『マハーバーラタ』( "Mahābhārata")は、古代インドの宗教的、哲学的、神話的叙事詩。ヒンドゥー教の聖典のうちでも重視されるものの1つで、グプタ朝の頃に成立したと見なされている。「マハーバーラタ」は、「バラタ族の物語」という意味であるが、もとは単に「バーラタ」であった。「マハー(偉大な)」がついたのは、神が、4つのヴェーダとバーラタを秤にかけたところ、秤はバーラタの方に傾いたためである。作中人物の1人でもあるヴィヤーサの作と見なされているが、実際の作者は不明である。パンチャーラ国にはドルパダ王子と仲の良いドローナという少年がおり、ヴェーダをともに学んでいた。やがてドルパダは国王になると、ドローナに「幼い頃は我らの間に友情があったが、国王とそうでない者との間に友情は成り立たない」と諭した。ドローナはパンチャーラ国を後にするとクル族のパーンダヴァ国に入り、やがて首都ので腰を落ち着けた。ある日、5人の王子達が困っているところに出くわし助けたところ、請われてある条件と引換に教師になることに同意した。弟子には、5人の王子達(ユディシュティラ、ビーマ、アルジュナ、ナクラ、サハデーヴァ)の他にカルナが居た。ドローナは彼らに戦い方を教えると、かねてからの約束通り、ドルパダ王を捕らえるように願い出た。弟子達はパンチャーラ国に攻め入り、ドルパダ王を捕まえた。ドローナが「国王とそうでない者との間に友情は成り立たないのだから、君の国を奪ったのだよ」と言い放ったが、ドルパダ王の懇願を受け入れ、ガンジス川の北をドルパダ王に返還し、南にドローナの国を作ってパンチャーラ国を分割した。ドルパダ王はいつかこの屈辱を晴らすためにを行うと、双子の兄妹(ドゥリシュタデュムナとドラウパディー)が生まれた。ドラウパディーが絶世の美女に成長すると、ドルパダ王は花婿選びを開催した。カルナは優れた弓の名手ではあったがクシャトリヤ以上の階級という条件に合わなかったためアルジュナが勝利すると、パーンダヴァの5王子はドラウパディーを連れて家に帰った。アルジュナの母クンティーは忙しくしていたため、アルジュナがドラウパディーの花婿選びで勝ったという5王子の報告を、托鉢して施物を集めてきたものと勘違いし、兄弟で等しく分かち合うよう言った。こうしてドラウパディーは5王子が共有する妻になった。また、アルジュナは転生したインドラである。ユディシュティラが大きくなると、父王パーンドゥの跡を継いでいた叔父の盲目王はクル国の半分をユディシュティラに与えた。ユディシュティラはのの王宮に住むようになった。盲目王の子ドゥルヨーダナは5王子の幻想宮殿を訪ねたとき、水の中に落ちてしまい、ドラウパディーの女中達がそれを喜んで眺めた。元々次の国王は自分だと思っていたドゥルヨーダナは、この扱いに激怒して陰謀を巡らす。ドゥルヨーダナこそ悪魔の転身である。ドゥルヨーダナの怒りを知ったビーシュマは、首都を分割してユディシュティラに与え、平和を維持することを提案した。カウラヴァのが謀ったが起こり、ユディシュティラは全てを巻き上げられ、王国も失ってしまう。ユディシュティラは、妻ドラウパディーすら賭けで失い、彼女は奴隷にされた。かつて身分の違いを理由に袖にされたカルナは、落ちぶれた姿を目にして奴隷女と罵った。サイコロ賭博事件の結果、5王子は13年間に渡る森の中での逃亡生活を強いられた。その後、パーンダヴァ王家は5王子達カウラヴァ王家からの王国奪還を要求し対立が深まった。アルジュナが師ドローナに弓引く戦争をためらっていると、いとこのクリシュナが自分の正体がヴィシュヌであることを証し、「道徳的義務を遂行する自分のダルマを果たすべきで、友人や知人の死で苦しんではならない。彼らは肉体の死によってその病んだ魂を純粋平和な世界へ開放することが出来るのだから」と説いた(『バガヴァッド・ギーター』)。でカウラヴァ王家は全滅する。カルナはアルジュナによって殺され、昇天して太陽神スーリヤと一体化した。ドゥルヨーダナはビーマに殺された。ドローナは、ユディシュティラに捕まえられたところをドゥリシュタデュムナに殺され、悲報を聞いたアルジュナは師の死を悼んだ。東南アジアではインド二大叙事詩『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』は共に王権(クル族を祖先とする王家の正統性)を強調するものとして翻案され、支配階級のみならず民衆の間でも親しまれている。ベトナム(チャンパー)の碑文やインドネシア(ジャワ、バリ)の古典文学およびワヤン・クリットにおいてはクル族両王家のうちカウラヴァ方への共感が見られる。7世紀のチャンパー碑文によればチャンパーとカンボジアの王はカウラヴァのアシュヴァッターマン王子(ドローナの槍の継承者)の子孫である。ジャワにおける翻案(古ジャワ語文学(カウィ文学))ではパーンダヴァ方の血統でありながらカウラヴァ方についたカルナ(ジャワ語カルノ)がアルジュナ(ジャワ語アルジュノ)と共に二人の主人公と目され、カルノはその高潔な人格と悲壮な死とあいまって、国民的な共感と同情の対象となっている。インドネシア共和国初代大統領スカルノの名もカルナからとられたものである。『マハーバーラタ』に限らず神話は創作か事実を基にした物語か問題になることが多い。『マハーバーラタ』に記された「インドラの雷」の描写が核兵器を想起させるものである事から、超古代文明の古代核戦争説を唱える者もいる。しかし、創作の場合でも登場するのが神であることから、核兵器に匹敵する能力が描写されていたとしても不思議は無いというのが一般的な考え方である。日本語英文
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