1991年のワールドシリーズは、1991年10月19日から10月27日まで行われたメジャーリーグのワールドシリーズである。第88回ワールドシリーズ。アメリカンリーグは東地区の覇者トロント・ブルージェイズを破り4年ぶり出場のミネソタ・ツインズ。ナショナルリーグは東地区の覇者ピッツバーグ・パイレーツを破り1982年以来9年ぶり出場のアトランタ・ブレーブスとの対戦となった。ワールドシリーズ史上初めてとなる前年最下位チーム同士の対戦に、ツインズの地元ミネアポリスのスター・トリビューン紙は「2人のシンデレラにガラスの靴はたった1つ」という粋な見出しをつけた。結果は4勝3敗でミネソタ・ツインズが4年ぶり3回目のワールドチャンピオンとなった。全7試合中、1点差勝負が5試合、延長戦が3試合、サヨナラ試合が4試合と劇的な要素が揃った「シンデレラ・シリーズ」となり、ワールドシリーズ史上に残る名勝負と讃えられる。MVPは2勝0敗、防御率0.59、15奪三振の成績をあげたジャック・モリスが初選出。表中のRは得点、Hは安打、Eは失策を示す。日付は現地時間。ツインズの先発ジャック・モリスが好投。試合はグレッグ・ギャグニーの3点本塁打やケント・ハーベックのソロ本塁打などで終始ツインズが優勢に進め快勝した。1回裏、ダン・グラッデンが凡フライをセカンド付近に打ち上げる。しかしマーク・レムキーとデビッド・ジャスティスが衝突し、エラーしてしまう。この隙にグラッデンは二塁へ。グラビンは四球後ダブルプレーを奪って二死二塁とするが、チリ・デービスに先制2点本塁打を打たれてしまう。ブレーブスはその後2本の犠牲フライで同点に追いつくが、8回裏スコット・ルイスに勝ち越し本塁打を打たれあっけなく勝負は決着した。ブレーブスは1、2戦に続いてツインズに先制を許すが、ラファエル・ベリアードのタイムリーで同点。そして4回、デビッド・ジャスティスの本塁打でこのシリーズ初めて勝ち越す。6回にはロニー・スミスにも本塁打が飛び出し突き放す。ところがツインズも負けじと一発攻勢、カービー・パケットとデービスが7、8回に本塁打を放ち同点。そのまま延長に突入。12回表、ツインズは二死満塁のチャンスを迎えるが控えの野手を使い切っていた。監督のトム・ケリーはリリーフのリック・アギレラを使うしかなかったが、センターフライに終わった。その裏、マウンドにはアギレラが登る。するとジャスティスがライト前ヒットで出て盗塁する。その後二死一、二塁となるが、マーク・レムキーがレフトにヒットを打つ。ダン・グラッデンからの返球をかいくぐり、ジャスティスがホームインしサヨナラ勝ちをおさめた。この試合時間は4時間4分に及び、2005年第3戦に破られるまで最長記録だった。ツインズはマイク・パグリアルーロの併殺打の間に先制するが、ブレーブスはテリー・ペンドルトンの本塁打で追いつく。7回にパグリアルーロの本塁打でツインズが勝ち越すが、その裏ブレーブスはロニー・スミスに一発が出て再び追いつく。前日に続いてまた延長戦かと思われた9回裏1死、前日サヨナラヒットを放ったレムキーが三塁打を打ち、大チャンスを迎える。その後ジェリー・ウィラードがライトに大きな当たりを放つと、シェーン・マックが返球する。マーク・レムキーが必死にタッチアップし、捕手のブライアン・ハーパーのタッチよりわずかに先にホームイン。ハーパーは審判に猛抗議するが、映像ははっきりとセーフの瞬間を映し出していた。これでブレーブスは二試合連続のサヨナラ勝ちとなり、戦績を2勝2敗のタイに戻した。先発は第2戦と同じ顔合わせとなった。しかし試合のほうは第2戦のように接戦にはならず、ブレーブスが4回にこのシリーズ初めて先制すると打線が爆発。結局3本塁打17安打で14点を奪う大勝となり、世界一に王手を掛けた。ロニー・スミスは3試合連続で本塁打を放ち3連勝に貢献した。後がないツインズは1回、カービー・パケットのタイムリー三塁打などで2点を先制。ブレーブスは3回にロン・ガントが左中間へいい打球を打つが、パケットにフェンス際で好捕されるなど、いい当たりを放つも野手の正面を突く攻撃が続く。しかし5回、ペンドルトンの2点本塁打が出て同点に追いつく。その裏ツインズはパケットの犠牲フライで勝ち越すが、7回ブレーブスはヒット2本と四球で無死満塁、逆転のチャンスを迎える。しかしカール・ウィリスの好投で同点止まりとなり延長戦に突入する。ツインズは10回、11回とピンチを乗り切り、裏の攻撃を迎える。リリーフを使い切っていたブレーブスは、本来先発要員で緒戦にも先発しているチャーリー・レイブラントを登板させた。最初の打者はカービー・パケット。これまで不振を囲っていたパケットだがこの試合は攻守ともに活躍していた。観客の期待を背負って打席に入ると、4球目のチェンジアップをフルスイング。見事なサヨナラ本塁打となった。この試合を実況していたジャック・バックは、本塁打の瞬間に「And we'll see you tomorrow night!(明晩お会いしましょう!)」と言った。20年後、2011年のワールドシリーズの同じ第6戦で、ジャックの息子であるジョー・バックはデビッド・フリースのサヨナラ本塁打の瞬間に同じ台詞を実況した。先発投手は第4戦と同じ顔合わせ。そして互いに死力を尽くす投手戦になった。0対0で迎えた8回表、この土壇場でツインズの内野陣は伝説的なトリックプレーを行う。ブレーブスは無死で一塁にスミスを置き、次打者のペンドルトンが左中間に大きな当たりを放つ。当たりはツーベース性でスミスはスタートを切っていたのでホームインも可能だったが、なんとスミスは打球を見失ってしまう。それを見た遊撃手のギャグニーと二塁手のチャック・ノブロックが内野ゴロをダブルプレーとしてさばくような動きを見せる。スミスは二塁にスライディングしてしまい、トリックに気づいて走ったものの結果的に三塁で足止めになった。とはいえ無死二、三塁のピンチに変わりなく、モリスが1死を取ったところで監督のケリーがマウンドへ向かった。しかしこれまでのモリスの好投を見ていた観客が「代えるな、代えるな」と大声援を送る。ケリーはこれによってモリスを続投させる。奮起したモリスは、敬遠で一死満塁にした後シド・ブリームを今度は本当にダブルプレーに仕留めてみせた。その裏、ツインズはスモルツを攻め立て、一死一、三塁のチャンスを迎える。ボビー・コックス監督は迷わずスモルツからマイク・スタントンにスイッチする。スタントンはパケットを敬遠で満塁とした後、ハーベックを迎える。しかしハーベックはセカンドライナーで併殺打、表のブレーブスと同じような攻撃になってしまった。10回表をモリスが抑えると、その裏グラッデンが二塁打を放つ。送りバントで一死三塁とすると、一点を奪われたらシリーズの敗北が決定するブレーブスは敬遠策で満塁とする。ここで打席は代打のジーン・ラーキン。大歓声の中ラーキンはレフトの後ろへぽとりと落ちるサヨナラヒットを放ち、ようやく勝敗が決着した。この試合を解説したジョニー・ベンチは、「今年に比べれば、あの時はたいしたことなかった」とコメントした。
出典:wikipedia
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