『安楽椅子探偵』(あんらくいすたんてい)は、ABC朝日放送系列で放映されたテレビドラマシリーズ、および同シリーズに登場する探偵の呼称。視聴者参加型の推理ドラマであり、劇中の殺人犯人およびそのトリックを当てる公式懸賞企画が催される。1999年10月1日に第1作の出題編が放映されて以来、これまでに第7作まで製作・放映されている。原作は、7作品とも推理作家の綾辻行人と有栖川有栖の共同執筆による書き下ろし。脚本は戸田山雅司。2週連続で放映される推理ドラマで、まず第1週目に、ストーリーテラー(作品ごとに異なる)による冒頭の番組紹介のあと、事件の発生と経過や事件の関係者を詳しく描写する出題編が放映される。出題編のドラマ本編のあと、再びストーリーテラーが現れて視聴者への挑戦を宣言する。番組最後のコーナーでは原作者二人が登場し、対談形式で原作執筆時のエピソードや正解に至るためのコツなどを語る。翌週の解決編では、謎の人物安楽椅子探偵が登場して、明快な推理と証拠をもとに謎を解き、犯人を特定して事件を解決する。安楽椅子探偵が去ったあと、劇中の登場人物によるエピローグで終幕する。エピローグ最後のカットでは、数学において「証明終わり」を意味するQ.E.D.の文字が映し出されるのが恒例となっている。解決編本編終了後、ストーリーテラーと原作者二人が登場して、犯人当て懸賞への応募状況の分析と正解者の発表を行う。視聴者は出題編放映後に、番組中に示された映像、テロップ、音声などあらゆる情報をもとに推理を組み立て、葉書もしくは公式ウェブサイトのフォームから、を記述して懸賞に応募できる。締め切りは解決編の放映の2,3日前に設定される。不必要に推理の可能性を広げないため、推理の際の前提として以下の条件が提示される。締め切りまでに届いた回答の中から正解者を選び出し、その中でも原作者自身がもっとも「エレガント」と考える回答を当選として選出し、解決編のドラマ本編が終了したあとのコーナーで紹介する。当選者や次点の応募者には、懸賞金や原作者のサイン入り著書などがプレゼントされる。犯行の動機は出題編の内容だけからは不明瞭なことが多いが、動機がどう推定されようと犯人の特定プロセスには直接影響しないとされる。むしろ作品中に示された事象のみからいかに論理的・直截的に「この犯人以外はありえないこと」を示すか、が「エレガント」かどうかの指標とされている。原作の綾辻と有栖川は、「このシリーズではテレビ番組という媒体でなければ成立しえないミステリーの構築を目指している」と本編終了後の対談コーナーで繰り返し語っている。実際、推理小説等の文字媒体ではおそらく表現しえないであろうテレビ独特の演出を逆手にとったトリックやヒント、さらには視聴者をミスリードするさまざまな情報が本編中に数多くちりばめられており、小説から派生して製作された従来の映画、テレビドラマとは異なる新領域を目指したものといえる。本作品に登場する安楽椅子探偵(演/声:草野徹、第5作のみ演:坪田秀雄・声:草野徹)は、本来の語義どおり、現場に赴くことなく椅子に腰掛けたまま、論理的な推理のみですべての謎を解明する探偵であるが、本作品では、探偵自身の劇中における実在性が曖昧で、荒唐無稽な謎の超越的存在として描かれているところが他の安楽椅子探偵系ミステリと比べて特徴的な点である。安楽椅子探偵は、劇中の登場人物がなんらかの形で譲り受けた小さなオカリナ型の笛を吹くことによって現れる。この笛には、という制約が課されている。第1作出題編冒頭の時点ですでに誰が作ったものかはわからなくなっており、劇中の登場人物が通りすがりの人間から受け取ったものとして登場する。この笛を持っている人物が劇中で殺人事件の犯人として疑われて窮地に追い込まれ、やむにやまれず笛を吹くところで出題編のエンディングを迎えるものがほとんどである。(第4作は例外。)また、第6作目では本編中の事件解決以外の用途(ある登場人物が過去に遭遇した事件の解決)で用いられたことがあるが、そのせいで本編の殺人事件の推理に使うことが出来ず、その人物が殺された後に別の人物が使っていた(言うまでもないが、少なくとも8回(本編7回+前述の第6作で触れられている事件)は犯人解明に使われている)。解決編の冒頭では、笛が鳴り響いたあと、安楽椅子探偵がスモークと閃光の中どこからともなく現れる(なお、登場時に「カルミナ・ブラーナ - おお、運命の女神よ」が流れる)。目の部分だけが開いた銀色の仮面をかぶり、黒ずくめのフード付きマントを羽織り白い手袋をはめ、肘掛け椅子に腰掛けている、という異様な姿で登場する。安楽椅子探偵が現れる空間は純粋推理空間と呼ばれ、劇中の現実世界とは異なる特別な空間である。この空間には劇中事件の関係者すべてが集められており、安楽椅子探偵は彼らと会話を交わしながら、事件解決の鍵となる条件をひとつひとつ整理しつつ推理を進行する。推理の過程では、出題編のシーンを宙に浮かぶ仮想スクリーンに再生しながら推理結果を検証していく。黒子を犯人に仕立てて未放映の犯行シーンを再現したり、必要であればすでに死亡した被害者を一時的に生き返らせて再現シーンを構成することもある(ただし死者は純粋推理空間に存在することはできず、スクリーンの内側のみの存在であり、会話もできるが犯人の名前を語ることはできない)。推理の説明の都合上必要であれば、場所を移動したり任意の道具類を出現させたりできるなど、純粋推理空間における安楽椅子探偵はすべてを超越した存在である。推理が完了するまで、集められた登場人物たちはもとの世界に戻ることはできない。出題編ではシリアスな演技に徹していた登場人物たちは、解決編の純粋推理空間内ではコメディタッチに描かれ、互いにコミカルな掛け合いをしつつ、安楽椅子探偵に次々に疑問をつきつけていく。安楽椅子探偵はそれらに対して一つ一つ丁寧に解答を与えながら推理を進め、犯人特定に至る。推理が完了し犯人が特定されると、安楽椅子探偵は再びスモークと閃光の中に消え、劇中で笛を吹いた直後のシーンに戻る。笛を吹いた人物以外は安楽椅子探偵の出現と推理を一切覚えておらず、登場人物の誰かが名推理によって犯人を特定し事件を解決に導いたことになっている(笛をふいた人物が解決したことになっている場合もある。)。以上のような演出によって、本作品の安楽椅子探偵はいわゆるデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)というべき存在として描かれている。※ 放映日は近畿地区における朝日放送でのものキャストキャストキャストキャストキャストキャストキャスト
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。