蠅叩き(はえたたき)は、おもに屋内でハエやゴキブリなどの害虫を叩いて駆除する道具。最近は樹脂製のものが多いが、金属製のものもある。かつてはシュロ製で、「はえうち」や「はいうち」(福岡)ともいい、江戸時代慶長年間の『童蒙先習』には「直なる物。棕櫚...葉は蠅うちに」とある。虫を叩き潰す部分は広く平らな形状となっており、蠅叩きを振り下ろした際の風圧で小さな虫を吹き飛ばしてしまわないように網目状になっている。また、柄の部分は持ちやすいように細くなっている。樹脂製の製品では末端部(吊り下げ穴などが設けられる部分)に叩いた後の虫の死骸をつまむため、取り外し式の樹脂製のピンセットを内蔵しているものも多いが、この樹脂製のピンセットは本体と同色の樹脂製であることがほとんどで製品全体が一体化されていることから、末端部にピンセットが付属されていることについて知られていないことも多い。棕櫚で作られたものは、プラスチック製よりも捕獲率が良いようである。ランダムな編み具合で空気の乱れが生じ、風圧が一定でないために捕獲率が高いと考えられる。棕櫚のしなりが捕獲率を高めているかも知れない。また、蝿や蜂などの小物は編まれた棕櫚の間に挟んで摘むことができる。さらに、編まれた棕櫚で叩かれると完全に潰れることが少ない。現代の日本においては、害虫を直接叩き潰すことから衛生的ではないとされるうえ、殺虫剤の発達や家庭における衛生環境が向上したことなどから、見かけることが少なくなった。ただ、殺虫剤を振りまくのがはばかられる場所(例えば台所や食卓)では重宝する。蠅や蚊を叩き殺す類似の物に、電撃ラケットがある。小さなラケット状の柄部に電池を内蔵し、叩く部分(金属メッシュ)は通電部となっており、飛んでいる蠅や蚊へ振り下ろすことで通電部に接触させ、電気ショックで殺すというものである。虫取り網も飛んでいる虫を捕まえるのに効果的であり、家庭で使用する場合は柄を短くすると使いやすい。形が漢字の「甲」の字に似ていることから、昭和初期の学生が成績の甲乙丙の甲を表す隠語としても用いた。そのほかにも、地上から敵航空機などを撃墜する対空兵器の俗称として、敵航空機などを蠅に見立てて「ハエたたき」と呼ぶことがある(例えば87式自走高射機関砲など)。また、鉄道趣味者の間では古い形式の電柱に「ハエタタキ」の俗称を用いる。これは、多数の碍子を支えるために何本もの張り出しが存在する様子が蠅叩きに似て見えるためである。
出典:wikipedia
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