ショーン・ディロン(Sean Dillon)はジャック・ヒギンズの小説に登場する架空の人物。ショーン・ディロンシリーズと称される一連のシリーズの主人公。北アイルランド出身。父子家庭ではあったものの平凡な幼年期を送り、成長して王立演劇学校に入学。才能を認められて、「サー・ローレンス・オリビエの再来」と周囲から期待されていたが19歳の時に父親がベルファストでIRAと落下傘部隊の銃撃戦に巻き込まれて死んだのきっかけにIRAに入り、テロリストの道を邁進することになる。ガンマンとして頭角を現し伝説のテロリストの一人になるが、IRAの大義に幻滅して離脱。その後はフリーの傭兵として活動していた。このため登場第１作目の「嵐の眼」では湾岸戦争時のイラクの依頼でイギリスでテロを起こす悪役として登場。マーティン・ブロスナンやリーアム・デブリンの妨害をかいくぐってダウニング街（）に迫撃砲を打ち込むことには成功するが、首相の暗殺には失敗。ただし逃亡には成功する。「千の顔を持つ男」と言われるほどの演技の技術を生かして当局に捕まらなかったことが自慢であったが、ふとした気まぐれでコソボに医療物資をセスナで運ぶ仕事を請け負ったことが運命を暗転させる。実はチャールズ・ファーガスンの差し金で医療物資にスティンガーミサイルが入っていたのだ。セスナで戦闘機を撃墜することをやってのけたが結局はセルビア人勢力に捕まってしまう。ところが、ファーガスンの方でスキューバーダイビングが出来るエージェントが必要になったので、釈放と引き換えにファーガスンの元で働くことになる。性格は一見すると陽性のように見えるが、世界の全てについて冷めた眼で見ていて、世の中はおろか自分の生死でさえも知ったことじゃないとばかりに達観している。ただし、友人や知人に関しては知ったことではないと達観できないようである。敵には冷酷非常で破滅するまで追い詰める。また、一度取り交わした約束をたがわないことを信条としているが、その代わり裏切られたら必ず報復する。戦闘能力などのエージェントに必要な能力に長けている他、練達のダイバーで、陸上では銃撃されて防弾チョッキで助かったり、仲間に救われたりするなど必ずしも無敵ではないが水中に引きずりこんでしまえばほぼ100%といってもいい勝率を誇る。演技の才能はありすぎるぐらいにあるのだけれど「サンダーポイント」以降では効果的に使われているとはいえないので、その点についての批判がある。基本的には007シリーズやダーク・ピットシリーズの同列の系統で、敵の陰謀をディロン達が防ぐといった内容である。イギリスとディロンの関係上、IRAのテロリスト達が絡んでくる話が多い。ただ、ディロンが悪役をやっていたように主人公側がまったく善玉と言い切れないのが特徴である。

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