出前機(でまえき)とは、自転車やビジネス用オートバイに岡持ちなどを積載するための装置の通称。正式名称は出前品運搬機(でまえひんうんぱんき)。自転車・オートバイの荷台に加工し装備され、出前に用いられる。基台から上方へ延びた腕から、空気ダンパーや金属バネを組み合わせたサスペンションを介して岡持ちなどを載せる台が吊られており、オートバイの走行振動がバネで緩衝される構造になっている。また積載台が腕から振り子のように自由に揺動させオートバイ走行に特有なバンクを緩衝する。積荷の対象によって岡持ち専用のものと盆を介して重ねた丼や寿司桶のほか蕎麦蒸篭をそのまま積むものとに大別される。1950年代前半(昭和20年代後半)、自転車による曲芸的な蕎麦屋の出前は健在だったが、交通量の増加につれ重大な事故も多発するようになっていた。それに心を痛めた東京都のとある蕎麦店主が「出前の機械化」を思いつき、素人ながら図面を引き失敗と試行錯誤を繰り返しながら実用化に成功。1959年(昭和34年)頃には3段まで積めるものが完成、特許を取得した。1964年(昭和39年)の東京オリンピックでは日本国内を4コースに分けて聖火リレーが行われた。だが、リレーの本番の前に道中で雨風や進路妨害の下で聖火が消されることを想定し、大切な聖火を秘めた予備のランプをランナーの追走車に搭載する事になったが、当時の日本の道路状況は不整地も多く、地面の凹凸のショックや急ブレーキにより途中で消えてしまう事態が懸念された。そこでどんな傾斜や振動でも、ランプの灯が揺れたり消えたりしないようにするために、出前機の機構を事前にテストした末に採用。乗用車の後席にランプを搭載した出前機が取り付けられ、日本全国7,000キロのリレーに伴走した。10月10日のオリンピック開会式当時でもランプに異常はなく、ランナーも順調に聖火を運んだ。先の開発者である蕎麦店主も開会式に出席し、聖火点火の瞬間、大いに感激したという。使用された出前機は秩父宮スポーツ博物館に聖火ランプとともに保存されている。
出典:wikipedia
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