旭川荘（あさひがわそう）とは岡山県岡山市北区に本部を置く、障害者施設を中心に事業を行う社会福祉法人である。医師の川﨑祐宣（川崎学園の創始者。鹿児島県姶良郡出身）が「敬天愛人」―天を敬い人を愛する人間尊重の精神を基本に創立した総合医療福祉施設である。岡山市の北部に位置し、岡山県を代表する河川である旭川と江戸時代に百間川の中間にある中洲に建設されている。岡山駅から二駅という近さであるが、周りには山や畑が広がっており、のどかな風景を見ることができる。岡山県、愛媛県及び中国上海市に、障害者医療福祉、知的障害福祉、身体障害福祉、高齢者福祉、児童福祉、地域医療、相談支援、教育・研修・研究の8分野の医療福祉サービスを展開し、施設数は70を越え、利用者はおよそ3000人、職員約2000人で構成される。ボランティアは毎年2万人、海外からは中国、韓国、台湾、タイから50人を越える研修生・視察者を迎えている。創業者の川崎祐宣は岡山医科大学（現在の岡山大学）を卒業後、1939年（昭和14年）に岡山市中山下に「川崎病院」（現在の川崎医科大学附属川崎病院）を開業した。川崎病院は順調に成長していったが、日々の診療の中で障害者や老人にきちんとした教育やケアが行われていない現状に気付いた川崎は医療と福祉を組み合わせた「医療福祉」の必要性を感じるようになる。当時広大な空き地があった旭川の中洲の土地を得た川崎は1954年（昭和29）年に岡山市長らの協力を得て「社会福祉法人旭川荘設立趣意書」を発表した。これに医学界、経済界、宗教界、行政など各界の賛同、支援が集まり、1957年（昭和32年）4月に創立された。当初は肢体不自由児施設である「旭川療育園」、知的障害児施設である「旭川学園」、乳児施設である「旭川乳児院」の3つの施設で出発した。川崎はその後30年近くにわたって理事長として施設の発展に努めたが、1984年（昭和60年）に理事長職を退き、医師の江草安彦が2代目理事長となった。

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