ルスラン・チャガエフ(Ruslan Chagaev, 男性、1978年10月19日 - )は、ウズベキスタンのプロボクサー。第33代・第37代WBA世界ヘビー級王者。アンディジャン出身。アマチュアボクシングの確かなテクニックをベースにしたサウスポーのボクサー。体格や顔つきがマイク・タイソンと似ていることから「White Tyson(ホワイト・タイソン)」の愛称で親しまれている。アマチュア時代にはウズベキスタン代表として1996年のアトランタオリンピックと2000年のシドニーオリンピックに出場経験を持つ。肝炎を患っており、肝炎を理由に試合が何度かキャンセルされた。チャガエフの若年は、プロボクシングの土壌のない東欧の旧共産圏出身であるため、アマチュアボクシングの場で活躍をした。アマチュア時代の戦績は85戦82勝と報告されている。また、アマチュア時代は、2度の世界チャンピオン、2度のオリンピック出場、そして1997年と1999年の2回キューバのオリンピック3連覇アマチュアボクサー、フェリックス・サボンに勝利した、という経歴の持ち主である。また、1997年に1度プロに転向し、その後またアマチュアに戻るという珍しい経歴も持っている。チャガエフは1997年、アメリカでプロデビューしており、8月21日、9月3日と2試合を行っている。アマチュアとしても活躍をしている時期であり後にこれが発覚し1997年の世界選手権金メダルを剥奪されている。発覚後はプロとしての活動を自粛しており、2度目となるプロデビューは2001年の世界選手権で金メダルを獲得後、2001年9月21日。プロ転向後は1つの引き分けを除き、勝利を重ね、2006年3月11日、WBAインターコンチネンタルヘビー級王座とWBOインターコンチネンタルヘビー級王座を獲得した。また、同年7月15日、空位だったWBOアジア太平洋ヘビー級王座も獲得した。2006年11月18日、デュッセルドルフのでジョン・ルイスとWBA世界ヘビー級挑戦者決定戦を行い、12回2-1(117-111、114-115、116-112)の判定勝ちを収めニコライ・ワルーエフへの挑戦権を獲得した。2007年4月14日、ロストックのでWBA世界ヘビー級王者ニコライ・ワルーエフと対戦し、12回2-0(114-114、117-111、115-113)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。チャガエフは序盤から足を使ったボクシングを展開しペースを支配し、中盤以降はワルーエフの右ストレートに対し左ストレートを上手く重ね合わせ、身長差約30cm、体重差約42kgというハンデを跳ね除けて世界王座に戴冠した。2007年10月13日、モスクワでWBO王者のスルタン・イブラギモフと王座統一戦を行う予定だったが、チャガエフがB型肝炎と診断され試合は中止された。2008年1月19日、デュッセルドルフのブルク・ヴェヒター・カステロで元K-1ファイターでもあるマット・スケルトンと対戦し、12回3-0(117-110、2者が117-111)の判定勝ちを収め初防衛に成功した。その後、6月には指名挑戦者ニコライ・ワルーエフとリマッチを戦う予定だったが、アキレス腱の負傷により暫くリングに上がれないことになった。これを受けてWBAはチャガエフを“WBA CHAMPION IN RECESS”(休養王者)として扱うことを決め、正規王座を空位とした。2008年8月30日、1位ニコライ・ワルーエフと2位ジョン・ルイスとがその正規王座をめぐって王座決定戦を争い、勝利を収めたワルーエフがWBA世界ヘビー級の正規王者になった。この後で、チャガエフとワルーエフは2009年6月26日までに対戦するようWBAから指示を受けた。2009年2月7日、約1年ぶりとなった復帰戦。ロストックのシュタットハレ・ロストックでカール・デービス・ドルモンドと対戦し、偶然のバッティングによるチャガエフの傷がひどく、6回終了時3-0(2者が58-56、60-54)の負傷判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した。 2009年5月30日、フィンランドのヘルシンキで正規王者のニコライ・ワルーエフと王座統一戦を行う予定だったが、チャガエフが前日計量後の検診に応じず契約不履行により中止された。この時も肝炎が原因と伝えられている。2009年6月20日、ゲルゼンキルヒェンのヴェルティンス・アレーナでIBF・WBO・IBO世界ヘビー級王者ウラジミール・クリチコと対戦し、2回にダウンを奪われるなどしてペースを掴めず、10回1秒、プロ初黒星となる左目上負傷による棄権によるTKO負けを喫しIBF・WBO・IBO王座の獲得に失敗した。2009年7月24日、WBAは2009年6月度のランキングを発表し、正規王者のニコライ・ワルーエフと王座統一戦を行わずにウラジミール・クリチコ戦を優先させたチャガエフから王座を剥奪しWBA世界ヘビー級1位にランクインした。