『地獄に堕ちた勇者ども』(じごくにおちたゆうしゃども、オリジナル題は 、イタリア語吹替え版は 、ドイツ語吹き替え版は)は、1969年公開のアメリカ資本によるイタリア・西ドイツ合作映画である。監督はルキノ・ヴィスコンティ。副題はリヒャルト・ワーグナーの楽劇「神々の黄昏」"(Götterdämmerung)"が各国付記されている。ビスタサイズだがイタリアDVDでスタンダード版で出したのを信じてスタンダードときIMDbでは間違った情報を載せている(IMDbの誤った情報が世界的に流布しているが、訂正を拒否している)。また、PALスピードアップの商品の分数150分というのも、誤りでほぼ157分。なお、台詞は英語がオリジナル。イタリア語版、ドイツ語版、フランス語版など各国制作しているが、それらは吹き替え版。『ベニスに死す』『ルートヴィヒ』へと続く「ドイツ三部作」の第1作で、ナチスが台頭した1930年代前半のドイツにおける製鉄一族の凋落をデカダンス調に描いている。原案・脚本はヴィスコンティらのオリジナルだが、シェイクスピアの『マクベス』、トーマス・マンの『ブッデンブローク家の人々』からモチーフを得た。マルティンの少女強姦のシーンはフョードル・ドストエフスキーの『悪霊』における「スタヴローギンの告白」からの引用である。また、実在のクルップ製鉄財閥のナチスへの協力と相続人()の醜聞をモチーフにしている。ナチスが政権を掌握した1933年2月のドイツ。プロイセン貴族で製鉄王のエッセンベック男爵家では、一族内の勢力争いで不穏な空気が漂っていた。当主ヨアヒムは1月に政権を発足させたヒトラー首相率いるナチスとの協調路線を選ぼうとしており、そのために反ナチで民主主義者であるヘルベルトを一族が経営する製鉄会社から追い出さなくてはならなかった。自身が突撃隊員で、幕僚長のレームとも懇意のコンスタンティンは、ヘルベルトを排除すると同時に一族における自身の影響力を広げようと目論んでいた。製鉄会社の重役であり、ゾフィーの恋人でもあるフリードリヒはエッセンベックの財力を親衛隊の勢力に取り込もうとするアッシェンバッハにけしかけられ、ヘルベルトやコンスタンティンらを押しのけてゾフィーと手を組む自分がエッセンベックを支配しようと考えていた。ヨアヒムの誕生日の夜、国会議事堂放火事件が起きる。政府は共産党員が犯人であると発表し、これを機会に共産党への粛清を強化する決断をした。同日、既にエッセンベックでの居場所を奪われたヘルベルトを逮捕するため、アッシェンバッハが手配した親衛隊の部隊がエッセンベック家に踏み込んできた。その騒ぎの最中、フリードリヒはヘルベルトの拳銃を使いヨアヒムを殺害。アッシェンバッハは、親衛隊と刑事警察にヘルベルトをヨアヒム殺害犯として捜査するよう指示を出す。ヨアヒム殺害後にエッセンベックの密談が行われた。コンスタンティンはヨアヒムの遺産を引き継ぎ、製鉄会社の筆頭株主となるマルティンをお飾りの社長にして自分が実権を握ろうとしていたが、既にゾフィー、フリードリヒ、アッシェンバッハらに懐柔されていたマルティンはフリードリヒを次の社長に指名する。ヨアヒムの葬儀が終わると、エッセンベック家では勢力争いが本格化。だがそれはエッセンベック家の内輪もめに収まらなくなっていた。ナチスの私兵集団から正規の国防軍への昇格を目論む突撃隊は、エッセンベックの工場で作られる武器を欲しがっており、コンスタンティンがその為に行動していた。一方ヒトラーは、将来的に実施するつもりの戦争を念頭に国防軍との連携を重視。その国防軍は既に人員数だけは自分達を遥かに凌ぐ突撃隊を警戒しており、武器を渡すのを拒んでいた。親衛隊員であるアッシェンバッハは国防軍に有利な方向で取り計らいを進めるが、コンスタンティンはあきらめていなかった。ヒトラーが政権を握ったヴァイマル共和政は急速にナチス・ドイツへとその姿を変えていく。ギュンターの大学では焚書が行われ、トーマス・マンやヘレン・ケラーの書物が焼かれた。海外逃亡中のヘルベルトからギュンターに手紙が送られてきたことを知った学長は、顔をしかめて嫌悪感をあらわにする。ドイツ民族はハーケンクロイツの下で統一されつつあった。そんなことはどこ吹く風で、マルティンは怠惰で退廃的な生活に浸っている。ヨアヒム最後の誕生会では場末のキャバレーに立つ踊り子のような女装をし、卑猥な歌を歌う見世物で皆の度肝を抜いて見せた。普段は昼間から情婦のアパートに転がり込み、何をするわけでもなく過ごしている。ある時、情婦と同じアパートにユダヤ人の幼い少女がいるのを知ったマルティンは少女をレイプし、これを苦にした少女は間もなく自殺する。地元の警察は証言などからマルティンに容疑を向けた。そこで警察に顔が利き、エッセンベックの一族でもあるコンスタンティンに相談。これを好機としたコンスタンティンはマルティンを脅迫し、会社の主導権掌握と突撃隊への武器供与を一気に推し進めようと動き始める。ゾフィーとフリードリヒは窮地に陥る。ゾフィーはアッシェンバッハに相談し、そこで彼は一計を案じる。自分の計画を阻むコンスタンティン、膨張し続けヒトラー批判を隠すことすらしない突撃隊、そしてその突撃隊をまとめる幕僚長レーム。彼らを一網打尽にし、脅威と障害物を一気に排除してしまう作戦を考え始めた。そして、1934年6月30日の朝がやってきた。「長いナイフの夜」の始まりである。アッシェンバッハの階級は「親衛隊大佐」と字幕がついているが、役者が話す台詞では Hauptsturmführer となっており、これは直訳で「高級中隊指揮官」あるいは「高級中隊指導者」となり、旧日本陸海軍の呼称を用いた軍隊階級風訳では「親衛隊大尉」とするのが通例である。アッシェンバッハの制服左襟に装着されている階級章も高級中隊指揮官のものであることからも、「親衛隊大佐」とする翻訳は適切とはいえない。これは訳者のミスと推測されるが、原語の階級呼称自体が親衛隊独特のもので軍隊や警察とは共通性がなく、ナチス・ドイツ時代においても親衛隊の階級を巡っては「どの階級と、どの階級が対等なのか」の判断で混乱を招いたといわれている。
出典:wikipedia
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