送にて「アトラス×ヴァニラウェア新本格HDプロジェクト」として『オーディンスフィア レイヴスラシル』のタイトルでリメイクされることが発表された。PS2版から9年ぶりとなる2016年1月14日にPlayStation 4、PlayStation 3、PlayStation Vita用ソフトとして発売されクロスセーブにも対応する。「レイヴスラシル」(Leifthrasir)は生命を受け継ぐ者という意味で、古ノルド語のリーヴスラシル(Lifthrasir)が元になっている。グラフィックがHD化されより緻密になっている。また、ゲームシステムにもPS2版をプレイしたユーザーからの意見や、後発の『朧村正』や『ドラゴンズクラウン』などを参考に大きく手が加えられており、スピーディーかつ快適に遊びやすくなっている。新しい中ボスや、新マップ、新アクション、新BGMも追加される。PS2版ではゲームジャンルは「ロールプレイングゲーム」とされていたが、本作ではアクション性が上がったことにより「2DアクションRPG」に変更されている。なお、PS2版と同様のシステムでHD化された「クラシックモード」(Classic mode)も収録され、「リファインモード」(Refine mode)と切り替えが可能。プロデューサーの神谷盛治は当初はただの移植の予定が大改造になってしまったと語っており、リマスターではなく「リ・クリエイト」だとしている。2016年1月8日よりPlayStation StoreでPS4、PS3、PS Vita用の無料体験版がそれぞれ配信開始された。本編とは異なり、5人のキャラクターから1人を選択可能で、10のステージから構成されたオリジナルのマップをクリアするもの。ストーリー要素はなくアクション要素の体験版となる。データのセーブは不可能のため製品版へのデータ継承は無い。スタートせずに放置することで5人のキャラクターのデモンストレーションムービーを見ることもできる。むかしむかし、あるところにアリスという女の子がいました。ある日、アリスは屋根裏部屋にある書庫で1冊の古い本を見つけたのでした。その本の名前は「ワルキューレ」。アリスは椅子に座ってその本を読むことにしました。それは、とてもとても不思議な物語でした…。オーディンスフィアとは、エリオンの中で巻き起こる争乱と終焉を描いたものであり、それは5人の主人公の視点によって描かれる。5人それぞれが主人公となった物語が存在し、ストーリーを完了する毎に次の物語をプレイする事が出来る。5つ全ての物語が終わると、五つの災厄による世界の終わり、「終焉」が始まる。グウェンドリンが主人公の物語。時系列上では最も遅く始まり、最も遅く終わる。タイタニアとは一切関わらない。魔王オーダインの娘、グウェンドリンは優秀なワルキューレとして戦場を駆けていた。全ては父の寵愛を得るためである。姉グリゼルダが持っていたサイファーの槍を受け継ぎ、奔走するグウェンドリンだったが、オーダインの寵愛は亡国バレンタインの王女、ベルベットに向けられるのみ。それでも一途に父を慕うグウェンドリンは処刑されそうになったベルベットを救い、その咎で厳罰を受ける。それは魔法によって眠りにつき、目覚めて最初に見た男に心を奪われるというもの。そして目覚めたグウェンドリンが見た者は、リングフォールドの魔剣使い、仇敵オズワルドだった…。コルネリウスが主人公の物語。時系列上では「運命と共に」とほぼ同時刻に始まり、最も早く終わる物語である。タイタニアの王子コルネリウスは、亡国バレンタインの王女、ベルベットの恋人だった。ある日、愛を告げようとベルベットの元に赴くコルネリウスだったが、気がついた時彼の姿は獣に変じ、死の国エンデルフィアに倒れていた。そして闇の向こうの謎の声からサイファーの剣を獲得したコルネリウスはエンデルフィアから脱出し、己の身にかかった呪いを解く方法を探して奔走する。メルセデスが主人公の物語。時系列上では「死と闇黒の剣」と同時刻に始まり、二番目に遅く終わる。リングフォールドの王女メルセデスはその幼さも相まって世間知らずなお転婆娘だった。だがコルドロンを巡る戦いの中で母である現女王エルファリアを失った事で彼女を取り巻く環境は一変する。ラグナネイブルに奪われたコルドロン、信頼していたメルヴィンの裏切り、そして妖精そのものの絶滅の危機…。数々の苦難に晒されるメルセデスだったが、森で出会ったカエルや家臣達の助力を得て、女王として成長していく。オズワルドが主人公の物語。時系列上では「妖精の国の物語」と同時刻に始まり、「ワルキューレ」の後半と交替する形で終わる。魔剣を奮うリングフォールドの剣士、オズワルドはその強大な力によって賢竜ハインデルを殺した。全ては養父メルヴィンの願いを叶えるためである。本当の両親に捨てられたオズワルドは妖精であるメルヴィンに育てられ、その恩義に報いるべく彼の命令を遵守した。