アジアゾウ("Elephas maximus")は、長鼻目ゾウ科アジアゾウ属に分類されるゾウ。現生するゾウ目(長鼻目)3種のうちの1種(他はアフリカゾウとマルミゾウ)。、現生種はアジアゾウ1種のみである(2013年の知見)。アジアゾウ属の模式種。長生きで知能が高い。インド、インドネシア(スマトラ島、ボルネオ島)、カンボジア、スリランカ、タイ、中華人民共和国(雲南省のLincang・Simao・Xishuangbanna)、ネパール、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー、ラオス。パキスタンでは絶滅。模式標本の産地(模式産地)はスリランカ。古代には西アジアや中国大陸の南部まで分布していた。体長5.5 - 6.5メートル。尾長1.2 - 1.5センチメートル。体高2.5 - 3.2メートル。最大体重6,700キログラム(オス5,400キログラム、メス2,720キログラム)。背中が丸く、最も高い位置にある。鼻の皺はあまり隆起しない。鼻の先端には突起が上部に1つだけある(アフリカゾウとマルミミゾウは突起が上下に2つ)。耳介は小型。前肢の蹄は5本、後肢の蹄は4本(アフリカゾウは前肢に4本、後肢に3本、マルミミゾウはアジアゾウと同じく前肢に5本、後肢に4本)。アフリカゾウ、マルミミゾウとは異なり、頭には2つのコブがある。出産直後の幼獣は体重50 - 150キログラム。メスは上顎の門歯(牙)が口外に出ない。オスでも多くの個体(約90 %)で牙が口外に出ない。(Shoshani & Eisenberg, 1982)、(Shoshani, 2005)では基亜種・亜種インドゾウ・亜種スマトラゾウの3亜種のみを認め、亜種マレーゾウ"E. m. hirsutus"や亜種"E. m. borneensis"は亜種スマトラゾウのシノニムとしている。和名・英名は(Barnes 犬塚訳, 1986)に従う。主に森林に生息する。食物を求めて放浪するが、近年では生息地の破壊により季節的な移動でも30-40キロメートルに限られる。メスと幼獣からなる群れを形成し、群れに発情したメスがいる場合はオスも加わる。食性は植物食で、主に草を食べるが木の枝、葉、樹皮、根、種子、果実なども食べる。繁殖様式は胎生。5 - 8年(食物が豊富な場合は2 - 4年)に1回繁殖する。妊娠期間は615 - 668日。1回に1頭の幼獣を産む。授乳期間は2年。メスは生後9年で性成熟した例もあるが、生後17 - 18年で初産を迎える個体が多い。寿命は60 - 80年と考えられている。神話などにも登場し、現在でも地域によっては白変個体が神聖化されたり宗教的儀式において利用されることもある。中国では約4,000年前から記録が残り、漢字の「象」は甲骨文字の実際のゾウの姿の象形からきた。牙が象牙として珍重され、また骨灰が漢方薬になると信じられている。約5500年前にはインダス川流域で運搬などに使役され、約3,000年前から戦争の道具として利用されることもあった。農地を荒らす害獣とみなされ、インド・スリランカなどでは本種による死者も出ている。森林伐採・開墾による生息地の破壊、牙用や薬用、使役用の乱獲などにより生息数は減少している。1995年における生息数は35,490 - 49,985頭と推定されている。ヨーロッパの動物園及びサーカスにおいて、1902年~1992年の90年間に121頭が誕生、内34頭は1982年~1992年の10年間に誕生している。内48頭は、早産又は母親が原因となった事故等で死亡している。北米の動物園では、1880年~1996年の116年間で104頭が誕生、内34頭が1年以内に死亡している。世界的に、人工飼育下での出産率は0.7%程度と言われている。内、日本で繁殖した例は以下のとおり。また、海外では人工授精での繁殖に成功している。1975年頃から試みが始まり、1999年11月26日、アメリカのディッカーソンパーク動物園で初めて出産に成功した。新生児の体重は171kgで、それまでの新生児の中では最大であった。その後、アメリカ、オーストラリア、イギリス、チェコ、イスラエル、ドイツ、タイで成功例があり、現在では25例以上の実績がある。繁殖の切り札として期待は大きいが、発情期を特定し、オスからの採精やメスに人工授精するための訓練を必要とするなど、課題も多い。
出典:wikipedia
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