1996年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第47回大会である。1996年3月10日にオーストラリアで開幕し、10月13日に日本で開催される最終戦まで、全16戦で争われた。この年、かつてのフェラーリ伝説のドライバージル・ヴィルヌーヴの長男・ジャックがウィリアムズへ加入した。CART現役チャンピオンのF1挑戦、また、グラハム・ヒルの息子デイモン・ヒルとの2世コンビ結成といった話題が注目された。ヴィルヌーヴはデビュー戦でポールポジションを獲得し、決勝でも残り5周までトップを走行。4戦目のヨーロッパGPで初優勝した。F1ルーキーらしからぬ大胆さをみせ、ベルギーGP予選後の会見では「パソコンのF1ゲームとビデオでコースを覚えた」と発言して記者達を驚かせた。ヒルは開幕3連勝を決め、得意の先行逃げ切りパターンで勝利を積み重ねた。しかし、7勝目を挙げたドイツGP以降勝てなくなり、ヴィルヌーヴの追い上げを許した。ポルトガルGPはピットストップでヴィルヌーヴが逆転し、最終戦を前にポイント差は9点にまで縮まった。最終戦日本GPでヒルは6位1ポイントを獲れば優勝回数差でチャンピオンとなる条件下で迎え、ヴィルヌーヴはポールポジションを獲得するが、スタートで出遅れた上、走行中にリアタイヤが脱落しリタイア、この瞬間にヒルのF1史上初の親子2代チャンピオンが決定、ヒルはトップでチェッカーを受ける。しかし、チームとの契約交渉が不調に終わり、他のトップチームへの移籍も叶わず、中堅のアロウズへ移籍することになる。ミハエル・シューマッハは2年連続チャンピオンとなったベネトンを去り、フェラーリへ移籍。すぐさまチャンピオン争いに加わるのは無理と言い切るも、「3勝」を目標に不安定なF310に手を焼きながらも、目標通りの3勝4ポールポジションを獲得。フェラーリの地元イタリアGPでチームにとって1988年以来の優勝を果たし、ティフォシの声援に応えた。一方、ベネトンにはシューマッハと入れ替わる形で元フェラーリコンビのジャン・アレジとゲルハルト・ベルガーが加入した。残り3周でベルガーのエンジンがブローしたドイツGPなど、勝てそうなレースをものにできず、前年の11勝から一転して0勝に終わった。シーズン後にデザイナーのロリー・バーン、テクニカル・ディレクターのロス・ブラウンがフェラーリへ移籍、チーム力は下降期に入った。1985年から最終戦としてアデレードで行われていたオーストラリアグランプリが、この年からメルボルンで開幕戦として行われた。 リタイアしたがレース距離の90％以上を走行していたため完走扱い

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