2011年8月27日、同年7月2日に行われたWBA世界ヘビー級王者デビッド・ヘイとIBF・WBO・IBO世界ヘビー級王者ウラジミール・クリチコと統一戦でクリチコがヘイに勝利し、WBA規定でクリチコがスーパー王座に認定されたことに伴いWBA世界ヘビー級王座決定戦をドイツのエアフルトのメッセハレでアレクサンデル・ポベトキンと行い、12回0-3(2者が113-117、112-116)の判定負けを喫し王座返り咲きに失敗した。2013年10月5日、モスクワのオリンピック・スタジアムでジョボ・プダールの持つPABAヘビー級王座と空位のWBAコンチネンタルヘビー級王座を懸け対戦し、12回3-0(117-109、118-108、115-111)の判定勝ちを収めPABA王座とWBAコンチネンタル王座の獲得に成功した。2014年5月、WBA世界ヘビー級ヘビー級王座決定戦に出場する為、PABA王座を返上、WBAコンチネンタル王座も返上した。2014年7月6日、チェチェン共和国グロズヌイのアフマド・アレーナでWBA世界ヘビー級7位のフェリス・オケンドとWBA世界ヘビー級王座決定戦を行い、12回2-0(114-114、2者が115-113)の判定勝ちを収め5年振りの王座返り咲きに成功した。試合後のドーピング検査でオケンドから禁止薬物のタモキシフェンとアナストロゾールの陽性反応が検出された。2014年7月8日、WBAが最新ランキングを発表し、空位となっていたWBA世界ヘビー級正規王座にチャガエフの名が記載されると共に、オケンドに勝ちWBA世界ヘビー級正規王座に返り咲いたことが評価され、チャガエフは2014年6月度の月間MVPに選出された。2015年2月25日、WBAからWBA世界ヘビー級4位のルーカス・ブラウンと指名試合を行うよう指令が出された。2015年7月11日、約1年ぶりの試合。ドイツのマクデブルクのでWBA世界ヘビー級13位のフランチェスコ・ピアネタと対戦し、初回2分57秒KO勝ちを収め初防衛に成功した。2015年10月17日、ドイツのキールでWBA世界ヘビー級4位のフェリス・オケンドと1年3ヵ月ぶりに再戦する予定だったが、オケンドが同月6日のスパーリング中に肩を負傷したため中止となった。2015年11月13日、WBAは肩を負傷したフェリス・オケンドが最低でも2016年5月まで試合が出来ないとのメディカルリポートに基づき、オケンドとの再戦が不可能となったチャガエフにWBA世界ヘビー級3位のルーカス・ブラウンと指名試合を行うよう指令を出した。2016年3月5日、アフマド・アレーナでWBA世界ヘビー級2位のルーカス・ブラウンと対戦したが7年ぶりのKO負けとなる10回2分2秒TKO負けで指名試合を制しての2度目の防衛に失敗し王座から陥落した。2016年3月21日、WBAは最新ランキングを発表し、上述のブラウン戦に敗れ王座から陥落したチャガエフをWBA世界ヘビー級6位にランクインした。2016年3月22日、上述の試合に勝利し王座を獲得したブラウンから違反薬物のクレンブテロールへの陽性反応が検出されたとの報道が為された。VADAによる薬物検査でクレンブテロールが検出され、ブラウンの違反薬物使用が確定すれば試合は無効試合となり、ブラウンは王座を剥奪されるかもしれないとのこと。2016年4月8日、WBAは最新ランキングを発表し、チャガエフをWBA世界ヘビー級5位にランクインした。2016年5月12日、WBAは上述の試合後にクレンブテロールへの陽性反応が検出されたブラウンから王座を剥奪し、出場停止6ヵ月(同年11月12日まで)の処分を科し、チャガエフに対し120日以内にWBA世界ヘビー級4位のフェリス・オケンドとの指名試合に向けた対戦交渉を開始するよう義務付けた。2016年5月21日、WBAのメンドーサ会長は「WBAのドーピング規定に則り同年3月5日に行われたルスラン・チャガエフ対ルーカス・ブラウン戦の試合結果は無効試合とします。敗者となっていたチャガエフは試合前の地位であるWBA世界ヘビー級王者に復帰することとなります。」と述べ、WBA世界ヘビー級王座は正式にチャガエフに差し戻されたが、試合の公式記録は無効試合へ覆らなかった。2016年6月8日、WBAは最新ランキングを発表し、チャガエフをWBA世界ヘビー級王者としてランクインした。2016年7月26日、WBAは2014年7月6日に行ったフェリス・オケンドとのWBA世界ヘビー級王座決定戦の認定料40,750ドル(約400万円)を支払うようチャガエフへ繰り返し求めてきたが、最終期限に設定した2016年7月14日までに支払いが無かったこと。また、オケンドとの指名試合を行う意思を示さなかった為、チャガエフからWBA世界ヘビー級王座を剥奪した。2016年7月31日、チャガエフは2001年に手術を受けた左目の状態が思わしくないことを理由に現役を引退した。2016年8月11日、WBAは最新ランキングを発表し、チャガエフの引退に伴いWBA世界ヘビー級正規王座は空位となった。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。