World Community Grid(ワールドコミュニティーグリッド:以下WCG)は、2004年11月16日発足したグリッド・コンピューティングを構築する世界最大規模の非営利活動のプロジェクトおよびそのグリッド・コンピューティング。分散型コンピューティングの一つで、Windows、Linux、Mac OS Xなどのクライアントプログラムが用意されており、クライアントプログラムはコンピュータの余剰能力を用いて計算し、結果を送信することで、エイズをはじめとする未知のウイルスや病原体への対応、新薬の開発(バーチャルスクリーニング)につなげたり、病気の処置法の探求など、生体工学分野を中心に人類の脅威とされる課題の克服に貢献する。公式サイトではこれらのことから「ボランティア・コンピューティング」と称している。先見的な科学研究と結びついた技術革新と大規模なボランティア活動により世界を良い方向へ変えていくことができるという確信のもと、人類に貢献するプロジェクトに取り組むため、世界最大規模で公的グリッド・コンピューティングを運用、構築するものである。対象となる研究は、以下の4点に該当するプロジェクトと定められている。この規定内において、毎年四半期毎にプロジェクトが公募されている。参加資格は特になく、誰でも個人で参加できる。無償の貢献であり、金銭、物品や権利などを得ることは無く、また義務も負わない。「成否は、参加者一人一人の行動に寄る」とされ、素人がその分野の発展にささやかながらも貢献できるものでもある。参加者は個人または集団で会員登録をし、インターネットに接続した使用中のパソコンなどの余剰時間や余剰リソースを使用してDNAなどを構成する分子の組み合わせ試行などの計算を行い、その結果を自動的にアップロードする。計算課題のダウンロード、結果のアップロードとも参加者には特別な操作は必要なく、意識することなくOSのマルチプロセッシング環境のバックグラウンド下で行われる。参加させるパソコン等の性能やあらかじめ自分で決めて割くリソースの量や課題にも拠るが、累積約4-20時間程度で一つの課題を解き終える。パソコンの電源を長時間入れないなどして与えられたタスク(課題)をほぼ2週間以内に解かず、結果のアップロードが行われない場合は、その同一タスクはプロジェクトの本部によって別のメンバーにも与えられておりその者の結果が有効となる。一つのタスクの処理中に次のタスクもダウンロードされ待機する。このようにパソコンは常時次々とタスクを解いている。Windows、Mac、Linuxのいずれかのオペレーティングシステムで稼働しているパソコンなどを使用する者がWCGのサイトから会員登録を行いメンバーとなり「World Community Grid ソフトウェア」と呼ばれるBOINCクライアントをインストールし稼働をさせる。一旦稼働させればパソコンなどのユーザであるメンバーは設定を行わなくとも電源投入後自動的にバックグラウンドで働き、電源切断時も何らの介在を要しない。一旦稼働後の段階からWCGのメンバーとして参加し貢献をすることとなる。必須事項ではないが言語の選択はツールバーの「Avanced」「Options」「language selection」の中から自分の好む言語を選択しその言語での表示とできる。言語の選択肢は200通りを越え、一例として英語の場合16通りの中から選ぶことができる。一般に英語と言われるものから、アメリカ英語、イギリス英語、さらにはフィリピン英語やジンバブエ英語なども選択できる。中国語は7通り、アラビア語は18通りある。「Japanese」を選択して日本語表示とできる。WCGでは幾つかのプロジェクトがありデフォルトではすべてのプロジェクトに参加することとなるが、個々のプロジェクトも参加の可否を指定できる。またインストールし稼働するとスクリーンセーバもWCGとなり参加してタスクとして処理中のプロジェクトのものが表示される。WCGでは新規のプロジェクトが立ち上がったり、プロジェクトが完了することもある。「すべてのプロジェクトに参加する」という設定にしておけば、これらのプロジェクトの増減に気を払う必要はなくなる。メンバーが選択したプロジェクトはWCG本部のサーバーに記憶され該当するプロジェクトのタスクが与えられる。日本語表示の場合「高度な操作」、「プレファレンス」から「プロセッサー使用設定」をデフィルトの60%以外に変える事ができる。ここでの60%とはBOINCソフトウエアでタスクの処理をCPUで一時的に100%稼働させ、直後にタスクの処理を休止し0%となる。このことを約3秒から5秒間隔で繰り返しタスクは細切れに処理され、パソコン自体のプロセッサーの使用率はWCGのタスクとパソコン本来の用途であるアプリケーションやOSを含めて平均で60%となることを意味する。