『太陽の子』（てだのふぁ）は、灰谷健次郎の児童文学作品である。1979年に理論社から単行本が出版された。挿絵を田畑精一が担当した。のち、新潮文庫版が刊行されたが、1997年に起きた神戸の事件の流れで絶版となり、現在は角川文庫版が刊行されている。1980年に浦山桐郎監督で映画化、1982年にNHK総合テレビジョンの『ドラマ人間模様』枠でテレビドラマ化されている。児童文学の世界に沖縄戦という社会問題を盛り込み、そのテーマ性に対して賛否の議論を呼んだ作品である。時は1975年。神戸市に住む大嶺芙由子は小学6年生の少女で、周囲からは「ふうちゃん」と呼ばれている。父は半年前から突然精神状態が不安定になり、心身症と診断されていた。芙由子の母は、「てだのふぁ・おきなわ亭」という大衆料理店を営み、店には沖縄出身の人々が常連として集う。その一人が、やはり沖縄出身で母に捨てられたキヨシ少年を店に連れてくる。だが、キヨシはそんな善意を無にするように、相手の金を盗んで姿を消してしまう。芙由子が沖縄の風習にある風車を常連たちに配ったとき、沖縄戦の集団自決で片手を失ったロクさんは外で風車を握ってすすり泣いた。芙由子は父が「ふうちゃんが殺されるやろが」と発作の時につぶやいたことを思い出す。父の主治医から「沖縄ではいろいろなことがあったらしいから、それが原因ではないか」と聞いた芙由子は、沖縄について調べ始める。だが、父は周囲の気遣いもむなしく、自ら命を絶ってしまう。正式なタイトルは『太陽の子 てだのふあ』。1980年9月13日に公開。監督・脚本は浦山桐郎。ほか1982年10月17日〜11月14日に放送。全5回。長谷川真弓の出世作。ほか

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