カンピロバクター症(カンピロバクターしょう、)とは、カンピロバクター属菌の感染を原因とするヒトおよび家畜の感染症。平成18年度の統計では、食中毒としては、ノロウイルスの次に患者数が多かった。カンピロバクター属菌はグラム陰性、らせん状桿菌。水源となる河川などの汚染により発展途上国ではありふれた病気。厚生労働省によると、少なくとも1998年(平成10年)以降日本国内でのヒトの死亡例の報告はない。キャンピロバクター症とも呼ばれる。ヒトでは糞便、ウシでは流産胎子の胃、盲腸内容物を材料として本菌の分離を行う。分離にはSkirrow培地やCCDA培地などの選択培地を使用する。ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) による検出、同定も可能である。糞便中には非病原性のものも含め細菌が無数にいるが、症状から細菌性腸炎を疑った場合、便中に白血球がいること、カモメが翼をひろげたような形状のグラム陰性桿菌 (gull-wing shaped GNR) の二点が確認できれば、臨床的にはほぼカンピロバクター感染症と診断してよい。患者の多くは自然治癒し重篤な症状に至ることは少なく特別な治療を必要としない。一方、敗血症や重篤な症状を呈した場合、対症療法と共に適切な投薬治療が必要となる。薬剤としては、マクロライド系が第一選択薬剤として推奨されている。しかし、自然耐性を示すセフェム系薬剤では治療効果は望めない。また、ニューキノロン系薬剤に対する耐性菌が1994年頃から増加し、世界的な問題となっている。60 ℃、1分程度の加熱でほぼ不活性化されることから、十分な加熱調理と肉類に触れた器具や手指の洗浄、生食する野菜と肉類の接触防止といった二次汚染の防止処置を行えば簡単に防ぐことが出来るが、飲食店や学校の調理実習等での食中毒事例が多く発生している。冷凍や「湯引き」などの方法では不活性化出来ない。厚生労働省は食鳥処理業者に対し2006年3月に、「一般的な食鳥処理場に於ける衛生管理総括表」を作成し指導を行った。また、若齢者、高齢者、低免疫状態の人は生肉や牛レバーの生等を食べないよう指導している。
出典:wikipedia
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