塩化鉄(II)（えんかてつ(II)、Iron(II) chloride）は、組成式 FeClの無機化合物である。かつては塩化第一鉄（えんかだいいちてつ、ferrous chloride）と呼ばれた。水に易溶で溶解度は64.4 g/100 mL (10℃)、105.7 g/100 mL (100℃)である。無水物は淡黄色粉末で、四水和物は黄緑色をしている。塩酸溶液を空気に放置すると酸素により酸化され塩化鉄(III)に変化する植物染料の媒染剤として用いる。塩化鉄(II)は鉄と塩化水素との反応で得られる。これはハロゲン化金属の典型的な製法である。塩化鉄(II)の合成には濃塩酸のメタノール溶液を使った方法がよく使われている。この反応では錯塩 [Fe(MeOH)]Clが生成し、これを真空状態で160℃まで加熱すると純粋なFeClが得られる。臭化鉄(II)[FeBr]とヨウ化鉄(II)[FeI]も同じような方法で作ることができる。また、塩化鉄(III)とクロロベンゼンから塩化鉄(II)を合成する方法もある。

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