一般にWCGへの参加を行ってもそれが原因となってパソコンでの他のアプリケーションの処理速度が著しく落ちることはないとされる。また「休止」と「一時停止」と呼ぶ処理の中断が行え、何らかの理由によりCPUの能力をWCG以外のアプリケーションに集中させる必要がある場合にも対応できる。「休止」を解かなければ1時間中断、「一時停止」はそれを解くまで時間制限無く中断状態は維持される。WCGではFAQやパソコンなどの必要なリソースとしてのハードウエア構成は頻繁に変更されるため、このことに関しては英語でのみ表示され次に示す外部リンクのWCGのサイトで示される仕様が必要となる。プロジェクトごとにメモリーとハードディスクドライブ必要容量は異なるが、一般的な仕様と構成を持つパソコンであればその中のメモリー250MB、ハードディスクドライブ100MBを使用し十分対応できる。特定のプロジェクトの特定のタスクは世界中の複数のメンバーに重複して配布されるので、自分のパソコンがタスクに対応出来なかったり、中断が長時間行われたとしても、他のメンバーがそのタスクを処理してくれる。なおBOINCクライアントを稼働した後、WCGのプロジェクトへの参加に加えてBOINCのプロジェクトへもメールアドレスなどを登録しそれぞれのプロジェクトのメンバーとなって参加できる。これらのすべてのプロジェクトのタスクには「報告期限」と呼ばれる締切の年月日時分秒が決められておりCPUの処理速度が低速であったり、極度にリソースの割り当てを少ない設定とすると期限までにタスクを終了できず単なる無駄に終わることもこともあり、各タスクの進捗状況を見ながら貢献させるリソースを決めることが奨められる。2009年7月末時点で約20のBOINCのプロジェクトへの参加が選択できるが、多くのプロジェクトへの参加の設定をしても同時に1つまたは2つのタスク処理しか行えず、分散コンピューティングへの参加の貢献度が増える訳ではない。またWCGのプロジェクトへは少なくとも1つ以上参加しなければならない。WCG以外にもBOINCの他のプロジェクトへの参加が可能である。参加に会員登録した者は貢献に提供するパソコンなどの能力(リソース)の度合いを自分で決めることが出来る(後刻変更もできる)。次の機器構成を「総合パーフォーマンス基準値100」として考えられており、メンバーはその値以上または以下のリソースを自分の機器によって構成したり割り当てて設定した上でリソースの一部を提供する。以上の構成が基準として100の能力とされる。登録し課題を解いてもパソコンの自分の用途の処理が遅れるなどの事態は殆ど無い。余剰のアイドル時間(Microsoft Windowsの場合はSystem Idle Process)に処理能力としてのリソースの一部だけを使うものである。また設定により最大120分間まで課題の計算処理を中断でき、パソコンのトラブル時などにも切り離した状態に出来る。この切り離し中はSnooz状態と呼ばれる。また、参加を意識する必要は全く無く、自分のペースでパソコンの電源を切ってよく、その場合でも課題の計算などの処理は細切れに継続され、いずれ完結に至り、その結果はアップロードされる。参加者を辞める場合は、参加用のプログラムを削除する、または自動的スタートアップの設定をしなければよい。登録したメンバーは任意選択として、さらに世界中のいずれかのチームのメンバーとなることも出来る。2007年11月時点で約1000チームが存在しており、その中には数千人のメンバーを擁するチームや一人でチームと称するものまである。米国IBMもその資源を提供している。個人参加であってもチーム所属であっても貢献することには変りは無い。ただし、「World Community Grid」本部のウェブサイトは参加チーム名とそれに関する貢献度の統計データなどを掲載しているが、チーム自身のURLによってチームが行う自己紹介や案内する事柄には責任を持っていない。何らかの理由により、状態が“Intermittent”(断続)となっているプロジェクト。多くは予定した処理を全て終了しており、結果解析時に追加確認のWU配布が必要な場合と思われる。時たま少量のWU配布がある。BOINCプロジェクトに登録している日本のチームは数多くあるが、World Community Grid を継続的に解析しているチームのみ抜粋(抜粋要件:参加者数10人以上、チーム国籍が日本、またはチーム名に「Japan」を含む)。
出典:wikipedia
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