サイドは、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、宇宙世紀を舞台にした作品で用いられる架空の宙域名である。宇宙での一部の宙域名の接頭語で、後ろに番号を付ける事でスペースコロニーの集合体を指している。各サイドは、地球と月の各ラグランジュポイントを中心とした楕円に近い軌道に設置されており、建造順に番号が振られている。初期設定では地球を挟んだ反対側の月軌道上に配置されたルナツー側のラグランジュポイントを含めた6点に1サイドずつが配置されていたが、現在ではルナツーはサイド7と共にL点付近に配置され、その他のサイドも月とのラグランジュポイントに存在する設定となっている。『機動戦士ガンダム』とそれ以降の作品では一部のサイドの場所と番号がずれているが、それは一年戦争後のコロニー再生計画の結果によるものとされている。作品にもよるが、1つのサイドで1億〜20億人程度の人口を持つとされる。また劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇』では、サイド3の総人口が1億5000万人と語られている。しかし、ラポート社の『機動戦士ガンダム 宇宙世紀vol.1 歴史編』などの設定資料では、1つのサイドで10億人、サイド3, 5のみ20億人とする説が取られている。漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、1つのサイドで1億2000万人前後の人口とされている。このためか本作では地球環境の悪化に歯止めが掛からず、地球上に大量の難民が発生している。なお、『機動戦士ガンダム』の総監督・富野喜幸(現・富野由悠季)が放映4ヶ月前に纏め上げた「機動戦士ガンダム設定書」によると、スペースコロニーは「全長32キロ、直径6キロの円筒の中に3600万人を収容する人工の宇宙植民地」で、「その一台を一バンチ」と呼称し、「1サイドは36〜40バンチ、1バンチ3600万人として、1サイドに13億人移住」とされている。漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、サイド3の居住用コロニーが約40基、1基当りの収容人口を約1,000万人としているが、一年戦争時は出兵・疎開により人口は3分の1以下に減少した結果、戦争末期の12月の総人口は1億5000万人になっているとされている。その他のサイドについてはいくつのコロニーがあるのかは不明。サイド全体についている愛称の語源については、関連書籍に記述がまったくなく、不詳である。この愛称は「機動戦士ガンダム設定書」で既に使用されており、サイド7のみ草案及び設定書で使用されていた「トア」から「ノア」に変更されている。宇宙における生活拠点はサイドや月以外にも、独自の軌道を取るコロニーや宇宙要塞等が存在している。また、ラグランジュポイント付近にはしばしば戦乱で破壊されたコロニーの残骸などのスペースデブリが集積して暗礁宙域が形成され、反地球連邦勢力の拠点となることもあった。宇宙世紀のスペースコロニーのほとんどはシリンダー型で3枚の採光ミラーを持つ「開放型」だが、サイド3だけはミラーのない「密閉型」(開放型の採光ミラーの代わりに人工太陽灯を光源に用いるタイプ)が主流である。開放型コロニーの採光部は「河」と呼ばれる。なお、シリンダー型コロニー1基の人口についても300万人という説や1500万人という説がある。OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』では、戦後のコロニー再建計画のコロニー移送シーンが描かれているが、シリンダー型コロニーを2基1組にして、互いに逆回転させることでトルクを相殺している。他作品ではそのような描写は見られない。個々のスペースコロニーは「サイド7・2バンチ」の様にバンチを付けられて表されるが、「グリプス」や「リボー」、「アメリア」等、固有名を持つコロニーもある。一方で「インダストリアル7」の様に、どのサイドにも属していないコロニーも存在する。コロニー内の交通機関としては主にエレカと地下鉄(ただし、コロニー外壁の外側に設けられた軌道に沿って走る懸垂式モノレールのような形態)が用いられる。『機動戦士ガンダムUC』ではコロニービルダーと呼ばれる、密閉型コロニーを建造する円盤型ないし缶型の巨大プラント「メガラニカ」が登場。建設途上のコロニーの一端に蓋をするように取り付いたコロニービルダーが、パネルを次々とレールで送り出して繋ぎ合わせていく多層構造のコロニー外壁の構築と、それを追って内装工事と住民入居が並行的に進められていく過程が描かれた。なお、現時点で宇宙世紀において最も未来の時代を描いた『G-SAVIOUR』においては、本編以前の地球連邦崩壊に伴って、スペース・セツルメントという呼称に改められたという設定になっている。サイドは数字の小さい順から、コロニーはバンチ(bunch)の数字の小さい順から配置、バンチの数字が不明な場合はコロニーの愛称名を五十音順で配置している。月と同じ軌道で月より後方のL点付近にある。人類が最初にスペース・コロニーを建設した空域である。一年戦争の緒戦で大きな被害を受け、またジオン軍の宇宙要塞ソロモンが置かれた。『機動戦士ガンダムΖΖ』の序盤の舞台となった。月と同じ軌道で月より前方のL点付近にある。一年戦争の緒戦で壊滅した。宇宙世紀0087年頃には50バンチ程が存在し、建造途中のコロニーもある。また、グリプス戦役中はサイド2全体が中立を表明していた。『機動戦士Vガンダム』では、ザンスカール帝国の発祥の地となった。連邦軍の研究機関とサナリィ・サイド2支社が存在していたがザンスカール帝国に接収された。月の裏側で、地球からは最も遠いL点付近にある。ジオン公国発祥の地となった。L点付近にはジオン軍の宇宙要塞ア・バオア・クーも置かれていた。