2004年の日本への台風集中上陸は、2004年6月から11月まで約半年間に亘って続いた。各地で多くの犠牲者や被災者が出たほか、農産物を中心に経済への打撃も深刻なものとなった。特に日本では、過去に例を見ない程に上陸が相次いだ。2004年の台風の発生数は29個。そのうち、日本への上陸数は10個で、上陸率は3分の1を超え、平年値2.6個の4倍となった。当時の上陸数の最多は1990年と1993年の6個であり、これを大幅に更新したことから社会的にも大きな関心を集めた。さらに、台風23号は平成になって最多の死者数を記録するなど、勢力を保ったまま上陸する台風も多かった。そのほか、中国とフィリピンでそれぞれ4個、台湾に3個、インドシナ半島に1個上陸し、被害を出している。日本への上陸は、6月から10月にかけて続いた。例年ではあまり上陸のない6月や10月に、死者を出す台風が上陸している。年間10個の上陸は観測史上最多となった。また、日本への接近数19個と、南西諸島への接近数15個も、それぞれ過去最多となった。フィリピンに連続して上陸した25・26・27号、日本に連続して上陸した21・22・23号と15・16・18号など、連続して上陸する例が多かった。フィリピンでは25・26・27号による死者が合計で1,500人を超えるなど甚大な被害となった。日本への台風上陸・接近数が多くなった直接の原因は、太平洋高気圧の配置が例年と異なっていたことだと考えられている。台風は普通、発生後北緯20~30度付近までは貿易風の影響で西寄りに北上し、北緯20~30度付近からは偏西風の影響を受けて方向転換し東寄りに北上する。このとき、台風の経路を妨げる壁となるのが太平洋高気圧であり、多くの台風は太平洋高気圧の西端を沿って進む。2004年の夏から秋にかけて、太平洋高気圧が平年より北に位置し、西端は日本の東にあり、台風が日本付近を経路としやすい気圧配置になっていた。このような気圧配置になった原因として考えられることは、気圧配置を決める地球規模の大気循環の変動と、海水温の変動である。この地球規模の大気循環の変動の原因の1つと考えられるのが地球温暖化であるが、大気循環の変動の仕組み自体がまだ詳しく解明されていない現在、この変動が人為的な地球温暖化によるものなのか、それとも自然に起こりうる範囲での変動なのかははっきりとしていない。また、海水温については、地球規模で気圧配置に変動を起こすエルニーニョ・ラニーニャ現象はこの時期前後には発生していなかった。ただ、2004年の天候異常として東アジアの広範囲で高温が続くなどしていたため、海水温が例年と異なり気圧配置が変わった可能性もある。過去の統計と比較して、2004年の台風の勢力は特に強かったわけではないが、いわば日本が偶然台風の通り道となり、人口密集地に上陸・接近した台風が多く、多大な被害が出ることになったと言える。2004年の日本は、10個の台風上陸に加えて新潟・福島豪雨、福井豪雨などの気象災害が多発した。また、年の後半に浅間山噴火、紀伊半島南東沖地震、新潟県中越地震などが続き、災害の被害がメディアで例年に比べて多く取り上げられ、今年の漢字に「災」が選ばれるなど社会的にも関心が高まった。
出典:wikipedia
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