だが次第に彼の体は魔剣の呪いに蝕まれ、そしてメルヴィンの真意を知って絶望する。そんな彼の支えとなったのは、戦場で出会い、そして死の国で自分を導いた「青い鳥」の半身、グウェンドリンだった。眠りについたグウェンドリンを目覚めさせ、愛を通わせるためにオズワルドは行動する。ベルベットが主人公の物語。時系列上では最も早く始まり、「死と闇黒の剣」と同時刻に終わる。イルリットの森の奥に住む少女、ベルベットは亡国バレンタインの遺された王女であった。コルネリウスと愛を通わせるベルベットであったが、彼女には実の母が遺した呪いと死の予言が遺されていた。そしてベルベットは己と世界の未来に待つ終焉を止めるため、コルドロンを完全に停止させるために奔走する。終焉の予言とはエリオンに伝わる、何時の日か訪れる世界の破滅の事である。バレンタインに伝わるものと、タイタニアの先王、ガロンがまとめた叙情詩「エリオン叙情詩」の二種類があり、どちらも要約すると「世界は“獣”“死の王”“炎”“大釜”“竜(蛇の王)”の五つの災厄によって滅びる」とするものである。:“大釜”がコルドロン、“竜(蛇の王)”がレヴァンタンという名前であるという事以外、一切が謎に包まれている。当初は『プリンセスクラウン2』として企画された。2Dのグラフィックやアクションバトルなど『プリンセスクラウン』の流れを汲んではいるものの、作品としては完全な新作として開発された。神谷は映画のようなゲームではなく、舞台演劇のような演出を目指そうとワーグナーの『ニーベルングの指環』をモチーフに選んだ。当初は登場人物の名前はブリュンヒルデやジークフリートなど原作そのままだったが、ストーリーはオリジナルの要素が強いため、プレイヤーの間でニーベルングの指輪や北欧神話がこのような物語であると誤解されないようにとキャラクター名もオリジナルのものとなった。本作の発売日は2007年5月17日だが、当初アトラスから2006年内に完成するようにヴァニラウェアへ依頼されていたものの、納期に遅れてしまう。マスターアップはしたものの2006年7月13日発売の『ペルソナ3』(アトラス)の売り上げが好調であったために、発売日が数ヶ月ずらされた。ほぼ同時期の2007年4月12日には同じくヴァニラウェア制作の『グリムグリモア』(日本一ソフトウェア)が発売されたが、同社は開発ラインが一本でありオーディンスフィアが完成した後にグリムグリモアが制作された。オーディンスフィアは世界を横から見たサイドビューのアクション画面で物語が進む。槍や剣といったキャラクターごとの武器を使い敵を倒していくが、それだけではなく、魔法やアイテム、装備品も重要な役割を果たす「アクションRPG」である。成長システムは独自で敵を倒しても経験値(EXP)は得られない。EXPはHP(ヒットポイント、体力)とサイファー(武器、攻撃力)で別々に設定されており、それぞれ成長の仕方が違う。HPは食料を食べるごとにHP用のEXPが上昇し、一定量に達するごとにHPの最大値が上昇する。また、主人公たちはいずれも「サイファー」と呼ばれる魔力を秘めた武器を持っており、敵を倒した時に出現する「フォゾン」(魔素)を吸収することでサイファー用のEXPが蓄積され、一定量溜まるとレベルアップし攻撃力が高くなる。また、この魔法の武器サイファーに蓄積された「フォゾン」を消費して様々な魔法(サイファースキル)を使うことができる。サイファーのレベルがある程度上がると新たな魔法を覚える。アイテムは「カバン」に入れることが出来る。最初は8個までアイテムを入れられる大きなカバンを2つ持っており16個までのアイテムを所持できるが、さらにカバンを手に入れるごとにアイテムの所持数が増える。アイテムの所持数に限界があるため、手に入れたアイテムをいつ、どこで使うかが攻略上重要になる。アイテムは敵から倒して入手したり、商人から購入する他にも、「マジックレシピ」を入手した後は、魔法薬を合成することも可能になる。また、植物の種子を地面に植え、フォゾン(魔素)を与えることで「実」を入手することもできる。食事のレシピを入手した後でプーカの地下街にある料理店や喫茶店に材料と代金を持って行くと料理を注文することができる。食事のグラフィックもそれぞれ個別に用意されており、食欲をそそる。システム的には前述の通り、食事を取ることでHPの最大値を上昇させることができる。このようにシステム面でも他の作品には無い独自の要素が取り入れられている。が、ギリギリに行ったバグの修正で負荷が増えたため、敵が多いボス戦等でプレイに支障が出る程の極端な処理落ちが発生する箇所が散在する(特にボスに加えて雑魚敵も多く出現する各キャラ最終章のボスは躊躇)。この処理落ちはリメイク版では修正されている。またレイヴスラシルでは多くの部分がシステム変更されている。
出典:wikipedia
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