


ミラ(Mira)は、くじら座のο(オミクロン)星(ο Cet)。最も有名な脈動変光星の1つで、ミラ型変光星の代表星である。ミラは他の脈動変光星と同様に、星が最も収縮した直後に明るさが極大となる性質を持つ。収縮時には恒星が高温となり、単位面積当たりの明るさが増えるためである。膨張時には逆の現象が起きるのに加え、低温の恒星大気に光を遮る酸化チタンの雲が発生し、光度の低下に拍車を掛けていると考えられている。2.0等と10.1等の間を約332日の周期で変光するが、極大等級も周期も必ず一定になるとは限らない。ミラの後方には全長約13光年にわたって彗星の尾のような構造が延びている。これは脈動の過程で放出された恒星の外層部の残骸とみられる。通常、恒星から放出された物質は惑星状星雲になるか拡散して観測できなくなるが、ミラは周囲の星間物質に対して高速で移動しているため、特有の構造が形成されたと推定されている。ミラは実視連星でもあり、赤色巨星の主星(ミラA)と伴星(ミラB)からなる。ミラBも不規則に明るさを変化させる変光星であり、変光星名をくじら座 VZ星(VZ Cet)という。ミラBは降着円盤を伴う白色矮星だと考えられている。ミラは、ファブリツィウスによって発見されて以来、長らく新星と考えられていた(しかしながら、数年後には再発見されていたのであるから、今でいう反復新星ということになる)。そのため、ロワーエの星図やヘヴェリウスの星表、フラムスティードの星表などではいずれも新星として扱われていた。18世紀の後半になって、『フラムスティード星図』 のパリ・第2版(1776年)で "Variante"、同パリ・第3版(1795年)で "Changente" と記されており、この頃には変光星として認知されていたと考えられる。1662年に書かれたヘヴェリウスの著書「不思議な星の小史」 ("Historiola Mirae Stellae") の表題から、ラテン語で 「不思議な」 を意味するミラ (Mira) という名前で呼ばれるようになった。実際にこの呼び名が使われたのはボーデによる 『フラムスティード星図』 のベルリン版(1782年)が最初である。2016年6月30日には、国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) によって "Mira" が固有名として正式に承認された。しばしば星座名を伴ってミラ・ケーティー(Mira Ceti)や「ミラ・ケチ」と呼ばれた。また、ミラは「くじら座の心臓」に当たるといわれるが、別名の Collum Cetiはラテン語で「くじら座の頚」を意味する。ヘヴェリウスは、1690年に出版した星表 "Prodromus Astronomiae" では Nova in Collo Ceti(くじら座の頚にある新星)と記している。
出典:wikipedia
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