ジオン・ダイクンによってサイド3にジオン共和国が建国された後、サイドに存在する開放型コロニーを密閉型コロニーに改造し、工業生産能力と人口の収容能力等を他のサイドよりも増強させられている。また、ジオンの本国としてズム・シティが置かれ、一年戦争ではア・バオア・クー、ソロモン、グラナダを本国に対する防衛拠点とし、それらを結んだ線を防衛ラインとして成立させ、万全の防衛体制をとる。一年戦争末期、ソロモンが地球連邦軍に攻略された後(8月や攻略戦前の説あり)には、第3バンチコロニー「マハル」をソーラ・レイへ改造するために住民を強制疎開させる(もともとマハルは貧困層コロニーだったため、改造された原因となっている)など、戦争の旗色が悪くなり一般住民に直接影響が及ぶ場面もアニメで描かれている。星一号作戦の目標が判明する頃には、駐留する部隊はア・バオア・クー防衛のために動員され艦隊がほとんど残らなかったが最終的にア・バオア・クーは陥落、防衛拠点のうち2つが攻め落とされた時点でジオン公国改めジオン共和国は連邦政府と終戦協定を結ぶ。これによりジオン本国への直接攻撃は辛くも回避され、(他のサイドのほとんどをジオン公国が徹底的に破壊した事により)皮肉にも最も工業生産能力を温存していたサイドとして、終戦後はコロニー再建計画等に関わることとなる。ジオン共和国は宇宙世紀0100年に自治権を放棄して消滅した。『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』や漫画版『機動戦士ガンダムF90』に登場した暗礁空域ゼブラゾーンは月の裏側にあるが、サイド3との関係は不明。L点付近にある。一年戦争緒戦で壊滅的被害を受けた。コロニー再生計画により、名称がサイド6に改められた。漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』ではコロニーや艦船の残骸が密集して絶えず放電を起こしていることから、サンダーボルト宙域と呼ばれている。作中では、宇宙要塞ア・バオア・クーへの補給路として制宙権を握る公国軍のスナイパー部隊と、ムーア居住者たちで編成された連邦軍のムーア同胞団による故郷再建の為に宙域奪還を目指す戦闘が行われた。地球と月の間のL点付近にある。一年戦争緒戦でルウム戦役と呼ばれる大艦隊戦が行われ、ほとんどのコロニーが壊滅した。ミラー調節不能ながらも気密性を保った唯一のコロニー“テキサス”は、両軍とコロニー公社との協議により、非武装・非交戦地帯に指定された。この事からこの宙域は、テキサスゾーンとも呼ばれる。一年戦争後、旧サイド5付近の暗礁宙域にデラーズ・フリートが自らの根拠地茨の園を築いた。コロニー再生計画によって、名称がサイド4に改められた。その後長らく放置されていたが、宇宙世紀0110年代から再建計画が実行され、この頃からフロンティア・サイドと呼ばれ、新技術のコロニーが建造されて開拓者の入植も激しい宙域となり『機動戦士ガンダムF91』の主要な舞台となった。その後の経緯は不明だが、宇宙世紀0220年代を舞台とする『G-SAVIOUR』ではサイド4として分類されるようになっていることが確認できる。L点付近にある。一年戦争序盤に中立宣言を行ったサイドで、当時は独自の通貨も発行していた。コロニー再生計画により、名称がサイド5に改められた。宇宙世紀0079年1月11日に中立を宣言し、ジオン公国、地球連邦どちらの戦争行為にも加担しない事を両軍に伝えた。それ以降、戦争には(表向き)巻き込まれていない。ちなみに中立を宣言できたのは、サイド単独での自給自足のために必要な経済基盤の整備が整ったからである。開戦当初はジオン寄りの態度だったが、戦局の変化に伴い連邦寄りへと態度を変化させ、一年戦争終盤では極秘に連邦軍の実験施設まで作られている。ムック「ガンダム・センチュリー」によると、連邦、ジオン両陣営の首脳や資産家の子弟、関係者などが戦火を避ける等の目的から多数居住しており、コロニー落とし後の異常気象に苦しむ地球に余剰食料などを輸出するという立場にもあったらしい。『機動戦士ガンダム』の第33話、第34話にて、ホワイトベースが立ち寄ったのがここサイド6である。中立サイドであるが故の戦闘のタイミングや、様々な人との出会いによって、作中では重要なターニングポイントの舞台となっている。アムロ・レイと、宇宙に吹き飛ばされて以降消息不明であったテム・レイとの再会。また、アムロとララァ・スン、そしてアムロとシャア・アズナブルが初めて直接対面をした場所でもある。更にミライ・ヤシマと婚約者のカムラン・ブルームとの偶然の再会もあった。この周辺の「戦闘禁止区域外」にてコンスコン機動部隊はアムロによって全滅させられた。月と同じ軌道で、地球から見て月とは正反対のL点付近にある。一年戦争当時は建設が開始されたばかりで、未完成だったが居住が始まっていたコロニー1基が『機動戦士ガンダム』の物語の発端となった。L点付近には地球連邦軍の宇宙要塞ルナツーも置かれていた。一年戦争終了後に再建され、グリーン・オアシスと改称された。ティターンズの拠点が置かれ、『機動戦士Ζガンダム』においても物語の発端の場所となっている。テレビ映画『G-SAVIOUR』にて、作品後半の舞台となったサイド。場所は新サイド4と同じL点に位置する。ガイアとは「大地」の意味。ギリシア神話に登場する最古の大地の女神の名でもある。劇中の時代である宇宙世紀0223年においては、地球連邦は既に崩壊し、旧連邦派は地球寄りだったサイド2,3,5,7とまとまったセツルメント国家議会に、サイド1,4が月と共にセツルメント自由同盟を形成しているが、サイド8は当時建設中であったためにサイド6と共にどちらの勢力にも属さず中立を保っている状況にある。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。