タイガー級防空巡洋艦(タイガーきゅうぼうくうじゅんようかん、)は、イギリス海軍の軽巡洋艦。スイフトシュア級軽巡洋艦の船体に、6インチ連装両用砲2基を装備していた。本級のうち2隻は1972年にヘリコプター巡洋艦に改装された。本級は元々はマイノーター級軽巡洋艦として建造中であったが、1941年計画の5隻と1942年計画の1隻は戦訓から復元性の強化のために船体幅を0.3m増やし、近接火器40mm機関砲の増載と新型の射撃指揮装置を装備した対空強化型として改設計された。しかし、第二次世界大戦の終結により不要不急となったために建造工事は中断された。このうち、船体の工事の進んでいた「タイガー」「ライオン」「ブレーク」の3隻は1955年に設計を改めてタイガー級防空巡洋艦として再発注され、1959年にタイガー、1960年にライオン、1961年にブレークの3隻が竣工した。その後、「タイガー」と「ブレーク」は後部の砲を撤去し、ヘリコプター4機を搭載した対潜指揮巡洋艦に改装された。基本デザインは前級をベースにしており、長船首楼型船体を踏襲している。軽いシア(艦首の反り返り)の付いた艦首甲板から新設計の「Mk.26 50口径15.2cm両用砲」を収めた連装主砲塔を1基が置かれ、その背後から上部構造物が始まり、副武装の「Mk.6 70口径7.6cm砲」を収めた連装両用砲1基が配置された。艦橋と煙突の形状は同じく1940年代に建造された戦艦「ヴァンガード」に似ていた。艦橋の後部にはトラス構造の前部マストが立てられた。船体中央部の2本煙突は機関のシフト配置のために前後に離れているのは前級と同じであるが、1本あたりが細く、高くなっている。艦載艇は煙突間の中央甲板上に置かれ、片舷1基ずつ配置されたトラス構造のクレーンにより運用された。2番煙突後方の舷側甲板上に7.6cm連装両用砲が片舷1基ずつ配置され計3基である。トラス構造の後部マストの背後に後部艦橋で船首楼が終わり、後部甲板上に2番主砲塔1基が配置された。竣工後の1965年から1972年にかけて「タイガー」と「ブレーク」のみヘリコプター巡洋艦へと改装され、船体後部の武装と構造物は撤去され、7.6cm連装両用砲2基が撤去された舷側甲板上にシーキャット個艦防空ミサイルの4連装発射機2基を装備した。船体後部には大型の船尾楼が設けられ、ここにハンガーとヘリコプター甲板が設置されて、大型ヘリコプター(シーキングHAS.1/2等)4機を運用した。本艦の主砲には新設計の「Mk.26 15.2cm(50口径)両用砲」を採用した。その性能は重量58.9kgの徹甲弾を仰角45度で最大射程22,860mまで届かせた。旋回角度は艦首尾方向を0度として左右共に150度まで旋回でき、動力は電動、非常用に人力が選択出来た。バーベット内の揚弾薬機は電動式である。砲身の上下角は対空戦闘を考慮され最大78.5度から俯角5度まで対空火力に特化していた。その発射速度は高角砲並みの毎分20発を発射できた。近接対空火器には同じく新設計の「Mk.6 7.6cm(70口径)両用砲」を採用した。本級以外にもカナダ海軍の「レスティゴーシュ級駆逐艦」や「マッケンジー級駆逐艦」の主砲にも採用されている優秀砲である。その性能は重量16.4kgの砲弾を仰角45度で最大射程17,830mまで、最大仰角90度で最大射高11,580mまで届かせられる性能であった。砲身の上下は対空戦闘を考慮され最大90度から俯角15度まであり旋回角度は360度であったが、実際は上部構造物により制限があった。動力は電動、非常用に人力が選択出来た。発射速度は機関砲並みの毎分90発を発射できた。
出典:wikipedia
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