『キッド』は、1921年に公開されたサイレント映画。監督・脚本・主演(サウンド版では音楽もチャーリー・チャップリン、助演ジャッキー・クーガン。『キッド』は、オープニングで「笑いと たぶん涙の物語」と語っている通り、映画史上初めて喜劇と悲劇の融合が効果的に取り入れられた長編喜劇映画である。当時ヴォードヴィルの一芸人にすぎなかったジャッキー・クーガンは、これを期に映画界で最も有名な子役となった。チャップリンの研究家の多くは、チャップリンの第一子が制作開始の直前に死んでいることが、この映画での子供への親密な愛情表現につながっていると指摘している。貧困と金持ちの傲慢に関する描写は、チャップリンのロンドンでの体験が直接に反映されている。その後チャップリンは、アカデミー賞名誉賞の授賞式のため一時アメリカに滞在した1972年に、クーガンとの最後の再会を果たしている。劇中で魅惑的な天使を演じるリタ・グレイは、1924年から1927年までチャップリンの妻(二人目)となった。撮影は1920年に終了したが、『キッド』はチャップリンの最初の妻ミルドレッド・ハリスとの離婚訴訟に巻き込まれた。離婚に関してはいったん和解が成立していたのだが、チャップリンと『キッド』の配給元であるファースト・ナショナル社との間で契約上のトラブルがあった(チャップリンが六巻物の劇映画として製作していたのに対し、ファースト・ナショナル社は二巻物の短編喜劇3本という扱いにして、チャップリンへの給与を削ろうとした)ため、離婚訴訟を利用して『キッド』の未編集フィルムを差し押さえてしまおうという企みがあった。チャップリンは差し押さえを避けるため、フィルムをコーヒーの缶につめてソルトレイクシティのホテルの一室へと逃れて編集作業を行った。下町のシーンのいくつかが撮影されたオルベラ・ストリートは、撮影より十年ほど前、観光客向けにメキシコ風に改装された街である。当時オルベラはほとんど忘れ去られた狭苦しい街であり、汚い下町の雰囲気を強調するのに適していた。慈善病院を出たある婦人(エドナ)は、車の中に自分が産んだ赤ん坊を置き去りにする。一方、放浪者(チャーリー)はその車の持ち主が途中で捨てていった赤ん坊を見つけて可愛そうに思うあまり、育てようか悩んだ挙句、通りがかった警官や乳母車を担いだ余所の婦人ににらまれた末、赤ん坊のそばにあったエドナの置手紙を見たことにより、自分の家でその赤ん坊を育てることにした。五年後、育ったキッド(ジャッキー)とともに、チャーリーはキッドにいたずらでガラスを割らせる一方でガラスの修理を行い、被害者から修理代をいただき、生計を立てていた。キッドはいたずらで石を投げようとするところを警官に見つかり、石を放り出して逃げていった。その後慈善活動として子供と親しむようになっていたエドナは偶然成長したキッドと再会し、キッドはエドナからおもちゃをもらう。ある時、キッドは街のいじめっ子に出会い、けんかになるところをチャーリーは見かねてキッドを助けに行こうとするが、いじめっ子の兄がやってきたため、決闘沙汰になる。結局兄は引き下がったが、エドナが熱を出したキッドを担いでチャーリーの元に駆け込む。呼ばれた医師が見つけた「この子をよろしくお願いします」というエドナの手紙により、キッドが孤児であると発覚すると、孤児院の職員がキッドを孤児院に連れていこうとするが、チャーリーはキッドと組んでこれを拒む。宿屋でチャーリーと泊まったキッドを見た宿主はエドナが新聞に懸賞金付きで投稿したキッドを探し出す旨の記事を見つけ、眠っていたキッドを連れ出した。キッドがいなくなったことに気づいたチャーリーは必死でキッドを探し出そうとするが、エドナが訪れた警察署で匿われたキッドを保護する一方、チャーリーはキッドを探し疲れて眠りにつき、天使や悪魔、そしてキッドが現れる夢を見た。そして警官に起こされてエドナの邸宅に連れていかれ、キッドとの再会を果たした。
出典:wikipedia
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